【メモ】 |
林道が1000mまで、これはラクチン:
夏休みの真っ盛り、日曜日というのに国道252号は通る車も少なく、むしろ寂しいくらいです。大白川、五味沢とさらに静かになって、いったいみなさんどこへ遊びに行ったのかといぶかしいくらい。
人気のない五味沢から林道が奥へ奥へと延びて登山口はなんと1070m。これはラクチン。駐車地からの展望がまた素晴らしく、今しがた走ってきた広大な平坦地が目の下、さらに「峠」の舞台となった八十里越え一帯の奥深い山々が果てしなく続いています。なんという山深さ。
かつてこの眼下の平坦地は一面のブナの森だったそうですが皆伐の憂き目に遭って今では凡庸で乾燥した雑木林になっています。それでも関東のそれとは段違いの山深さで山菜の宝庫だそうです。
緩やかな登山道:
一部ブナに被われているものの1000m〜1500mの夏は曇り空といえどもたまらない暑さ。相変わらず全天を雲が覆い展望もあまりパッとしません。ときたまポツリと落ちてきて先が不安です。
しかしカヘヨノボッチまで登るとやっと風も爽やかになって暑さから解放されました。さらに草原帯に出る頃から空模様も回復基調となって、いよいよ浅草岳の核心です。
あった、あった、お目当てのヒメサユリが一輪。清楚で、それでいてあでやかな微妙なピンク。なかなか逢うことのできない花ですので一同少々興奮気味。さらに前岳捲き道付近に数輪、ネズモチ平に落ち込む草付き斜面にも数輪、けっこう目を凝らすとあちこち咲いていました。
さらに嬉しいことにトキソウも淡いピンクの花をあちこちに開いています。花に歓声を上げているうちにひょこっと山頂に飛び出しました。
会越の豪快な大展望:
頂上で一息つくと、なんという幸運、今まで覆っていた怪しい雲がさっと消えて藍色の空が広がりました。
小さな石祠のある山頂からは鬼が面山の大岩壁、豪雪に磨かれたスラブを落とし込む田子倉湖、入叶津へ続く尾根上の天狗の庭の大草原とぐるり展望が広がり、さらにその先には只見の谷の狭い平地も続いています。
頂上でいつものように豪華なお昼をいただきました。私たちのまわりをオコジョが先ほどからうろちょろしています。
天狗の庭ははずせない:
天空にいるような天狗の庭の展望地
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先に山頂にいたグループが荷をおいて入叶津方面に出かけてほどなく戻ってきたので聞いてみたら、天狗の庭のアヤメが満開だとのこと。これを逃す私たちではありません。頂上からやや進むと眼下に広大な草地が広がっています。なんとも爽快な眺めです。
一気に駆け下るとそこはヒオウギアヤメ咲く別天地。ここから見上げる浅草岳は大きな根張りの雄大な姿です。また草地の縁に立って田子倉ダムを見下ろすと空中散歩の気分。浅草岳に登ってここをはずしてしまっては魅力の半分を捨ててしまうことになります。
時間の許す限りこの草原の景観を堪能してから大汗をかいて頂上まで戻り、あとは往路を戻りました。
天狗の庭を駆け下る
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