【メモ】 |
茶臼山:
茶臼山断崖
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駐車場の反対側に登山口があり、いきなり階段の急登が始まります。露岩もあって低山にしては手強い登りです。国道から岩の断崖が見えましたがその脇を登るのですから当然です。
しかし、それもわずかな距離で稜線に着くとそこからはなだらかな登降を繰り返すことになります。と同時に周囲の植生もヒノキの人工林に変わります。
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茶臼山城空堀跡
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尾根を歩いていると自然のものとは思われない鞍部の形状に気づきました。どうやら山城でよく見かける空堀のようです。
下山後調べてみるとはたしてここは茶臼山城(蔵ヶ崎城)跡でした。低山ながら急峻で街道のすぐ脇という立地も山城には最適な環境なのかなと思えます。
さらに登ると不自然な平地がたびたび現れますが城跡ということですからこれらは曲輪の跡ということになります。ほどなく見晴台の標識のある高みに達しますがここがその1郭ということです。
見晴台からは男体山、女峰山が眼前に大きく聳えています。朝、高速道から見たくっきりとした男体山から今はやや雲がかかってしまっていずれ隠れてしまいそうです。 |
男体山 |
女峰山 |
さらに空堀などを経て平坦尾根になるとそこが茶臼山頂上。城跡もここまでです。
周囲はヒノキの人工林なので頂上に登り着いた爽快感とは無縁です。でも、今でこそ森林として多様性がないだの花粉症の元凶だのとさんざんな言われようですが、かつて先人たちが戦後の荒れた山に子孫の利益を思って植林した苦闘の記憶をとどめるヒノキ林ですし、将来世界の森林事情が変化して経済価値が格段に高まることだってありうる話ですから多少面白味に欠けるからと言ってぞんざいにしちゃいけないかな。 |
人工林の尾根から毘沙門山:
毘沙門山登路の大岩
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その先も退屈なヒノキ林は続きますがちょっとした見所としてはTV中継所と毘沙門山登路の岩場があります。
TV中継所はヒノキ林の中に突然姿を現すのでちょっとびっくりします。建物の袖を回り込めるようになっていて反対側に出たところからわずかに東側の展望が得られます。
中継所先でいったん大きく下降してからまた急登が始まります。大岩や露岩などがあって今日一番の難所です。といって危険箇所があるというわけではありません。ロープが固定された急登に息が上がるという程度です。
大岩は直答できなくはなさそうですが左に巻き道があるのでそちらを選びました。
岩の急登をこなすとやっと毘沙門山頂上です。
北と南に眺望が得られます。北側には高原山がどーんと聳えて見えます。その麓には鬼怒川の温泉街も見えます。
ゆっくり休憩したいところですが電波反射板が頂上の半分を占めていて落ち着きません。息を整えるだけにして下山にかかりました。
下山にかかってすぐの肩のあたりから日光方面の展望がわずかに得られます。古いガイドブックなどで好展望と紹介してある例もありますが今では樹木が生長して樹間の展望となっていてちょっと残念です。
最初は痩せ尾根で岩がちですがぐんぐん下ってやや平坦尾根になると尾根から左に折れる分岐点に達します。
分岐点では標識が破損して倒れているため注意が必要です。うっかり直進すると大桑方面に下りてしまうようです。
分岐から県道まではあっという間です。県道に出てからスタート点の駐車場までうんざりする舗装道歩きが待っていました。途中からショートカットしましたがその道の景観が昔の今市の風情を残していて素敵でした。 |
人に会わないのが魅力:
左毘沙門山、右TV中継所 県道国道ショートカットの道
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全山歩いて会ったのはたった1人。他に駐車場に1台駐車していたのでその人を入れてもたった3〜4人が歩いたのみだったようです。これが魅力というような見所の少ない山ですが人が少ないのはいいですね。
ただ、標高が低く周囲の道路の車の音や麓の人家の飼い犬の鳴き声が届くような尾根なので人は少なくても静寂ではありません。東武鬼怒川線の蒸気機関車の汽笛が聞こえたりする和やかな里山でした。 |
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