【メモ】 |
空振りの紅葉
古道の風格がある尾根道(痩せ尾根付近)
|
2週間前の山行の様子から遅めの紅葉で錦秋の尾根を楽しめそうだと踏んでいましたが見事に空振り。途中の1000m付近でどうにか色づいているばかりで、それよりわずかに低い標高ではまだ緑のまま、またそれよりわずか高い標高ではすでに落葉していて、きれいな紅葉に会わないまま大沼湖畔まで登り着いてしまいました。なんだか異常な今年の秋です。
いつもの五輪尾根:
山道はさいたま市立少年自然の家の前から始まります。これは関東ふれあいの道で、最初のうちはごろごろした石が落ち葉に隠れて歩きにくいのですがしばらくすると粘土質の道となり落ち葉も気にならなくなります。しかし雨上がりには一転して滑りやすく難儀します。こんな道が出張峠から出張山直前まで続きます。
出張峠はそのまま直進すると関東ふれあいの道が続き、大下りして林道に出て沼尾川を渡りさらに戻るように登り返すと鈴ヶ岳へと通じています。
五輪尾根へは出張峠で右に尾根道をとります。やや急な登りですぐに出張山頂上へ。この登りから振り返ると鈴ヶ岳がのしかかるように聳えています。南に目をやれば新坂平あたりが意外な高さで眺められます。
野坂峠道:
出張山からおおむねなだらかな尾根の上り下りが続きやがて野坂峠の標識に出会います。沼田まで20kmと記されています。
今回の目的はこの分岐から北へ派生する尾根を行けるだけ行こうというものです。
テープマークはあるものの、分岐する道はいきなりミヤコザサに被われた踏み跡程度となり、それも斜面をトラバースしているので崩れかかってこの先が少々不安になります。たぶんどこかで踏み跡も消えるかな、と藪こぎの覚悟をして尾根に出ると思いの外しっかりした道になり拍子抜けしました。一部ミヤコザサに被われている箇所もありますが、笹の少ないところではしっか
紅葉を見下ろす
|
りした道が残っていて、それが作業道とは明らかに違う古道の趣があり、かつて沼田方面から赤城神社に通じていた参拝道かと想像しました。尾根を忠実にたどるのではなく無駄な登りを省略してコブは捲き道で避けていることからもそんな想像が膨らみます。山仕事の道ではなく村人の往来や神社の参拝などのために人々が通った道は道幅や経路などどことなくその雰囲気が残っているものです。
道はおおむねなだらかな尾根で樹間ながら素晴らしい展望が得られます。とりわけ足尾、日光の山々が間近で、それらが大きな山群であることがよくわかります。
また西には北アルプスの山々が見通せて、ちょうど浅間山と四阿山との間に槍ヶ岳から大天井岳、さらには水晶岳、野口五郎岳、赤牛岳まで一望でした。展望の期待は全くしていなかったので予期せぬ拾いものでした。
また稜線の紅葉は空振りでしたが沢筋の斜面にはどうにか色づいた木々を見下ろすことができました。
古道と別れる:
途中痩せ尾根で「アリの戸渡り」と書かれたブリキ板を目にしました。どなたがいつ頃に掲げたものか、このコースで唯一出会った人工物です。相当古いものですが、いつの頃かこのコースが登山道として存在したらしいことがわかります。
このあたりは両側が切れ落ちた尾根でそのためアリの戸渡りとしたのでしょうが、痩せ尾根ではあってもよく踏まれた道で危険もなく、まあ、それほどのことはないなぁと独り言をつぶやきながら通過しました。このあたりがこのコースでもっとも好ましい景観と感じました。
地形図には尾根から右に下る破線がありますが実際しっかりした道は途中から尾根を離れて緩い傾斜で谷に下っていきます。テープマークは尾根通しに導きますがこれは登山者の道だったらしくいきなり踏み跡が薄くなります。本来の道はここから谷道となったようです。
これと言って高いピークがあるわけでもなく、このまま20km先の沼田まで下るわけにはいかないのでどこかを目標点に定めなければなりません。行く手に赤白に塗られた送電鉄塔がありこれがよい目安になりますがそこまではかなり下ることになりそうです。そこでその手前の急下降直前のピークまでとしました。地形図で1460mと読めるあたりです。
岐路は薬師岳、陣笠山を経て厚生団地に下山しました。
薬師岳は樹林の中ですが五輪尾根最高峰です。陣笠山は黒檜山と大沼の展望台です。たしか昔は陣笠と呼んでいたはずですがいつの間にか標識は陣笠山となっていました。
下山後、時間もあったのでここから小沼に回り地蔵岳に登って大展望を楽しみました。
野坂峠道全容(地蔵岳から見下ろす)
|
|