目次

  アド山 371.1m

ちょっと変わった山名に惹かれて登ってみました
城趾だというアド山城、お城の名前がカタカナ、ヘンですね。ずっと気にはなっていましたが、ダンプ街道の脇ですし、ぐるり周囲が石灰岩採掘場なので登るまでもなく腹立てて帰ってくるのがオチだよ、という先入観で、いままで足が遠のいていました。
日曜日、朝ぐずぐずしてる間に出遅れてしまい近場しか行けなくなって、運動と思って出掛けてみました。意外や意外、けっこう楽しい山でした。頂上から南に延びる尾根では会沢と鍋山の採掘場が視界いっぱいですが、それ以外は雑木の植生豊かな岩尾根で、自然のままの景観です。なんと、こ んな街の近くの里山でシカにばったり遭いました。
【日程】 2006年2月19日
【山域】 安蘇
【天候】 晴れ
【地図】 1/25000仙波
【アクセス】 東北道栃木ICからならIC出口を左折して5kmほどで国道293号との交差点。これを左折して会沢トンネル経由で旧葛生町へ。バイパス秋山川に架かる葛生大橋の手前を右折。
足利、佐野方面からなら国道293号バイパス、秋山川葛生大橋を越えてすぐ左折。
岩崎まで。交差点は左折秋山方面、直進鍋山方面。右手に神社。神社の斜め向かいにアド山城趾を示す案内標識があります。
案内に従って道なりに常磐小学校脇を通り軌道跡を右折でくぐり(実際はくぐる軌道は撤去してあります。)金蔵院まで。
【駐車地】 金蔵院の駐車場を(勝手に)使わせていただきました。登山者に開放しているかどうかは未確認です。
【コース】 金蔵院 − 林道 − アド山 − 正雲寺分岐 − 影沢山 − 藪尾根 − 金蔵院
実行程約2時間 一般向き(一部藪歩き)

             下山の尾根から見上げるアド山頂上

【メモ】 落ち着いた金蔵院:
金蔵院
金蔵院の駐車場に停めさせていただきました、勝手に。(^_^; 
駐車場手前から林道が上がっていてアド山案内標識はこちらを示していますが金蔵院を見てみようと寺の前の道を進みました。
金蔵院は植え込みがよく手入れされてとても綺麗なお寺
ちょっと激しい(^_^; 道祖神
です。背後の雑木林が好ましい雰囲気を作っています。
植え込みの中にちょっと楽しい双体道祖神がありました。お寺さんになぜ道祖神、という気もしますが、最近彫られたらしい新しい道祖神なので単に植え込みの飾りでしょうか、よくわかりません。(^_^;

意外に綺麗な林相の登路:
赤松と雑木の尾根
車も通れる道をたどるとすぐに林道が左に分岐します。こちらを登るとさらに歩道が分岐しますのでこちらの歩道をとるとやがてまた林道に出ます。どうやら駐車場前から登ってくる道のようです。その林道もすぐに山道となって、ササの密生した中をしばし我慢すれば尾根に飛び出します。赤松混じりの雑木林で、意外に自然が残っている印象です。
さして急登もなしにゆっくりと高度を上げながら尾根をたどりますが、頂上が近づいて空堀らしき窪を見ると一気に傾斜が厳しくなります。最後は何段もの台となり、なるほど城跡だと納得がいく地形となります。一部石垣の跡も認められます。

頂上からの展望:
石祠を見て一登りで頂上です。細長い平坦地からは東側に展望が開け、アド山から南に延びる尾根とその先に琴平山方面の稜線を望むことができます。近景に会沢の石灰岩採掘場が見えます。
アド山頂上


下山の尾根:
頂上からは一気に高度を落とします。フィックスロープや鎖があるので難儀することはありませんが、岩場の下りがしばらく続きます。この険しさならきっと堅固な山城だったでしょう。
岩場からは三峰山がよく見えますが、残念ながらこちらからの眺めは頂上まで達している採掘場ばかりです。
岩場が終わるとなだらかな尾根となり、しばらくこの尾根をたどると右に戻るように分岐路が別れます。正雲寺コースと呼ばれているようです。このまま尾根をたどると峠越え林道に達するらしいですが、駐車地まで楽に周回できるように分岐路をとりました。
頂上からここまで、赤いビニールテープのマーカー が10mと空けずにびっしり付けられていました。それも赤ペンキの幹のその同じ場所に赤ビニールテープ、さらに加えて別の赤ビニールテープ、なんとまあうるさいこと。
おまけに あちこち重複してやたらくくりつけられている案内板も興ざめです。ワイヤが幹に食いこんでいたり、他の案内にさらにくくりつけたり、お行儀の悪いのばかりです。手造りだからといってセンスのない手抜きの物でいいってものではないでしょうに。


最後は藪尾根:
分岐路はいきなり踏み跡程度となりますが、すぐにはっきりした尾根道が現れます。右手に見上げるアド山は小さいながら岩を纏ってなかなか立派な姿です。こちらから見ると岩山といっていいかもしれません。
影沢山と呼ぶらしいピークで道は左に折れて、たぶん正雲寺へと下っていきます。しかし、こちらに下ると自動車道を戻らなければなりません。そこで尾根を直進してみることにしました。かすかな踏み跡はありますし尾根をはずさずに歩けば何とかなりそうです。この藪尾根から見上げるアド山は、里山とは思えないほど急峻で、ほれぼれしてしまうほどです。
やがて最後の下降にかかると尾根も顕著ではなくなり、檜植林地と雑木の林相界の境界杭を頼りにして方向を定めました。
下山していると、なんとシカにばったり出会いました。すぐ下には人家があるようなこんなところで、とびっくりです。ここには意外に自然が残っているとも言えますが、一方、シカの棲息域がメチャクチャになってしまっているとも言えそうです。
やがて平坦な植林地となり、適当に道を拾って入山した林道に出ました。
この金蔵院の奥の谷はアド山と下山に使った尾根とに囲まれて忘れられたような山域となっています。そのため自然がよく保たれているようです。シャガの花時などはきれいかも知れません。


ところで、アド山という珍しい山(城)の名前ですが、地元の方に伺ったのですが、ご存じないようで、謎のままです。
空堀跡
【便利帳】 コンビニ:国道293 葛生大橋北
トイレ:なし
【収穫】(^_^; 105片 500g