灯台からの響き 宮本輝。 小説は久しぶりです。宮本輝も久しぶり。 地方新聞の連載だったそうで、なるほど日々書き重ねた感じの展開です。だから、大きなクライマックスもないまま坦々と一日一日がが過ぎていくので読んでいるときは興味がつながっていたのに読後はあまり心に響くものがないのは仕方ありません。 帯に「亡き妻の知られざる過去を追い男は旅に出る」なんてフレーズが書かれていましたが、知られざる過去と言っても個人的な子供の頃の秘密ですし、男の旅も中高年のひとり旅行って具合だし、なんてことはない出来事で肩すかしさ。(^_^; 作者はきっと読者の心を揺さぶるような小説じゃなくごく普通の男の人生後半の小波を描きたかったのかもしれません。ところが読者(私)にはまだそんな静かな生き方は備わってないもんで。 |