25年以上も前のこと、よく一緒に登っていた山仲間がとっても達筆で木のプレートに「山とんぼ」とハンドルネームを書いてくれました。以来、ずっとザックにぶら下げて歩いてました。その後ほどなく彼女は亡くなってしまったので形見みたいなものになって大切にしていましたが、最近ふと気づいたら、ザックにくくりつけていたはずが、ない!もちろんどこでなくしたか見当も付かずそろそろお役目果たして彼女のところに帰ったかなと諦めることにしました。 ところが、昨日娘が山から電話を入れてきて「山とんぼってお父さんだよね。たしかザックにプレートぶら下げてたよね。拾ったよ」 ええぇぇーーーーっ!! 登山道脇の灌木の枝に掛かってたんだって。なんたる偶然。なんたる奇跡。 私がそこを歩いたのはもう4ヶ月も前、どなたかが拾ってただのゴミとは思わずに木の枝に掛けてくれたんですね。落ちて泥まみれになることもなく、それを誰あろう私の娘が気づいて拾ったって、こんなことが現実にあるんですね。 きっと最初に拾った方も達筆の文字なので軽く扱っちゃいけないと思ってくれたんでしょう。さらに娘の好みの山の傾向が私のそれに似ているのも偶然を呼びこんだ理由の一つだし、水墨の文字だったため風雨に負けずにいたのも理由の一つです。いろんなことが重なって奇跡を運んでくれたってことで、昨日はなんだかぽーっと豊かな気分になりました。 そういえば彼女は執念深い女だったからなぁ、せっかく書いたプレートをゴミにされてなるものか、とあの世から念を送ったのかも。(^_^; そろそろそっちへ行くからね、プレート持ってさ。 |