【メモ】 |
達磨山登路から戸田漁港と御浜岬、駿河湾、三保の松原
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遠い、ふぅ〜:
私の住む足利からはいかんせん、遠いです。以前なら1,2泊は要したのですから当たり前です。
片道250kmあまりあります。さらに集合するまでの距離を加算するともっとも遠距離を走った仲間は片道350km、いくら高速道ができて便利になったといえ、やはり遠い山にかわりはありません。
でも、遠路はるばる出かけた甲斐はありました。
これ以上はないという青空にどーんと富士山。いつも100km以上も隔てて見る頭だけの富士山とはその大きさが違います。阿蘇山や赤城山などは現在の外輪山や裾野から推し量って巨大な火山だったといわれたりしますが、やはり現実に端正な巨大な山体を目の当たりにすると高さで日本一ばかりか大きさでも日本一、さらにはその均整のとれた美しさでも日本一の山だといまさらながら再認識します。
駐車地で身支度してまずは達磨山目指して出発です。このあたりはあせびヶ原といわれているようです。一旦車道に出て冷たい強風に晒されながら見上げる達磨山はこの地方独特のハコネザサがびっしりと山肌を覆う笹尾根の先に高々と頭をもたげてけっこう登り甲斐がありそうです。右には眼下に戸田の港を見下ろし、その天然の良港を形作る御浜岬、さらにその向こうに波立つ駿河湾、さらには三保の松原もはっきり見通せます。 |
沼津アルプス 箱根(達磨山から)
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展望尾根を登る:
車道に出てわずかで達磨山登山口です。ここから達磨山頂上まで登り一方の道を一気に登ります。
振り返るたびにどーんと富士山。つくづく端正で礼儀正しい山です。それが登るほどに遮るものなしとなりもう視界は富士山ばかりという感覚になります。じつは箱根も丹沢も視界の中なのですが、頂上で少し気持ちを静めるまではあまりの富士の存在感のためにそちらを眺めた記憶もあまりありません。それほどの圧倒的な眺めです。
登り着いた達磨山頂上は一等三角点峰でその標石の他に山名板や石碑があり、また周囲の笹から身の丈を伸び上がらせてくれる大岩が散在しています。その大岩に立てば360°の大展望を我が物に。
しばし時間をおいて気持ちを落ち着かせてぐるり眺めると富士山ばかりか名だたる山々も一望という豪華さです。
さらにもうひとつ、駿河湾の存在。富士山と一体となってここの特筆すべき景観を形作っているといえます。
そしてその駿河湾を隔てて静岡(清水)の街の向こうに長大な峰の連なり南アルプス全山が横たわっています。あれが鳳凰三山、あれが北岳、間ノ岳、農鳥岳、あれが塩見岳、あれが荒川岳、あれが赤石岳、あれが聖岳。なんとほぼ全山が視界の中です。
濃紺の海と濃紺の空で視界はほぼブルーで占められたその中に白く輝く富士山と南アルプス、たぶんこんなパノラはここからならではのものです。
目を転ずれば箱根と丹沢がほぼ重なって、その右には大室山あたりの東伊豆の低山、さらに右に目をやると天城山や万三郎岳へと連なっています。 |
達磨山からどーんと富士山 |
金冠山まで:
アセビ純林
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存分に展望を楽しんでいよいよ金冠山までミニ縦走です。
一旦先ほどの登山口まで戻り、そこから芝草の登山道を登って小達磨山まで登ります。芝草、ハコネザサ笹原、アセビ樹林、イヌツゲ樹林が代わる代わる続いて表情豊かな変化のある山道です。特筆すべきはアセビの樹林で、成長の遅いアセビとしてはかなりの樹齢と思われる木々が純林を形成しています。アセビは他の植物の成長を抑制すると言われていますのでこうした純林ができるのかも知れません。ただ、イヌツゲだけは混交して、他所でもアセビとイヌツゲが共存している森があるようですのでアセビに抑制されない性質でもあるのかも知れません。
アセビの樹冠にはびっしり蕾が着いていますが花期にはまだ間があるようです。一斉に咲いたらさぞや見事でしょう。
登り着いた小達磨山から先は下り基調で戸田峠へ降り立ち、ここからは登山道というより遊歩道と呼びたい芝草の道を登って最後の金冠山へはひと登りです。
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聖岳から鳳凰三山までほぼ南アルプス全山を望む
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金冠山:
金冠山からは達磨山にも勝る眺めが広がっています。
眼下に淡島、三津浜(みとはま)、発端丈山、沼津アルプスを見下ろすことができます。
もちろん駿河湾、富士山など達磨山から見えた山々もちょっと高度が違っているため微妙に達磨山からとは変わって見えます。
相変わらず富士山の圧倒的な存在はここからも同じですが残念ながら午後になって雲がかかりはじめてしまいました。待っても雲は消えそうにないので軽い昼食を済まして下山にかかりました。
仲間をそのまま達磨山レストハウスまでの下山路へ見送って、また来た道を車の回収に戻りました。もう気分的に終わってしまってからの小達磨山までの登りのきついこと。(^_^;
帰りの時刻が心配ではありますがせっかくここまで来たからにはと柿田川で湧水を見物して、さらに沼津港まで足を延ばしておいしいお寿司を食べて帰りました。
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