2018年7月            

7/18 イギリス海岸
(旅行)


   イギリス海岸
早池峰山を途中撤退してしまったので時間が余ってしまい花巻で宮沢賢治ゆかりの場所に行ってきました。

宮沢賢治記念館へ。
特別展ということですっかり展示が変わっていて楽しめました。でも、ここの雰囲気は好きじゃないんですよね。こんなおしゃれな宮沢賢治はいったいどこにいたんだ。こうして寄ってたかって賢治像を作り上げちゃうんだな。
普通に公民館の一角に資料を並べただけの記念館だったらどれほど実像に近いだろうか。

そこから北上川のイギリス海岸へ。
北上川の川床の泥岩層が露出して独特の景観を見せてその景観の印象から賢治がイギリス海岸と名付けたと言われています。ところがいつ来ても水流が川いっぱいになっていてその泥岩層を見たことがありません。浅瀬となって波がざわついている景観からその姿を想像するしかありません。
たまたまやってきた様子の良さそうな地元の名士然とした方と話が弾みわずかな時間ですが楽しいイギリス海岸となりました。
賢治が教師だった頃、生徒とともにイギリス海岸から対岸まで泳いで渡りそこにあったスイカ畑でスイカを失敬してしまう話(実話だったのか童話だったのか忘れました。)がありますが、その地元の方も「私も泳いであっちに行ってスイカを失敬したな」と少年の頃同じ経験があると話していました。スイカ畑の主も何十年もやられっぱなしだったのかと大笑いしました。
その地元名士氏の話では時々上流のダムで放流をやめて水量を減らすことがあって,そのときには泥岩層が姿を見せるそうです。

ついでの話です。
その地元名士氏は品のよい女性と二人連れだったのですが、その雰囲気は奥様でもなさそうだし邪推を挟むような間柄でもなさそうだしと思ったらなんと前日に喜寿を祝う同級会が花巻温泉であってその帰り、東京に戻る同級生を駅まで送る途中に昔を懐かしんでこのイギリス海岸に寄り道したのだそうです。聞けばその女性は戦争中に疎開で東京から花巻に来たと言うことで、たぶん地元のガキ大将と東京からやってきた眩しいマドンナって間柄だったのかなんてなんだか楽しい想像をしてしまいました。喜寿になっても子供の頃の間柄がそのまま続いているなんて素敵ですね。
ほんの少しの時間でもこうしてその土地の人とふれあうと旅が何倍にも膨らみます。

というような楽しい花巻を後にして延々500kmの帰途につきました。いやはや、遠い。