【メモ】 |
あいにくの曇り空:
まさに高速道路の威力。かつては私の住む栃木からははるかな山と思われた上越の山へ日帰りとは。
しかしはるばる遠出したのにめざす青田南葉山は雲に隠れていました。
スタート地点となる南葉高原キャンプ場にはキャンプを楽しむ人たちもちらほら。身支度を整えてキャンプ場の中の道を歩き出すと早くもシラネアオイとカタクリがお出迎え、今日一日の興奮の始まりです。
すぐに帰路に歩く明神沢コースを右に分け、木落坂コースへ入るやいきなり泥んこ道でさっそくスパッツを取り出しました。
森の花全開:
沢を横切ってダラダラと登るとやがてなだらかな尾根道となり、春の花が顔を見せ始めました。ショウジョウバカマ、オオイワカガミ、シラネアオイ、オオタチツボスミレなどが目立ちます。マキノスミレのかわいい花にも会えました。
雪に覆われた尾根
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木の花もタムシバ、オオカメノキ、ヤブツバキ、ムラサキヤシオ、マンサクなど賑やかです。
ダラダラ登りは長くは続かずやがて急登となります。途中国見平、七合目展望広場などの展望地がありますがあいにく白く霧が包んでなにも見えませんでした。しかしここは展望よりははやり花の山ですから霧もあまり残念なことはありません。むしろブナの森を幻想的にしてくれます。霧の中では艶めかしい真紅のヤブツバキが映えます。
七合目の先はまた緩やかとなり雪を踏むようになります。雪に覆われた平坦尾根で足跡をはずし勝ちですが頻繁にテープマークがくくりつけられていますので間違うことはありません。
雪にのしかかられて倒れているブナですが太平洋側のブナと違って豪雪地のブナは強靱でそのうち雪を跳ね退けてすっくと立ち上がるはずです。
やがて頂上へ。
小広い頂上:
頂上は南葉山神社石祠、三角点、頂上標識を中心に小広い芝草の広場となっていいます。
そのまま進むと籠町南葉山へと縦走できるようで、雪の上に山靴の跡もありましたので実際に縦走する登山者もいるようです。
昼食を摂りながら一休みしてから、雪道を北へ下って明神沢コースを目指しました。
素晴らしいブナの森:
明神沢コースのブナの森
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しばらく平坦尾根の雪の上を歩きますが、雪がなくなると今度は急な下降となります。
この尾根のブナの森は霧に包まれていたこともあり幻想的でいかにも深い山に来たという印象でした。巨木こそありませんでしたがちょうど元気いっぱいの樹齢で中層の落葉樹や林床の草花も濃く森全体が活き活きとしています。
桑取分岐で右に折れて下降し明神沢コースへと入ります。
花、花、花の明神沢:
桑取分岐から僅かに下るとシラネアオイ、サンカヨウが見られます。特にシラネアオイはそこここに無造作に咲いていて、関東ならばどこにシラネアオイがあると聞けば花好きのハイカーがどっと押し寄せるというのにここでは珍しくもないようです。サンカヨウも多く道の両側に群生していました。
仲間が見たいと言っていたアズマシロガネソウにも会えました。
ブナの森は積雪の影響なのか徐々に下草が少なくなり尾根と比べてすっきりした景観になっています。むしろ尾根筋より平坦な沢沿いの方が雪が積もって下草が生育できないのでしょうか。たぶん空っ風の冬を過ごす私たちには想像もできないような雪の量なのでしょう。平坦地の所々には凹地に溜まった雪解け水による池が散見されます。モリアオガエルの卵が見られました。
霧も晴れ多少展望も開けると山全体の緑に圧倒されます。ブナもなくなって低山の雰囲気になるとおびただしいカタクリが実を付けていました。花時季は凄いことになっているでしょう。
やがてキャンプ場からの遊歩道に出てほどなく南葉高原キャンプ場へ下り着きました。
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