【メモ】 |
登山口銀泉台:
層雲峡見物(けっこう歩かされます)の後、大雪湖(大雪ダム)で国道から分かれ大雪山観光道路を銀泉台まで一気に駆け上がります。この道は大雪山縦断道路のもくろみがあったのですが各方面の反対のおかげで計画が頓挫したいわく付きの道です。でも観光道路とは名ばかりで、深い原生林の中の未舗装の静かな道路です。とにかく深い森です。エゾシカ、キタキツネに会えました。
銀泉台は南に向けて広大な原生林のすばらしい展望が広がっています。駐車場奥に銀泉台ヒュッテ、古くてあまりきれいとは言えませんが、おじさんおばさんたちの心のこもった対応が実に好ましい小屋です。食事がおいしいことはもちろんです。
小屋を出るといきなり大雪山の核心:
小屋から15分も歩くと展望の開けた気分の良い矮性のダケカンバ帯になります。一汗かく間もなく森林限界を過ぎるとウコンウツギの群生するトラバース、そしてすぐさま第1花園と呼ばれるお花畑、さらに第2花園、このあたりは湿性の群落でエゾコザクラ、エゾツガザクラ、アオノツガザクラ、エゾヒメクワガタ、エゾノハクサンイチゲなどが斜面を色とりどり染めています。ただただ圧倒されるばかりです。雪田の白と空の青と色とりどりの花々、なんという贅沢。息つく間もなく次にコマクサ平、可憐なコマクサの花から花へウスバキチョウも飛んでいます。さらにお花畑は第3雪渓、第4雪渓へと切れることなく続き、最後の急登で赤岳頂上。一気に360度の展望が広がります。
花の散歩道:
赤岳からは小泉岳へと続く広くなだらかな尾根は岩礫帯・風衝帯で花もホソバウルップソウなどの乾性お花畑となります。乾いた風を頬いっぱいに受けながら爽快に足が進みます。期待の小泉岳への斜面のキバナシャクナゲ大群落は花季が終わりチラホラ咲いている程度で残念。やがて小泉岳の広大な頂上で緑岳からの道を合わせ、やや下ってさらに旭岳方面への道とトムラウシ方面への道を分ける十字路、そしてそこからいよいよ白雲岳への登りとなります。
大展望の白雲岳:
十字路から急登となりますが、切れ目なく続くお花畑と特異な構造土などに目を奪われているうちあっという間に頂上にたどり着いてしまいました。さっそくシマリスのお出迎え。
北海道中央部すべての山を眺める爽快さ。遠く阿寒や日高の山々さえ雲海の上に頭を持ち上げています。やや遠くトムラウシの雄姿ときらり光る沼の原の大沼、見返れば幾筋もの残雪を筋のように引いた盟主旭岳、さらに近景にはお鉢平を巡る山々とお隣の武利岳、武華岳、平山、ニセイカウシュッペ山が大きくせり上がっています。また塩見岳が印象的でした。
でもなんといっても印象的なのは目の下に広がる小白雲沢源流台地の広がりです。まさに自然の楽園を見下ろす気分です。
白雲山荘からヤンべタップ源流雪田:
ここまではいわばお定まりの一般コース。これから先が今回の目的、ヤンベタップ源流雪田のエゾコザクラ大群落を見ようというものです。
十字路まで戻りそこから白雲山荘へ。山荘手前の流れ、たぶんこれが小白雲沢へとなって行くのでしょうが、こんこんとわき出る流れの周辺はたくさんの花に埋もれて素晴らしい雰囲気です。なかでもチシマノキンバイソウの大きな鮮やかな花は印象的です。
小屋から南に伸びる縦走路と分かれて大雪田に向かって一筋のか細い道が続いています。この雪田を越えると雪解けしたばかりの小さな流れ、ヤンベタップ源流です。聞いていたとおり周囲はエゾコザクラの大群落、これを見るためにこそ北海道までやってきたのです。シアワセ気分。
小泉平、まだまだ花は続きます:
去りがたいヤンベタップからやや急登をこなすと小泉岳・緑岳の鞍部。ここから小泉岳まで戻るのですが、この小泉平と呼ばれる平坦な尾根が乾性お花畑となっていて、これでもかと花が続きます。エゾツツジ、コマクサ、ホソバウルップソウが目立ちます。
小泉岳まで戻り、あとは来た道を銀泉台まで花を繰り返し楽しみながら戻りました。
大雪山花図鑑(拡大できません スンマセン)
エゾコザクラ |
ホソバウルップソウ |
エゾツガザクラ アオノツガザクラ混成群落 |
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