花香月山 はなかづきさん 378.2m
山名に惹かれて
この山名を見たら誰しもどんな山かいろいろ想像を巡らすはずです。なんとも雅な名前。
冬陽を浴びてのんびり登って来ようと出かけてきました。ところが優しそうな山名とは裏腹にヤブに掴まって難儀してしまいました。
山は難儀でしたが、棚田の続く山麓の景観は心和みます。茂木町はどこに行ってものどかで穏やかでいいですね。
一般ハイキングコースではありません。
花香月山頂上 棚田が続くのどかな山麓の道
【日程】 2014年1月16日 【山域】 栃木茨城県境 【天候】 晴
【アクセス】
登山口まで行くのがなかなか難しいです。
茨城側からなら北関東道笠間西ICから国道50号、笠間・寺崎から広域農道(ビーフライン)へ。あるいは笠間・金井から県道39経由で同じく広域農道へ。広域農道と県道51(水戸茂木線)との交差点で左折して茂木方向へ。県道39を左に見送ったらその次の農道を左折。京内畑の人家の間の狭い道で左右に分かれる所は右へ。送電鉄塔が正面に見えたらそのあたりに駐車。
栃木県側からならから県道51(水戸茂木線)でツインリンクもてぎ南ゲートを通過したら次の丁字路を右折。さらに次の狭い農道へ左折して県境を越えると上記の駐車地。あるいはその次の丁字路で農道を左折すれば入山点に直接行けるようです。(未確認)【駐車地】
茨城側駐車地
栃木側駐車地(茨城側から徒歩で県境を越えて来た地点)
前方に送電鉄塔が見えたらそのあたりに駐車可能地あり。(東電の巡視路杭から林道跡へ入る。)
栃木側からなら馬頭観音前に駐車地あり。
【コース】
駐車地 - 茂木町道終点杭 - 馬頭観音
- 棚田 - 堰堤 - Docomo中継所
- 東電中継所 - 花香月山 - 県境尾根
- 堰堤下 - 馬頭観音 - 駐車地
全行程 3時間
【メモ】
入山にうろうろ:
朝靄の棚田
ナビとガイドブックと道路地図を頼りにしながら探したというのに入山点が分からず、うろうろしたあげくいつの間にか県境を越えて茂木町側に行ってしまいました。結局ナビも道路地図もガイドブックも持っているものは古くてアテになりません。それぞれの記述がつじつま合わないので大混乱。新しいのを買わなくちゃ。
茨城県側に戻り、やっとこのあたりでどんなもんだろって感じの場所を駐車地に選びました。
予備知識がほとんどないままに出かけてきたので花香月山のイメージがないままとにかく駐車地から林道跡をたどってみました。栃木県側まで行ってから頂上を目指し下山は県境尾根をたどる心づもりです。
林道跡は道路地図などでは車道表記になっているものもありますが実際は途中から山道になります。県境にある茂木町の町道終点の杭が現状にそぐわない気がします。町道と言えばふつう車道を思い浮かべますがここはもうすっかり山の中です。
入山の沢を探しながら県境の先へと進んでいったらなんと行く手に軽トラックが走り抜けていきました。あれれ?
傍らに馬頭観音があり道の反対側には2台分ほどの駐車地があります。舗装はここまでですがその先へさらに道路は続いています。棚田が続く気分の良い谷です。流れる川は高田川と言うそうです。
前方には花香月山頂上のアンテナが見えます。
軽トラックの主の地元の方が作業を始めようとしていたので少し話をしましたが、花香月山へ行くと言ったら「何しに?」と聞かれてしまいました。「登るんです」(^_^;
この道を行けばいいと聞いて一安心。(じつは安心どころじゃなかったのですが。)
高田川を詰める:
最後に尾根に突き上げる
道路は農作業のためらしく棚田が尽きたらいきなり歩行困難な道に変わりました。すぐに左手に堰堤が現れると、その先ではさらに荒れてヤブ歩き同然となりました。
一応道形は残ってはいるものの歩く人もほとんどないらしく足跡も見当たりません。
時々沢も道も分岐がありますが地形図を見る限り本流をたどれば山頂付近に突き上げられるはずです。
周囲はほぼヒノキの植林地です。間伐した木がそのまま沢に横たわっていて越えたりくぐったりしなければなりません。静寂を楽しむどころではありません。
1時間ほどの格闘で沢の源頭までたどりつき、あとは一気に尾根に突き上げるだけ。このあたりは作業道跡や獣道が交錯しています。右か左かどちらが楽かと迷って結局直登したら前方に中継所(Docomo)が現れました。
フェンスに沿って回り込んだら舗装道路が登って来ていました。
静かな花香月山頂上:
頂上を踏むのは後回しにして舗装道路を少し下ると前方が大きく開け茂木南部の県境の山群が見えました。ただ好天で靄がかかってどこがどれやら分かりません。左手にもう一つの中継所(東電)へ登る道路があったのでそちらから頂上へ戻るように登りました。
三角点と、二、三枚の山名板があるだけの寂しい頂上です。樹間から周囲の山も見えますが部分的でどこか分かりませんでした。
北に延びる県境尾根へ:
中継所のある花香月山を振り返る
ここから県境尾根を下山するつもりですが山頂周辺は複雑に尾根が入り込んでいる上、樹木で見通しが悪くルートを定めるのがなかなか困難です。ここはナビの助けを借りるほかありません。こうしてナビ頼りで歩いているとだんだん感覚が錆びつく感じもします。
山頂直下だけはやや急な下りですが尾根通しに歩くようになるとさしたる登り下りもなく徐々に高度を下げていきます。
踏み跡は現れたり消えたりという感じですが、枝尾根が多く植林地で2回ほど踏み跡を失って斜面をトラバースして修正する羽目になりました。
尾根は雑木の背丈が低くほとんど藪山という印象です。展望もほとんどありませんし特に見所もありません。
240m標高の尾根で明瞭に踏み跡が二手に分かれます。直進が茨城県側への下山、左が県境尾根と判断して左にとりましたが、その先で枝尾根に引き込まれて下ったら堰堤が左下方に現れました。あとから地形図を見ると県境尾根はほとんど急な下降はないようです。いまさら登り返すのも億劫で今回はここから下山することにしました。
結局見所もあまりない藪歩きになってしまいましたが、最後に道迷いするなど少々鈍ってきた感覚を鞭打つにはちょうど良い山行だったかもしれません。
棚田の道で振り返るとかなり遠方に中継所が見えました。
山名について:
「はなかりさん」などいくつか呼び方があるようですが山麓でお話しした地元(茂木)の方は「はなかづきさん」と呼んでいました。
いずれの読み方にしても山名だけで登る価値があるような風雅な名前です。【便利帳】 コンビニ:登山口近くにはありません。買い物は早めに済ましておく方が無難です。
トイレ:なし