【アクセス】 |
三条燕ICから国道289へ。八木ヶ鼻で右折して県道183を吉ヶ平(よしがひら)まで。途中から道幅が狭くなるので注意。 |
【駐車地】 |
吉ヶ平山荘前とその先の樽井橋前にそれぞれ10台ほど。
写真は吉ヶ平山荘。
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【コース】 |
吉ヶ平山荘 - 八十里越え分岐(馬場跡)
- 雨生池 - 番屋山(往復)
一般向き |
【メモ】 |
馬場跡の石碑
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八十里越えの道を奥深くまで:
三条を過ぎ旧下田村に入ると越後の奥深く分け入った感じがなんとも言えず、かつて会津との行き来で多くの旅人が行き交ったであろう八十里越えの宿場の面影が感じられます。
下田から先は一昨年の新潟豪雨の傷跡がまだ生々しく、五十嵐川の修復工事が延々と続いています。
8kmほど走ると前方に異様な岩山が見えますが、これが八木ヶ鼻です。新潟百景の一つだということです。八木ヶ鼻と袴腰山を結んで周回するハイキングコースもあり初夏にはヒメサユリも咲くということでいつか計画したいものです。
八木ヶ鼻で右折して守門川沿いを山間に入って行きます。しばらくは快適な道ですが突然道幅が狭まり対向車が来るとめんどうなことになりそうな林道になり、やがて左手に吉ヶ平山荘を見ると車道も終わります。
吉ヶ平山荘前とさらに50mほど先の樽井橋の前に駐車可能です。守門川を隔てて左に猿ヶ城、前方にこれから登る番屋山が紅葉に染まっています。
吉ヶ平はかつては集落があったそうで、いまも人家の土台や墓地跡などを見ることができます。現在の吉ヶ平山荘はかつての学校跡ということです。
南へ守門岳への道(かなりの健脚向きと思えますが、下山後守門岳から下山してきたハイカーに会いました。)と大池への道を分け、私たちは番屋山を目指し樽井橋を渡って直進する古い林道跡をたどりました。カエデの葉が道を覆って黄色の絨毯のようです。
1kmほどで八十里越えの道を分けます。馬場跡と彫られた案内の石碑があります。道を右へとって古道をたどれば小説「峠」の舞台となった八十里越えです。戊辰戦争をしのび長い道のりを会津までたどれば印象深い山旅になるはずですが私たちの力量ではとてもかないません。私たちは左の道をとり、ここからいよいよ山道となってブナが目立つようになると布倉越を経て雨生池です。 |
ひっそりと水をたたえる雨生池
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雨生池:
雨生池はブナの森の中に静かに水をたたえたまさに静寂郷です。でも、普段は鬱蒼とした森に包まれているであろうこの池も今は艶やかな紅葉に囲まれて明るい雰囲気です。
見上げれば頭上に番屋山の尾根の末端がのしかかるように聳えていています。
池の周囲はブナを主とした落葉樹がすっかり色づいていますが、池の端の小平地はすでに落ち葉で埋め尽くされていました。
この池はかつて雨乞いがとりおこなわれたという話があります。多くのガイドブックなどでは「まごいがいけ」としてありますが、池で出会った地元の方は明解に「あまごいいけ」と呼んでいました。いずれも雨乞いに起因する読み方です。
ちなみに番屋山の呼び方も地元ではガイドブックで見るような「ばんややま」とは呼ばず「ばんやさん」だそうです。もっとも麓にいくつかの谷があってそれぞれ異なる呼び方をされている山は多いのでたまたまその方のお住まいの地区でそう呼んでいるのかもしれません。
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静寂の湖面 |
稜線末端から雨生池を見下ろす |
錦繍の森
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ブナの森を登る:
しばらくは紅葉の中の緩いトラバース道で池をかすめ、さらになだらかな尾根道をたどります。行けども行けどもブナの森で、モミジの赤の派手さはありませんがその控えめな色彩がむしろ越後の秋を感じさせます。この山域には赤く色づくモミジの類はほとんど見られません。
やがて分岐があり道が右に折れるといきなり急登となります。(直進は谷に突っ込んで行く道で道形も怪しいので実際は道は右折と考えた方が良さそうです。)
前日の雨で滑りやすく所々にある固定ロープの助けがありがたい難儀な道です。
しかし、急な登りではありますがそれほど長くは続かず一登りで頂稜の末端に登り着き、そこからしばらくは展望の尾根歩きです。
見下ろすと今し方歩いてきた雨生池が山の女神の瞳よろしく青々と水をたたえているのが見えます。湖畔一帯はいままさに色づきの最盛期で、水の色がいっそう映えて見えます。 |
カエデの絨毯 |
下田山塊展望:
粟ヶ岳
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頂上手前で傾斜が緩むといよいよ下田川内山塊の展望が広がります。やや樹木に邪魔されますが樹林が切れる箇所もあって五十嵐川を隔てて豪快なスラブを纏った光明山の全体像を望むことができます。そしてその向こうに高々と盟主粟ヶ岳、さらに下田川内山塊の奥の奥に聳える青里山と矢筈岳をも間近に仰ぐことができます。この山域は我々一般ハイカーにはとても足を踏み入れることはできず、のみならずその姿を望めるのも山塊周辺の山に限られるというじつに遙かな山々です。
一方南西方向には守門岳がすぐ近くに圧倒的な大きさで聳えています。ただし時刻から言ってまるきり逆光になってしまい残念ながらシルエットにしか見えません。雪の季節には有名な大岳の雪庇さえも見えるという話ですが、また残雪期にでも再訪してみたいものです。
待望の頂上は小広い平坦地で数組のハイカーがそれぞれ休んでいました。ほとんどが地元のハイカーです。まだ遠方からハイカーがたくさん訪れるほどには知られてはいないようです。こんな素晴らしくもマイナーな低山が地元ハイカーにだけ愛されているという状況はかえってうれしい限りです。新潟に通う理由はそんな魅力に惹かれてのことです。 |
光明山全景 その向こうに人跡まれな青里山、矢筈岳 |
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【便利帳】 |
トイレ:堰堤工事現場(登山者に開放。ただし工事完了後は?です。) |
【収穫】(^_^; |
12片 80g |