目次
早池峰山 はやちねさん 三角点1913.4m 最高点1917m

横殴りの雨と強風で途中撤退

花好きとしては一度は登らないとと思いながらなかなか行く機会のなかった早池峰山。
早池峰山と言えばなんといってもハヤチネウスユキソウ。昨年は天候待ちをしている間に(結局、梅雨明けのないままの夏で)花期が終わってしまって残念な夏となってしまいました。今年もなかなか天気が安定しないままもう花期もぎりぎりとなってしまったので多少の雨なら登ってしまおうと思い切って出掛けました。
結果、多少の雨どころか横殴りの雨と飛ばされそうな強風に途中撤退となりました。麓ではしとしと降っている程度でしたがやはり山の天気は恐ろしいものです。
でもどうにか霧に包まれながら咲くハヤチネウスユキソウに逢えたので良しとして、くるり向きを変えて下山にかかったのですが半分満足、半分心残りの早池峰山でした。


      ハヤチネウスユキソウが点々と咲く草原帯

       蛇紋岩帯を登る
【日程】 2018年7月17日
【山域】 北上山地
【天候】 雨 強風

【アクセス】 東北道花巻ICから県道へ出て、国道4号にぶつかったら左折、すぐに右折(花巻空港を回り込む経路)して花巻農業高校前を通って北上川を渡ります。その先は県道を繋いで大迫へ。道なりではありませんが要所に案内がありますのでそれに従います。大迫から山間に入って行きますが道路はよく整備されています。
早池峰湖、岳を経由して河原坊へ。土、日、休日はここで通行止めとなりますが平日はさらに小田越まで車で入れます。
小田越の先で道が下りにかかるあたりに2箇所ほど駐車可能地があります。
【駐車地】
2箇所で10台以上駐車可能です。
道が狭く大型車も通るのでこの駐車地以外は停められません。ハイシーズンは河原坊から徒歩で小田越まで登る方が安心です。
【コース】
駐車地 - 小田越登山口 - 森林限界
- 五合目(撤退往復)


実行程 約3時間  
【メモ】
静かなスタート:

    小田越登山口

河原坊にはハイシーズンの土、日、休日の通行禁止の看板がいくつも掲げられていますが、では平日にどうなのかというとその案内は全くなくてはたして大丈夫なのか不安になります。事前にネットを巡ってみたところ公的なサイトではやはり土、日、休日の通行禁止の案内はあるものの平日どうなのかを知ることは出来ませんでした。個人のサイトで小田越付近に駐車地がある情報を得たもののはたして公的な駐車場なのかむりやり駐車してしまったのかその状況はわかりません。
駐車できなければ戻ればいいやと思いそのまま狭い舗装道を進みました。小田越では路肩にロープが張られ駐車禁止の看板がいくつも掲げられていてもちろん駐車はできません。そのまま峠を通り過ぎてわずかに下りにかかると右手に空き地があり数台の車が停まっていました。ほぼ満車状態でしたがさらにその先にももう1箇所数台分の空き地がありこちらはまだ余裕がありました。この天気ですから入山者も少ないようです。
大型車が通るのでエリアからはみ出さないようにとの注意書きが立てられていますので一応駐車地として認められているようです。
ぽつりぽつりと雨粒が落ちてきたので雨具を着けてのスタートです。風も弱くこれならどうにか登れそうです。
駐車場から舗装道を戻り小田越からいよいよ登山道です。他所からの植物の種子などを持ち込まないように靴底の異物を除くためのマットが敷かれています。また道脇には携帯トイレの回収ボックスが設置されています。早池峰山では携帯トイレの使用を求められています。


    濃霧に包まれた草原帯
まずは樹林をたどってやがて森林限界へ:
登山口からしばらく樹林の道となります。半湿地の箇所には木道が敷かれていて裾を汚すこともありません。
傾斜も少なくのんびり歩けますがその分急登を後延ばしにしていることになりますからそうそうのんびり歩いているわけにも行きません。
少しだけ傾斜が出てきたなと思うとすぐに灌木帯です。樹林内では小雨ながら霧もなく穏やかな天候でしたが樹林が切れて灌木帯になるとすっかり濃霧に包まれてしまいました。徐々に傾斜が出てきてさらに高度を上げると雨も激しくなり風が出てきました。
しかし周囲にはキンロバイ、ミヤマハンショウヅル、ホソバツメクサ、ミネウスユキソウなどの高山植物が現れ始めて天候とは裏腹に花好きには気分的は楽しい登りです。今回の山行の目的のハヤチネウスユキソウもそこここに姿を見せてくれました。
風雨に負けて五合目で泣く泣く撤退:
徐々に傾斜もきつくなりいよいよこれから蛇紋岩帯の急登を登ろうかというあたりでさらに風雨がひどくなり雨具のフードに当たる雨粒がうるさいほどになってきました。風も強まり飛ばされるのではないかと不安になるほどで蛇紋岩の滑りやすい岩質もあってバランスを保つのに苦労するほどでした。風も冷たくまたあまりの風雨の中でさらにウェアを重ね着することも出来ずこのままでは体温にも影響しそうです。思わずトムラウシ山の夏山遭難を想起してしまい、ここは撤退するのが良策と自分に言い聞かせてくるり向きを変えました。
下山してくるハイカーに聞くと稜線では比較的穏やかだということで、どうやら気流がこの急斜面に吹き付けることで強風になっているようです。頂上部はちょうど高山植物の花盛りだということで残念きわまりないのですが老体を押して登って何ごとかトラブルを引き起こしてはいけないのでまたいつか登れることもあろうということで下山にかかりました。
ま、ハヤチネウスユキソウに逢いに来たのだから今回の目的はおおかた果たしたということで。


  ハヤチネウスユキソウ

  ホソバツメクサ

  イブキトラノオ

  キンロバイ

  コメツツジ

  ミネウスユキソウ

 ミヤマハンショウヅル

  ナンブトウウチソウ

宮沢賢治ゆかりの小旅行:
早々と下山してしまったので宮沢賢治ゆかりの場所を訪ねてきました。
まずは宮沢賢治記念館。もう4,5回は訪れていますが、じつはどうもあまり好きではありません。なぜって、昔から抱いている宮沢賢治の印象とはかけ離れてとってもおしゃれすぎるんじゃないかといつも違和感を抱いてしまうからです。
田舎だからダサいのがあたりまえと思うわけではありませんが、やっぱりここの今風すぎるセンスはちょっと違うかな。
宮沢賢治記念館から北上川のイギリス海岸へ。ここも3度目です。いつも川床が隠れるほどの水量で泥岩層の露出を見られたことがありません。地元の方の話では時々上流のダムが放流をやめて水量を減らしてくれるそうでその時は賢治が見たと同じように泥岩層が現れるということです。

  宮沢賢治記念館入口

   イギリス海岸 北上川が浅瀬となって波が騒いでいます
【便利帳】 トイレ:道の駅はやちね、岳、河原坊、小田越
コンビニ:大迫に2店
【寄り道】 花巻に宮沢賢治ゆかりの場所が多数
目次