【メモ】 |
サイテーなコース前半:
わが郷土をこき下ろすのもナンですが、このコースの前半はハイキングコースとしてサイテーです。
越床峠からいきなり急登となりますが、このあたりは松枯れにやられたアカマツの倒木と白斑に冒されたヒサカキが目立つ荒れた林相で目を覆うばかりです。でもまだこんなのは林の遷移の過程と思えばなんでもないことで、ひどいのはこの先、尾根筋に上がると救いようのない景観が視界いっぱいに広がります。見上げると土砂採取(一応、鉱山と言うことらしいです。)でかっ削られた半身の山、見下ろせば白く乾ききった広大な採取地、さらに右にも左にもゴルフ場が山を浸食しています。おまけに左側の土砂採取でできた断崖が危なっかしいとあっては歩き始めからうんざりしてしまいます。
こんな景観がピークを2つほど越えるまで続きます。土砂採取地の騒音が山かげになって聞こえなくなるとやっと気分の良い雑木林となりほっとします。山神様の石祠や古い峠の跡などもあってやっと山に来た気分にさせてくれます。(でも、右側には足下までゴルフ場が押し寄せていて時たま木々の切れ目からそれを見ることになります。)
倒壊寸前の鳩の峰神社:
いくつか展望の良いピークを越えてちょっぴり疲れの出た頃に鳩の峰に登り着きました。小広い頂上には鳩峰山神社(大山祇神社)が倒壊寸前の姿をさらしていました。瓦屋根は半ば崩れ落ち、危なくて近寄れません。裏側から奥の院を覗くと極彩色の絵馬が見えました。かつてはたくさんの絵馬が飾られていたそうです。麓の駒場地区からはゴルフ場に阻まれて遠い存在になってしまったのでしょうか。かつての例祭は賑わいを見せたという話ですが、なんとも寂しいことです。
頂上からは神域の木々に遮られてあまり展望はありません。
(補足:2005−1−17 神社はすでになくなって石祠だけになっています。)
鳩の峰からは落ち着いた尾根道をたどり塩坂峠へ:
ここからは落ち着いた雑木林の尾根となり道も良く踏まれて快適に歩けました。多少のアップダウンはあるもののあっという間に見慣れた塩坂峠へ。このあたりはマンサクが見られる林ですがまだ花は開いていませんでした。
峠から必要以上に立派な歩道をちょっと佐野寄りに進むと塩の井戸があります。弘法大師さまが飲んだら塩の味がしたそうで、ご丁寧に真新しい石組の井戸(といっても実際は井戸なんかじゃない)が柵の中に作られています。
この話が塩坂峠の由来でもあります。あぁた、そりゃ、嘘でしょ。(^^;
この峠越えの道には自然歩道のマンサクの咲く道として整備された際に歩道脇にマンサクを植え込んだのですがほとんど枯死しています。自然をいじり回すことはそうそう安直にはいかないようです。井戸といい植裁といいあまり有効な税金の使い道とは思えず、先ほどの見捨てられた神社を思い比べて複雑な気分でした。
ぜひとも塩坂峠北ピークへ:
ここまで来たらぜひとも北へ延びる岩稜を少し歩いてみたいものです。峠から数十mほど歩くとアカマツと岩の展望地に出ます。南西方面に足利市街を望み、その先には太田金山を越えて西上州や八ヶ岳も遠望できます。西側には行道山から両崖山、織姫山と続く人気コースが対峙しています。岩に腰を下ろして双眼鏡を覗き存分に大展望を楽しむには絶好のポイントです。
さらに頂上を乗っ越して灌木帯に分け入ると北西側の展望が広がっています。足尾の袈裟丸山、皇海山が立派です。また足利北部の赤雪山、仙人が岳なども手に取るようで、その先には桐生川をとりまく山々がうねるように続いています。
峠道を下って塩坂の里へ:
峠に戻り峠越えの道を足利側に下りました。ヤブコウジやシダが林床を覆って気分の良い道です。
下山地は小さな流れを配したとても気持ちの良い雑木林です。
のどかな塩坂の里はマンサクや梅がきれいでした。ここから駐車地までの道は春いっぱい。ホトケノザやオオイヌノフグリがもう満開でした。長戸呂川にはカワセミがじっと獲物を狙っていました。
総じてあまりおすすめのコースとは言い難く、むしろ塩坂峠から往復するほうが手軽に気分良く歩けそうな気がします。
塩坂峠は「マンサクの咲く道」を期待するとちょっとアテがはずれるかも知れません。むしろカタクリ、ヤマザクラを見るなら絶対おすすめのコースです。ヤマザクラはかなりの大木が見受けられます。 |