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赤岩滝 あかいわのたき

日光の奥の奥、錦繍の岩壁を豪快に流れ落ちる
隠れ名瀑

中禅寺湖西岸に流れ込む柳沢川の上流深く分け入ったいわば日光の奥の奥とも言える錫ヶ岳直下に轟音を響かせて落差100mを流れ落ちる赤岩滝があります。
柳沢川を遡ること約2時間、行く手に岩壁が見えてあのあたりかなと思わせながらなかなか姿を見せない内弁慶の大滝が突如目の前に現れる瞬間は劇的です。

    赤岩滝       西の湖から男体山
【日程】 2015年10月15日(こちら)
2019年8月12日 (こちら)
【山域】 奥日光
【天候】 快晴、曇り
【地図】 1/25000男体山、中禅寺湖

【アクセス】 東北道から日光宇都宮道路で清滝ICへ。そのまま国道120号でいろは坂、中宮祠を経由して赤沼。
あるいは足尾から122号で日光細尾経由いろは坂。
【駐車地】 赤沼駐車場。数十台。
満車になることも多いので早めに。
写真参照・高山
【コース】
赤沼 =西ノ湖入口バス停 - 営林署詰所
- 林道終点 - 赤岩滝(往復) - 西ノ湖
- 千手の森 - 千手が浜バス停= 赤沼

行程 7時間(休憩含む) ベテラン向き
【メモ】
2015年10月15日
紅葉シーズンの混雑を避けてウィークデイに:
色づくモミジ

紅葉シーズンの休日は満車になってしまう赤沼の駐車場、今回はウィークデイの早めの時刻なので余裕がありました。駐車場到着が千手ヶ浜行きのハイブリッドバスの出発時刻に都合よく合ってさっそくバスに乗り込みました。
西ノ湖入口でバスを降りてアザミ橋で外山沢川を渡り、西ノ湖方面へ少し歩いてから赤岩滝分岐の標識に従って右に折れます。
あとはのんびりとミズナラとカラマツの混じった平坦な林道を歩きます。途中、山神の石神様とログハウス造りの営林署の詰所があるくらいでこれといった現在地を識る目標になるようなものはほとんどありません。唯一林道途中にヘアピンカーブがありますのでここで現在地を識ることが出来ます。このあたりはもう林道跡という感じの道となって崩壊地を乗り越えたりします。
このあたりまで来るとカラマツ植林地もなくなりあたりは落葉樹林になりちょうど紅葉の盛りで明るい雰囲気です。
ヘアピンカーブを過ぎるとほどなく最後の堰堤前で林道跡も終わって対岸のペンキマークをに従って最初の徒渉となります。なるべく上流の堰堤方向に進んでから飛び石で渡れば靴を濡らすこともありません。(水量によりけりでしょうが。)
ここからは右岸をたどります。
バス停からここまで約1時間というところでしょうか。
柳沢をたどる:
行く手に大屏風

20年以上前に歩いた記憶では延々と広い川原のような沢をたどったはずですが現在ではずいぶん様子が変わっています。実際の水流は沢の中央部を抉って流れているので踏み跡は沢沿いの一段高い平坦部分をたどるようになっています。そしてその平坦な両岸にはすでに灌木が生育していてかつてのような石のごろごろした広々とした景観はありません。
しばらくはずっと平らな優しいルートが続きます。その帳尻合わせは赤岩滝のある岩壁ということでしょうか。遙か先を見上げればその大岩壁を擁する屏風のような地形が大きく立ちふさがっています。もうその屏風の先は日光白根山、錫ヶ岳を結ぶ白錫尾根の両毛国境稜線です。なんとも雄大な景観です。
いよいよ核心部分へ:
いつになっても高度は上がらぬまま最奥に分け入る感じで進みますが再度徒渉して左岸に移ると多少傾斜も出てきて両岸も狭まります。
優しいナメ滝の連続
徒渉点が本流からの分岐でここからは赤岩沢です。
徒渉点の前後は小滝やナメ滝が続きなかなか楽しい景観です。
目の前に行く手を阻むような格好で手強そうな急なナメ滝が現れてルートに迷いますが、ここは右手に登る踏み跡は無視して固定ロープ伝いで一旦下って右岸に徒渉し滝の脇を強引に登るか、あるいはさらに左にルートをとって斜面を登るかして滝上に出ます。
突如頭上に赤岩滝が姿を現します。いきなりのことで、おおっ、と歓声。
ここまで沢の流れが曲がりくねっていたせいか轟音も聞こえませんでしたからなおのこと突如現れた感が強いのかもしれません。

とにかくすごい赤岩滝:
赤岩滝

滝のほぼ真下どころか中段まで登れるのでその迫力は半端ではありません。ゴーゴーと音を響かせて頭上から白いしぶきを落下させる迫力に圧倒させられるばかりです。
折しもあたりは紅葉の盛り、錦繍の割れ目の青空からそそぐように湧き落ちる白い水しぶきはさながら色の競演です。
中段がうまい具合に平坦になっていますので休憩には好都合です。
ここで昼食にしました。滝を見上げ、錦繍を眺め、轟音を聞きながらコーヒーを淹れて至福のひととき。

1時間ほどのんびり過ごしてから下山にかかりました。
午後の陽差しを受けて紅葉もさらにきれいになりました。
途中、最初の徒渉点付近で林道跡を見つけましたが、これはたぶん地形図上の破線、ネギト沢沿いに続くかつての林道と思われます。その林道跡には踏み跡がはっきり付いていてこのルートで稜線まで登る登山者もいるようです。
よくよく注意してみると柳沢沿いにもかつての林道と思われる地形が残っていて、はてこれはどこまでのぼっているのかと興味は尽きません。かつてこのあたりにも林業のためか治山のためか、かなり人の手が入ったこともあるようです。今はすっかり野生の領域ですが。



    カエデ

   千手の森歩道

中禅寺湖から男体山
西ノ湖から千手ヶ浜:
帰りに西ノ湖へ寄ってみました。かつて車で入れたためかなり荒廃が進んでしまった西ノ湖ですがいまは自分の足で行くしかないので静かに水をたたえています。西寄りの湖岸からは湖水の上に男体山を眺めることが出来ます。
一旦西ノ湖から柳沢川まで戻りそこで右に折れて千手の森歩道を通って中禅寺湖千手ヶ浜へ。
ミズナラの大木がそこここにある平坦な道でちょうど渋く色づいていました。時々カツラやモミジが鮮やかに色づいてあたりを明るくしています。
千手の森歩道は中禅寺湖までほぼ一直線に続いていて千手ヶ浜の湖岸で終わります。風が強く波立つ中禅寺湖の先には男体山や高山が見えます。
千手ヶ浜からバス停までは舗装道となりますので疲れた足にはきついですがそれほどの距離はありません。

2019年8月12日
夏は水量もちょっと多いかな

混雑覚悟で出かけたのに意外にすんなり:
猛暑にうんざりの毎日で、どこかのんびりと涼しく歩けるところは?と考えて奥日光の赤岩滝に行ってきました。
夏休みの大混雑を覚悟で出掛けましたが足尾回りで行ったためか予想に反して渋滞知らずで戦場ヶ原赤沼の駐車場へ。千手ヶ浜へのバス発車時刻もちょうどいい具合で順調に西ノ湖入口駐車場に降り立ちました。もちろん下車したのは私たちだけで、バスが発車すると静寂の奥日光の只中にぽつんと置いて行かれた感覚に包まれました。
初めて行った40年ほど前はもちろんのこと、数年前でさえ人に会うこともない静寂の山域でしたのに今回はなんと4グループと会いました。こんな日光の奥の奥、ほぼ野生の領域と思っていたのに徐々に知られてきたようで、うれしいような残念なような。

最後の堰堤を前にして山道になると飛び石で徒渉を繰り返すのですが年齢は隠しようもなくバランス崩して思いっきりぼっちゃん。ずぶ濡れでの歩行となりました。

帰り、西ノ湖入り口のバス停で熊に遭遇しました。50mほど先ですが、こちらに気づいてないらしくのんきそうにウロウロ歩き回っていました。このままバスが来るまで気づかずにいてくれと気が気じゃありませんでした。

赤岩滝 動画 中段より



    熊がウロウロ(西ノ湖入り口) (kuwa-nyanさん撮影)
【収穫】(^_^; 2015-10-15 3片10g
2019-8-12 16片380g
【トイレ】  赤沼、千手ヶ浜バス停 

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