【メモ】 |
アプローチはちょっとつらい:
田子倉ダムから蒲生岳を見る 湖は只見ダム
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小出ICから会津若松方面に延々60km。かつては六十里越えと呼ばれた難所ですが今は国道252号として新潟魚沼と福島会津を結ぶ幹線として整備された快適な道路です。とはいえ、関東からですと遙か来たなぁと思わせるに充分すぎる遠さです。
途中、六十里越えトンネルや田子倉ダム、只見ダム、そして息を呑む会越の山岳風景など見所はたくさんあって飽きはしませんが、日帰りの私たちにはやはり辛い長距離運転です。
な、な、なんだあれは:
トンネルを抜けて田子倉ダム付近から前方に異様な山容の山が目に入ります。聞いてはいたもののその姿には一瞬びっくりします。ちょうどホイップしたクリームをつまみ上げた様な格好の山容に、な、なんだ、ありゃ。まさに、怪峰。
蒲生で蒲生川を渡ると右に登山者用の駐車場があります。国道を挟んで向かいに蒲生集会施設があってきれいなトイレが使えます。地元でこの山を大切にしていることが判ります。
国道を会津若松方面へ少し進んでから案内に従って左に小道をたどると右に蒲生駅を見て線路を越えます。線路の先に久保登山口があり、右に折れるといよいよ登山道となります。
なお、踏切手前のお宅で登山ガイドを頒布しています。山の状況をお聞きしてからいよいよ出発。
登る登る、一本調子の急登:
露岩の登り
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はじめこそカタクリ群生地の緩やかな登りですが、それはほんのわずかで、いきなり急登となります。
ほとんどが灌木帯の中で背中炙りの道が続きます。一枚岩の急な露岩を直線登りしますので転げ落ちるとたいへんです。とはいえ、天候がよく乾燥していたためか岩は滑りにくく快適で危険な感じはあまりしませんでした。
要所要所にはロープや鎖が固定してあります。
振り返ると眼下に只見川や只見線や蒲生、久保などの集落がが箱庭のようです。只見川は滝ダムの末端となっていて川幅も広くゆったりと流れています。山上からさえ川底まで見える清流です。
ここは鉄道ファンには只見線のジーゼルカーの写真をとるための貴重なビューポイントのようです。
ヒメサユリ:
花好きな私たちのこの山のお目当てはヒメサユリ。登りはじめてわずかでぽつんぽつんと姿を現してくれました。しかし、時期的にちょっと遅かったようでほとんどが色褪せて落花しかかっていました。一輪だけきれいな色合いのまま私たちを待っていてくれたのでカメラに収めることができました。いつ見ても愛らしく清楚な花です。
ほかにツクバネウツギやサラサドウダンなどが目を楽しませてくれました。
鼻毛通し経由で頂上へ:
鼻毛通しから覗く
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さらに急傾斜となって、途中登路が二分します。左に西岩壁コースを分けるとほどなく鼻毛通しの奇岩です。岩がブリッジとなって穴があいた状態でかつてその穴から松の木が覗いていたそうで、それがこの名の由来だそうです。あんまりな名前にちょっと気の毒な気もします。道が付いているので穴の中に立つこともできます。
さらに10分ほどの頑張りでいよいよ待望の頂上です。小広い頂上には二荒山神社やパノラマ図などがあります。
頂上からの展望は圧巻です。とりわけ眼前の浅草岳は右に斜面をすっと引いて優美な姿を見せています。手前頂上直下の天狗の庭はまだ雪田が大きく残っていました。
さらにその左手には越後駒ヶ岳と中ノ岳、右手には守門岳が大きく、聳えています。また印象的なのは会津朝日岳です。でかでかと眼前に横たわっています。そしてその朝日岳と中ノ岳の間にはなんと尾瀬の至仏山と景鶴山も遠望できました。
目を右にやれば粟が岳が名峰の名に恥じない姿で聳え、その右に下田山塊の秘峰矢筈岳、さらには五剣谷岳、銀太郎山、魚止山など越後の秘峰中の秘峰とも言える山々が連なっていて、これを一望できるとはなんとも感動的な眺めです。また遠望をいえば遠く磐梯山、猫魔ヶ岳、あるいは那須連山や男鹿山塊までも届く展望で、梅雨時とは思えない天候に恵まれた幸運にしばし浸りました。
蒲生岳頂上 |
守門岳と会越国境の山々 |
会津朝日岳 |
ほとんど真下に只見川を見下ろす(滝ダム湖)
左に只見線 中央に国道252号 |
あなどれない小蒲生コース:
周回コースとして予定していた宮原コースは中越地震の影響で通れなくなっています。新たに頂上から北に向けて下山できる小蒲生コースが開かれています。
頂上からいきなり鎖を頼りの急下降となります。露岩の登路とは勝手が違って足場が泥なのでなかなか足がかりが定まらず難儀しました。ほとんど垂直な箇所もあって万一の時はただでは済まないはずです。ここの鎖場は登山者があまり多く通過すると泥の足がかりが崩れてしまいそうで、いずれ危険になりそうな気がします。そうなったらそれなりに整備も整うでしょうが、いずれにしても自信がなければ登路を引き返した方がよいかも知れません。
肝を冷やす鎖場が終わると一転、優しいブナの森が現れます。樹齢はさほどではありませんが、明るい緑の中、ふかふかの林床を歩く気分はいいものです。
ブナの森を歩く:
ブナの森
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最低鞍部からブナの森を歩く道が開かれています。刈り払い直後らしくまだ切り株が残っていますし多くのハイカーが歩いている様子も見られません。道は折り返すように一周しています。
低木層にはユキツバキが密生しています。開花の季節はどんなにかきれいでしょう。
ブナの森から風穴を経て小蒲生登山口までさらに一頑張りが必要でした。 |