目次
雨巻山(栗生林道・展望コース) あままきやま 533.3m

栗生林道、展望コースを周回
する静かな道

2012-11-10
全山なだらかで優しい雨巻山ですが、ただ1カ所荒々しい岩尾根があって前々から気に掛かっていました。三戸谷山のわずか南の展望地から西に分岐して栗生まで続く尾根で展望コースと呼ばれているます。しかし、ほとんどのハイカーがスタート点とする大川戸からは周回コースがとれず車利用ですと2台で出かけるかタクシーを呼ぶかしなければなりません。そこで栗生林道から入山して周回するコースをとってみました。
あまり歩かれていない様子で結局誰にも会いませんでしたが、道ははっきりしていて要所には道標もあるので安心して歩けます。多くのハイカーで賑わう一般コースの雨巻山とはまた違った趣を楽しめますので雨巻山に慣れてちょっと変化が欲しい向きにおすすめです。

2016-3-20(こちら)
季節を変えて再訪です。
偶然会った地元ハイカーの案内で浅間山をプラスしました。

関連ページ
雨巻山(大川戸から周回)  http://www.kimurass.co.jp/amamakiyama.htm

   雨巻山・展望コース分岐から       展望コースから紅葉の尾根を見返る
【日程】 2012年11月10日
2016年3月20日(こちら)
【山域】 益子の山
【天候】

【アクセス】 北関東道桜川筑西ICからなら国道50号、岩瀬中心部(元岩瀬の歩道橋の次の交差点)で左折してその先丁字路を右折、その先は少し複雑ですが県道257へ。
北関東道笠間西ICからは国道50号羽黒交差点を右折して県道257へ。
県道257で栃木県境を越えて2.5kmほどで県道分岐を右折。
北関東道真岡ICから真岡市街を抜けてそのまま走れば県道257となり、道なりに真岡市役所から10km少々で県道分岐左折。
県道分岐には標識があります。分岐した道も県道ですがとても県道とは思えない狭い道です。
すぐに峠越えとなり、下りきった地点から右に栗生林道が分岐。分岐には雨巻山栗生登山口の標識があります。
【駐車地】
林道を進み左に一軒家が見えたらその前が林道分岐です。周回コースですからあまり奥まで入り込まずにこのあたりに駐車しておくと無難です。林道を進んでもこの先すぐに車止めとなります。
【コース】
林道分岐駐車地 - 取り付き - 県境尾根
- 高峯縦走尾根 - 展望台 - 雨巻山
- 展望コース分岐 - 三戸谷山(往復)
- 展望コース分岐 - 岩場 - 栗生 - 駐車地

全行程 3.5時間
【メモ】
2012-11-10
あまり歩かれていない様子の栗生林道コース:
栗生コースの樹林
 

県道から分かれた栗生林道はすぐに舗装が終わり少し走ると支線との分岐点があります。(分岐点の前に一軒家があります)
さらに車を進めましたがあまり走りよい道ではなく、どうせ周回するつもりなので引き返して先ほどの分岐点に停めました。
林道は棚田跡の荒れ地の脇を通ります。今はもう放棄されていますがかつてはこの谷一帯が耕作されていたことが見てとれます。
この先はじめじめした植林地の中の道であまり快適とは言えません。すぐにチェンの車止めがあります。往復するつもりならここに駐車余地があります。(ただしUターン用なので端に停めないと邪魔になります。)
さらに林道をたどるとヘアピンカーブの地点で尾根に登る歩道が分かれます。最初のヘアピンカーブで道標もありますから間違うこともないでしょう。この先林道の奥からも尾根に取り付くことができるようですがどうせなら早めに尾根道を歩こうと思ってこちらのコースをとりました。
尾根道はほとんど歩かれていない様子で落ち葉が積み重なって腐葉土になっています。イノシシの掘った穴が目立ちます。
林相も少し荒れ気味で(どこの里山も同じですが)シラカシやヒサカキが優勢になって見通しもききません。すっきりした林になるのはこの先の標高400mほどになるまで歩かなければなりません。

大木の多い落葉樹林帯:
いったん下って林道奥からの道を併せる鞍部まで来るとすっきりした林相になります。樹種も豊富でコナラ、イヌブナ、シデ、ケヤキなどの大木が多くなりこのあたりからいかにも雨巻山らしくなってきます。
門毛からの道を併せてやや急登になりミヤコザサが現れてくると主稜線に合流します。この主稜線は高峯に続く尾根で、雨巻山と繋いでロングコースをたどるハイカーやランナーもいるようです。
尾根がなだらかになってネザサが鬱陶しくなると突然目の前に展望台が現れます。木製の展望台上からは高峯や筑波山、あるいは益子方面の丘陵地が眺められます。あまり上天気のため全体靄ってあいにく遠望は得られませんでしたがシルエットの筑波山も趣がありました。
おおむね樹林に覆われている雨巻山系にあっては貴重な展望台ですが、周囲の樹木が育ってしまって展望台上からも邪魔になり以前のような展望は期待できなくなってしまいました。

雨巻山頂上

賑やかな雨巻山頂上:
展望台にまで頂上の賑わいが聞こえてきます。
いったん下ってわずかな登りで雨巻山頂上、相変わらずハイカーやランナーでいっぱいです。
東側のみ展望が開け太平洋が望めます。
少々賑やかすぎて居心地が悪いですが、この先の休憩ポイントは三戸谷山まで足を延ばさなくてはならないのでここでコーヒーを淹れて昼食としました。
頂上にはベンチやテーブルが多くありますがいかんせん登山者も多いのでお昼時はいっぱいになります。ベンチがいっぱいなら頂上の東縁に芝草の緩斜面があり、ここなら展望を楽しみながら休憩できます。
雨巻山頂上ブナ林
 


     展望台から加波山、筑波山

     頂上から東海村と太平洋

落葉樹の美しい尾根:
落葉樹林の尾根
 

山頂からは西にコースをとり、すぐに岩場を下って北に向きを変えます。山頂一帯はブナなど落葉樹の大木が多くわずか標高500mほどの山とは思えない景観です。
途中露岩の箇所もありますがおおむねなだらかな落葉樹林の尾根で、きれいな樹々を同定して楽しみながらスタスタと歩けます。樹間に向かいの尾根が覗けますが雨巻山から御嶽山を経由して足尾山まで意外に大きく高く見えます。
途中3カ所ほど大川戸に向けて右に下山する分岐を見送り、また栗生林道支線へ下山する左分岐も見送ります。栗生林道支線への下山は距離は短いものの登り口の様子から判断してあまり気が進みませんでしたので遠回りになりますが展望コースをとりました。
だんだんやせ尾根になってくると大きな展望が得られる展望コース分岐に登り着きます。振り返ると雨巻山が大きくそびえています。


展望の三戸谷山と展望コース岩場:
分岐から三戸谷山(みつとやさん)まではわずかなので往復してみました。
三戸谷山からは西、北の大展望が得られます。高原山、日光、さらに足尾、赤城山まで届く眺めは雄大です。また栃木県北部の丘陵地が一望なのも他では得難いうれしい景観です。
分岐まで戻りいよいよ展望コースの下りです。分岐から見るとすぐ先に断崖が控えているのが見えます。アカマツを配してなかなか豪快な印象です。
急下降の先でまた小さなこぶを登り返すとその先が岩場となっています。足下が切れ落ちてあまり縁に近寄ると危険ですがその分眼下に爽快な眺めが広がっています。向かいの尾根や足下の谷は紅葉が始まって赤や黄に染まり始めていました。
岩場を過ぎるとあとは一気に下降するだけ、あっという間に植林地の鞍部に降りつき、道標に従って植林地内を右にとって谷すじに降りつくことができます。
棚田跡の付近で道が荒れてきますがかまわず右手の山裾をたどれば県道に飛び出します。県道を挟んで反対側に登山口を示す案内板がありますが逆コースは少しわかりにくいので下山にとった方がいいかもしれません。。

     三戸谷山から宇都宮市街の先に日光連山

       麓の栗生から見上げる展望コースの尾根

2016-3-20
季節を変えて:
浅間神社

前回は紅葉直前でしたが今回は芽吹き前の季節にしてみました。
駐車地で準備をしているところへ地元ハイカーが通りかかって同行してくれるというので頂上まで同行することにしました。かなりこの山域に精通しているらしく益子から山伝いに歩いて来て雨巻山から足尾山へ縦走してまた歩いて帰ると言うことでした。健脚に一同唖然。
私たちの予定コースを話したところコースからちょっと寄り道の浅間山へ案内していただけることに。
駐車地からほどなく右に広い山道が分岐して登って行きます。その道をたどって南尾根へ一気に突き上げ後は尾根の縦走です。尾根までの道はやがて消えてしまいましたが藪は薄く藪こぎと言うほどのものではありません。
尾根道は小枝を手で避けながら歩くところもあってあまり歩かれている様子はありません。
そのうち右前方になかなか鋭く頭をもたげている派生ピークが見えます。これが浅間山だそうです。一旦縦走尾根上の高みに登ってから右に折れて最後に一気に高度を上げると浅間神社です。石祠があるだけで山名標識など目障りなものはなく気分の良いピークです。
頂上から麓へ一直線に参道が下って行きます。この神社は南麓の山本集落で祀っているとのことでした。
頂上から左手にわずかに下ると展望岩があり山麓や加波山方面の眺めが爽快です。
縦走路まで戻りあとは慣れたコースを歩くのみ。
マンサクやダンコウバイがちょうど満開でした。雨巻山手前にはエンレイソウも咲いていました。

展望コース岩場
 
雨巻山から三戸谷山:
頂上手前の展望台の先で昼食にしました。多少の騒がしさはこの地域一番の人気を誇る雨巻山ですから仕方ありません。まだ頂上の混雑よりはマシかもしれません。
混雑する頂上は素通りして、三戸谷山まで気持ちのよい落葉樹林を楽しみながらのんびり歩きました。この尾根は最初の頂上付近ではブナが目立ちますが少し高度を下げたあたりからシデ類が多くなりすっきりした樹林帯が続きます。
三戸谷山で展望を楽しんでいたら大人数の礼儀知らずの中高年グループにはじき出されてしまい仕方なし早々に展望コースから下山しました。
展望コースは分岐からしばらくは岩稜で、左側が断崖になっていてのぞき込むとちょっとお尻がムズムズします。もちろんその名の通り展望は抜群です。ここから雨巻山が大きく聳えて見えます。
コースはやがて植林地になり山麓に下りると放棄された棚田脇を通って県道に出ます。駐車地まではのどかな風景の中を歩くこと10分少々です。
【便利帳】  トイレ:なし
【収穫】(^_^; 2012-11-10 19片  120g
2016-3-20  68片 1900g
【謝謝】 参考ガイドブック:阿武隈奥久慈八溝の山87(随想舎)
参考マップ:雨巻山ガイドブック(益子町商工会) 
  http://mashiko.shokokai-tochigi.or.jp/ss_dat/kan_sise/tozanmap2.htm

目次