目次

  安達太良山 あだたらやま 1699.6m

ゴンドラ利用でのんびり歩く
2007-8-26
かつてはけっこう登り応えのあった安達太良山ですが、ゴンドラができて以来1300mがスタート点という手軽な山になりました。お疲れめの時にはありがたい存在です。頂上まで約1時間半、福島の中通りや裏磐梯などの大展望を愉しむことができます。
やはりポピュラーな山にはそれなりの理由があります。楽に登れるのに展望は抜群、さらに荒々しい火山性景観の尾根のミニ縦走も楽しめ、おまけに初夏ならば薬師岳のハクサンシャクナゲや峯ノ辻のイワカガミ、勢至平のレンゲツツジなどの花々も楽しめます。
ちょっと遠いですがこの季節一足早く秋を感じてきました。

2013-10-19(こちら)
紅葉狙いも天候がもうひとつでやや空振り気味。

2016-7-30(こちら)
遅かった梅雨明けもやっとやってきてそれっとばかり足慣らしに歩いてきました。
【日程】 2007年8月26日
2013年10月19日(こちら)
2016年7月30日(こちら)
2023年7月3日(こちら)
【山域】 福島
【天候】 2007-8-26 晴
2013-10-19 曇り、雨
2016-7-30 晴
2023-7-3 晴
【アクセス】 二本松ICから岳温泉経由で奥岳温泉。
【駐車地】
奥岳温泉に大駐車場
無雪期は無料
【コース】
2007-8-26
駐車場−ゴンドラ - 五葉松平 - 安達太良山 − 牛の背 − 矢筈森 − 馬の背 − 鉄山 − 矢筈森
− 峯ノ辻 − 勢至平 − 駐車場

実行程約5時間 一般向き

2023-7-3
駐車場−ゴンドラ - 五葉松平 - 安達太良山 − 牛の背 − 矢筈森 − 馬の背 − 鉄山(往復)

実行程約3.5時間 初心者向き

           安達太良山

          鉄山頂上 矢筈森、安達太良山、和尚山を見る
【メモ】 2007-8-26
一気に1300m:
安達太良山頂上

コースはゴンドラ駅のある薬師岳から始まります。
安達太良山に向かう登山道は木道がしっかり整備されて、かつての泥んこ道が嘘のようです。
五葉松平の名の通り五葉松の多い平坦な尾根をしばらくたどります。木々が覆い被さって風の通りもなく鬱陶しい道ですが、ハクサンシャクナゲが多く、来年の蕾がもう膨らんでいましたので開花の季節なら楽しいはずです。
しばしの我慢で展望が開け、背後には福島中通りの展望、眼前には安達太良山が姿を現します。
乳首山の名もあるようにゆったりとした山体の中央にちょこんと小さな頂上部が乗っています。

大展望の安達太良頂上:
小さな盛り上がりの頂上部には岩をぬって登りますが特に危険な箇所はありません。
岩の折り重なった頂上には三角点と石祠、石標、方位盤があります。石祠も石標も古いもので土台が歪んでいるのか傾いています。方位盤は傷んでいて判読できませんでした。
ここからの展望は抜群です。南に和尚山、西に磐梯山、東に中通りの盆地と阿武隈の山々、そして北側にはこれからたどる鉄山。くっきり晴れていれば遠く那須連山や飯豊連峰も視野に入るはずですが晩夏といえまだ秋の空には時期が早すぎたようです。

壮絶な景観のミニ縦走:
沼の平 その先に秋元湖
頂上部から基部まで戻り、いよいよ鉄山に向けてミニ縦走です。だらだらと数分も歩くと牛の背と呼ばれる鞍部となり、ここから左足元に沼の平を一望することができます。安達太良山群の中で最も新しい火口原で広大で壮絶な光景が広がっています。かつて火山ガスのために死亡事故があり、以来立ち入り禁止となっています。以前はこの火口原の真ん中に登山道があったのですが、眺めただけでもあそこを歩いたのかと思うとぞっとします。
火口原を囲むように尾根がとりまいていますが、その中で火口原の南を形成する船明神山はなるほど船の形そのままでちょっと楽しい景観です。
また火口原のその先には裏磐梯の秋元湖、小野川湖が鈍く光っています。また磐梯山の南に猪苗代湖が意外な広がりで見えます。
わずかに登り返すと矢筈森(やはずがもり)。東にいかにも火山らしい荒々しい尾根を突き出しています。一旦下った鞍部が馬の背。なるほど先ほどの牛の背よりはやせ尾根で、それぞれを牛と馬に例えたその差異が少々滑稽で納得しました。
馬の背の東眼下にくろがね小屋が見えます。以前はここから直にくろがね小屋まで下降できたようですが今は火山性ガスのために立ち入り禁止となっています。

展望の鉄山:
馬の背からくろがね小屋

馬の背からかなりの急登を強いられますがそれもわずかな時間で鉄山頂上です。直登する踏み跡もありますが左側に回り込んで戻るように登り返せば安全です。
この鉄山は1709mと安達太良山(1699.6m)より標高が高く、さらにこの北に位置する箕輪山は1728mで安達太良山より28mも高いことになり安達太良山群の盟主もちょっと形無しです。
ここからは今まで遮られていた北側の展望が得られます。箕輪山が間近に大きく、その先に吾妻小富士、東吾妻山、一切経山、東大巓、西吾妻山と続く長大な吾妻連峰が横たわっています。
北側は今までの壮絶な景観とはうって変わってたおやかな地形でゆったりと緑の斜面が広がっています。
ちなみに鉄山はてつざんと読む様です。くろがね温泉と同じにくろがねやまかとも思っていましたが、地元の看板ではMt.Tetsuとなっていました。
余談ですが、稜線から流れ落ちる小沢は鉄分あるいは他のミネラルによって沢底が鉄錆色になっています。鉄山の謂われと関係あるのかどうか。

峯ノ辻から勢至平を経て下山:
一旦牛の背まで戻り、縦走路から左(東)に分かれる登山道を下ります。頭上に安達太良山が聳え、稜線からはなだらかに見えた安達太良山の斜面が意外に険しいことに驚かされました。
春ならば花の多い下山路ですが今の季節は咲く花も限られます。篭山に続くなだらかな尾根を越すと峯ノ辻、くろがね小屋への道を分けます。あとは樹林の中をひたすら降って勢至平でくろがね小屋からの道に飛び出します。
勢至平はレンゲツツジ群落が素晴らしいところですが、この季節はハギの花が見られる程度でただただ我慢の下山路です。
馬車道と呼ばれる車道を歩く人もいますが私たちはひたすらショートカットをたどりました。烏川橋で車道に出て、あとははわずかで駐車場に戻ります。

2013-10-19
紅葉時期とあって大混雑:
頂上まで続く混雑にびっくり

紅葉を狙って2007-8-26と同じコースを歩きました。
みなさん同じことを考えるようですさまじい混雑にびっくり。もっともこれはたまたま旅行社のツァー登山がいくつか集中したかららしく、下山時には彼らも去ってすっかり静かな安達太良山になりました。
山頂から見下ろした勢至平はドウダンツツジが真っ赤でしたが、私たちがそこへ下った頃は霧が濃くそれらは見えなくなってしまいました。 

2016-7-30
梅雨明けを合図に足慣らし:
阿武隈山地にわき上がる夏雲

ぐずぐずと遅かった梅雨明けも東北全域が晴れてやっと夏空が見られるようになりました。
それっ!足慣らしに再訪です。
いつものコースでいつものようにのんびり歩いてきました。ただしまるきりいつも通りというわけじゃなく下山だけくろがね温泉経由にしました。くろがね小屋は冷たい飲み物が買えるので夏の炎天を歩いたあとでは助かります。
全体春の花も終わりちょっと寂しい花たちでしたがミヤマオトギリやコバギボウシが印象的でした。
安達太良の花(クリックで拡大)

  コバギボウシ

  イワオトギリ

  サワヒヨドリ

  ヤマアジサイ

  ヤマハハコ

  ヤマユリ

2023-7-3
意外に花盛り:
安達太良山から鉄山

梅雨の最中ですが晴天の予報だったので久しぶりに遠出をしました。梅雨明けを待ってからですといつも同じ花を見ることになりますがちょっと早めに行けたことで意外に安達太良山が花の山であると知りました。
鉄山の登り斜面にはオノエランがたくさん咲いていました。

安達太良の花(クリックで拡大)

 ハクサンシャクナゲ

 マルバシモツケ

 ガクウラジロヨウラク

 オノエラン

【便利帳】 トイレ:ゴンドラリフト駅、くろがね小屋
【収穫】(^_^; 2013-10-19 45片 195g
2016-7-30  35片  200g
2023-7-3  7片 10g
 目次