当間山 あてまやま 三角点1016.5m 最高点1028.5m
延々と続くブナの森
2018-6-17(こちら)
関東から新潟へ行く時に関越道の右手に利根川源流の山々、巻機山、越後三山など豪雪帯の豪快な山々を見上げながら走ります。山好きなら誰しも楽しみなルートです。
ところがこの豪快な眺めにばかり目が行きますが反対側の左手にもずっと魚沼の谷に沿って丘陵が続いています。魚沼丘陵です。この魚沼丘陵は信濃川と魚野川とを隔てる背骨のような山脈ですがいかんせん標高が1000mそこそこということで登山対象としては物足りなくあまり歩かれてはいないようです。そんな中で当間山は数少ないトレッキング向きの山の一つです。
あまり広く知られている山ではありませんがブナの森をのんびり歩きたいと思ったら第一選択です。とにかく延々とブナの森が続きます。長い年月を経たような老木、巨木は少ないですが勢いのある壮年期や若木が多く全体が命溢れる森という感じがします。
2019-11-2(こちら)
ブナの黄葉を狙って出かけました。今年の異常気象のせいかどこの山も色づきがいまひとつさえないようですが、当間山のブナ林も色づく前に落葉してしまったようで鮮やかな黄葉は見られませんでした。そもそもブナの森では地味目な色づきではありますが、それにしてもまだ緑の葉が残っている一方で登山道は落ち葉に覆われているようなありさまで一斉に色づいて一斉に落葉するいつもの越後の秋とは違っているようです。
それでも場所によってはきれいな葉を透かして青空を仰ぐような景観も楽しめて、やはり深いブナの森は気持ちが落ち着きます。
当間山頂上
密生する若木のブナ
【日程】 2018年6月17日(こちら)
2019年11月2日(こちら)【山域】 新潟(魚沼丘陵) 【天候】 快晴
【アクセス】 関越道塩沢石打ICから国道17号を少しだけ南に走って駅入口の次の交差点で十二峠トンネル方向へ右折。
トンネルを抜けてすぐに魚沼スカイラインへの分岐があるのでここを右折して登り、稜線で平坦になったら左に魚沼展望台駐車場、右に魚沼展望台があります。【駐車地】
広い駐車場で10台以上は駐車可能です。【コース】
展望台駐車場 - サンショウウオ池 - 最高点分岐
- 頂上分岐 −見晴らし台 - 一本杉 - ブナ回廊
- 当間山三角点 −猫石コース - 展望台駐車場
実行程 約4時間 初心者向き〜一般向き
【メモ】
2018-6-17
魚沼スカイライン魚沼展望台:
谷川岳(万太郎山、茂倉岳、一ノ倉岳、武能岳、蓬峠)と手前に飯士山)
十二峠トンネル先から魚沼スカイラインを上って稜線に出るとほどなく魚沼展望台に着きます。一段高くなった広場から絶景が目の前に。右に苗場山から始まって平標山、仙ノ倉山、万太郎山、一ノ倉山、武能岳などの谷川連峰、さらに朝日岳、巻機山、丹後山、兎岳など利根川源流を取り巻く山々、そして中ノ岳、駒ヶ岳、八海山の越後三山、さらには浅草岳、守門岳など会越国境、あるいは遠く粟ヶ岳までも届く大展望です。また近景の飯士山、大源太山が標高は低いながら鋭く天を突いて存在感抜群です。
左から八海山、越後駒ヶ岳 手前に高倉山 さらに手前に坂戸山
遠景右から浅草岳、守門岳、粟ヶ岳 中景に権現堂山、唐松山
ブナの森をたどる:
いきなりブナの森
駐車場から階段を登っていよいよここから登山道です。いきなりブナの森に入っていきます。大木あり若木あり下草ありのにぎやかな森です。すっきりしたブナの森ではありませんがその分生命が溢れている感じがします。
サンショウウオ池という小さな池があってサンショウウオの卵がたくさん沈んでいました。見上げると水面に張り出した枝にモリアオガエルの卵がぶら下がっていました。水中をよく見ると小さなオタマジャクシがたくさん泳いでいて池の方もにぎやかです。
少し先には分岐がありここが標高最高点とのことです。分岐で左に折れると猫石コース経由で当間山三角点へ続いています。直進する方の道をとるとトラバース気味になり当間山三角点への道を分けブナの中をなだらかに下ります。このあたりは深いブナの森の真っ只中で「山親父」と看板で示されている巨木もありコース中もっとも年月を経た深い森の印象です。
山親父
ミツガシワが密生する西の池
モリアオガエル卵(サンショウウオ池)
見晴らし台:
左より尾神山、米山、刈羽黒姫山(見晴らし台から)
道が鞍部にさしかかると左手に湿地が現れます。西の池です。一面ミツガシワが覆ってわずかに咲き残りの白い花も見えます。周囲にはミズバショウ、さらのその外周にコバギボウシがこれもまたびっしり密生しています。
西の池から登り返すと一時ブナの森も切れて雑木の尾根道になりすぐに見晴らし台へ登り着きます。いままで見えなかった北西方向の展望が広がっています。米山のピラミダルなせり上がりがひときわ目立ちます。
展望台から振り返って今しがた来た方向を見上げると深いブナの森がモコモコと盛り上がって見えます。
ブナ回廊:
ブナ回廊
見晴らし台からさらにブナの森が続きます。ブナ回廊と呼ばれているそうです。だらだらとなだらかに下りますが往復するつもりですから下っただけ登り返さなければなりません。
ここまで下り基調で来たということは帰りは登り基調というわけで、この辺でくるりと向きを反転しないとエライことになりそうです。
行けども行けどもブナの森、この先もっと歩いたところで同じような景観かも知れません。
ちょっとつらい復路の登り:
復路は急登こそありませんがだらだらと続く登り道はいささかうんざりします。
往路で登らなかった当間山三角点に寄って、そこから猫石コースを採って展望台登山口まで戻りました。
最初から最後までずっとブナの森の中の歩行でしたので、満足でもうお腹いっぱいって感じです。
帰りは魚沼スカイラインを走ってみました。魚沼展望台の次に十日町展望台があります。こちらも抜群の眺めが待っています。
当間山の花(クリックで拡大)
アカモノ
ギンリョウソウ
コシノカンアオイ
ツルアリドオシ
ヤブツバキ
ユキザサ
2019-11-2
ブナ巨木(やまおやじ)
秋の当間山:
秋のブナの森を歩こうと再訪しました。前回と同じコースをとって展望台までで引き返しました。そんなのんびり山行。
残念ながらブナの色づきはいまひとつでしたが、それでも登山道を覆った落ち葉をかさこそ踏みながらなだらかなコースを歩いて楽しい一日となりました。
色づく魚沼丘陵 遠景は守門岳方面
ブナ若木の森
ナメコ【便利帳】 トイレ:魚沼展望台(駐車地)、十日町展望台、道の駅南魚沼
コンビニ:経路の国道17号に2店【寄り道】 道の駅南魚沼 【収穫】
(^_^;2018-6-17 14片 20g
2019-11-2 5片 180g