【メモ】 |
静かな登路:
ミズナラ林の林床は疎らな背丈の低いミヤコザサ
|
雨の中を出かけたにもかかわらず駐車場はバスまで停まっていてすでに満車。仕方なし右に分かれる道へ入って路肩に駐車しました。(帰りに気付いたのですが150mほど先にもう1カ所駐車場があります。)
道路のヘアピンカーブのところから登山道が始まります。先をぞろぞろと団体さんが登って行くのでどうしたものかと思案しましたが、クリ太郎という古木を撮影しようという素人カメラマンの一団で上まで登るわけではないようです。
団体さんをかわしたもののやっぱり手軽な人気コースなので追い越したり追い越されたりが煩わしいほどの入山者数です。
そこで途中の分岐から荒山展望の広場へ直接登るコースをとることにしました。
荒山高原へのメインの道とは一変して静寂そのものです。ミヤコザサの林床が美しいミズナラの深い森の中にほどよく整備された道が続きます。ミヤコザサは雪に覆われるだけの背丈になると言うことですので、疎らで背丈の低いミヤコザサは雪が少なく寒風が吹く冬の天候を示しています。
ヤマツツジやアオダモが目立つようになると荒山高原から荒山を目指す登路に飛び出します。ここには標識があり展望の広場と示されていますが現在は樹木が茂って展望はありません。
コースを左にとりヤマツツジやレンゲツツジの咲く明るい斜面を少し登ると背後に展望が開けるポイントがあります。鍋割山の向こうに晴れ上がりつつある上州の平野や奥武蔵の山々が一望の下です。
さらに登ると徐々に傾斜がきつくなり周囲も深山の趣になります。岩をすり抜けたりしながら最後の急登をこなすと頂上です。
この頂上直下はツツジが多く、シロヤシオが最後の花を咲かせていました。
|
樹林の隙間に燧岳
|
樹林の中の頂上:
頂上には赤城大明神の石祠や山名板、三等三角点などがあり、小広い平坦地になっています。周囲を木々に覆われて展望はありません。そこで北に10mほど進んでみると大きな展望を得られる場所があります。ベンチ代わりの板が置いてあるので展望を愉しむには好都合です。
まずは目の前に盟主地蔵岳。標高こそ黒檜山に最高点を譲りますがやはり赤城の中央に構えて盟主の貫禄です。その右には長七郎山がそびえ、そして眼下におとぎの森など深いミズナラの森が広がっています。
遠景に目をやると袈裟丸山群、燧岳もくっきり。朝の雨が嘘のようです。
いったん頂上に戻って西側に行ってみると大岩がありその上から西側の展望が得られます。足下が断崖で注意が必要ですが、やや枝に邪魔されるものの赤城外輪山の鈴ヶ岳、その向こうに子持山、さらに上州武尊山や上越国境まで届く展望です。
ゆっくり展望を愉しみたいところですが次から次へと大所帯のグループが登ってくるので騒々しくて落ち着けません。
|
南尾根もツツジの稜線:
南東に延びる尾根を通って下山すれば周回コースがとれます。この尾根もツツジの花盛りでした。
やや下った先にこのコース一番の展望地・ひさし岩があります。岩場なので裸地になっていて東側が一望です。頂上からの展望がそのまま右につながっているような位置関係です。眼下の荒砥川源流にはモコモコと盛り上がるようなミズナラの勢いがあり観光地赤城山とは別の山深い赤城山を感じることができます。遙か下方に赤城温泉が見えます。
雲が晴れる桐生の山々 遠景は雲海に浮かぶ筑波山
|
遠望も今まさに晴れ上がりつつある山々が折り重なって素晴らしいの一語です。遠くには雲海に浮かぶ筑波山や加波山まで届く眺めです。
ここでゆっくりコーヒーを淹れて昼食にしました。さわやかな風をうけて至福のひとときです。 |
一気に下降してからはのんびり平坦道:
南面外輪山の横引き尾根 遠景は安蘇山塊
|
ひさし岩からやや急な下山路をたどると十字路に出ます。左に行けば軽井沢峠へ、直進すると大下りして赤城温泉へ、右に折れれば周回の帰路となる荒山高原です。
この道はかつては灌木帯の高原でしたが、現在は樹林に覆われてしまいました。それでもツツジが多く、かつての名残は感じられます。
しばらく緩い下りの道を歩くと左手に芝草の平坦地があります。休憩にはもってこいの場所です。棚上十字路と呼ばれているようです。
ここでうっかり道を違えてしまいました。実際には十字路ではなく芝地を通ると赤城森林公園への道に入ってしまうようになっています。どんどん下降するのですぐに気付きましたが、元に戻るのも癪なので方向を見定めて藪を突いてみました。樹林のないぽっかり空いた笹とツツジの取り合わせの場所もあってかつてのこのあたりの雰囲気に出会えました。
藪をがさごそやりながら本来のコースに出て、あとは平坦な道をたどって荒山高原へ、さらに一気に下って駐車地の箕輪まではそれほど時間もかかりません。 |
荒山の花(写真クリックで拡大)
レンゲツツジ |
クサタチバナ |
ヤマツツジ |
サラサドウダン |
|