安倍文殊院にお詣りしてからさらに奥へとたどり聖林寺に参拝してきました。フェノロサゆかりの十一面観音で知られた寺院です。 駐車場からわずかな登りですが風情のある石垣や石仏が好ましい道です。 山門前から眺めると三輪山が端正な姿で横たわっています。奈良の盆地の南の縁の山裾なので展望には絶好の位置にあるってわけです。 聖林寺はとても小さなお寺で山の斜面にしっくり調和しています。狭い境内には花がたくさん植えられていて、ちょうど百日紅が咲きはじめていました。 案内された本堂にはでっかい子安延命地蔵尊がどっかと座っていらっしゃいます。顔がでかい、でかすぎ。ほぼ4頭身くらいです。(^_^; 石像ですが彩色が施されています。ですから重々しさは感じられない分だけ親しみが持てます。 子授けから安産からお宮参りから七五三からもぉ子供のことならなんでもこなす働き者のお地蔵様です。 http://www.shorinji-temple.jp/about/about03.html 左に回廊を上ると鉄扉の向こうに十一面観音様がおわします。その指の仕草の繊細でなまめかしいことと言ったら。お顔はちょっといかついのですが。(^_^; 明治の廃仏毀釈の際に危うく難を逃れてこの聖林寺にやって来たそうで、こうして現代に伝えられたのは私たちにとっても幸いです。 この十一面観音は明治の旧国宝制でも戦後の新国宝制でも最初に選定となったというから国宝の中の国宝です。 http://www.shorinji-temple.jp/about/about04.html#../images/about/p4_p04.png 同じ奈良と言ってもちょっと遠いので奈良公園周辺の寺院とはまったく違って観光地の雑踏とは無縁の静かな参拝ができました。信心ないけどね。(^_^;
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