【メモ】 |
大規模開発の菱ヶ岳北面:
ゲレンデを登る
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安塚から山間に入ると突然広大なスキー場が姿を現します。キューピットバレイスキー場です。ちなみにキューピッドバレーじゃなく「キューピットバレイ」です。(^_^)
雪だるま温泉、テニスコートなどもあってサマーシーズンにも遊べそうです。しかし今の時期は中途半端でサマーシーズン営業にはまだしばらく間があるようです。
ここから長大なゴンドラがあって一気に標高1000m付近まで運んでくれるとあって、じつはアテにしていたのですが当然ながら運休中でした。(前週、山開きの際には運転したようです。)
仕方なしさらに国道を上って中腹のグリーンパークからゲレンデを歩くことにしました。
この国道403号というのが狭くてほとんど林道と言ってもいいくらいの道でおまけに途中で通行止めになっています。
いきなり車のデポで大失敗:
下調べをした結果下山地からスタート点まで戻るのに舗装道を5kmほど歩かねばならず、これはたまらんと今回は自転車を持ってきました。仲間を登山口に降ろしてから下山地に車をデポして自転車で戻って来ようという腹づもりです。
ところが近道をしようとしてゲレンデの作業道に入ってしまったのが大失敗、道が消えて葦の繁るゲレンデを自転車を押しながら登ったり下ったりしながら戻る羽目になりました。
辛いゲレンデの登り:
グリーンパーク前が登山口で、そこから一直線にゲレンデの中を登ります。日差しを受けながらゲレンデを登ること1時間、大汗かきながらやっとゴンドラ終点の山頂駅に登り着きました。
ただ、この登りもまるきり面白くもない道かというとそうではなく、振り返ると頸城丘陵が眼下に広がって至るところ棚田が光って見え、さらにその先には刈羽黒姫山と名山米山が見通せてなかなか爽快ではあります。
花に包まれて雪渓を登る:
沢を埋める残雪
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山頂駅周辺は草地の広場となっていて奥に2カ所山道がスタートします。これらはすぐに合流しますが、左手の道が花が多くぜひともこちらから入山したいものです。
山道に入るやいきなりタムシバ、ユキツバキがお出迎え、さらにすぐに湿地となってミズバショウ群落が現れます。ここのミズバショウは小振りの花で尾瀬などの化け物みたいなミズバショウとは別の植物かと思えるほど愛らしく、それが流れの傍にあっちにもこっちにも群れ咲いています。
ミズバショウ群落が途切れるとシラネアオイがちょうど花を開いたばかりのみずみずしさで迎えてくれました。まだ蕾も多くこれからさらに賑やかになりそうです。群落は登山道にはみ出していますので踏まないように気をつけなければならないほどです。この先もミズバショウ、シラネアオイ、イワカガミ、イワウチワ、ショウジョウバカマなど次から次と春の花を満喫することができました。
登るほどにだんだん雪が多くなりそのうちに沢はすっかり雪に埋もれて快適に登れるようになってきました。それにしてもなんと豊富な残雪でしょう。
頂上より見おろす頸城丘陵 |
ミズバショウ |
タムシバ |
ブナの森 |
大展望の菱ヶ岳頂上:
雪渓に遊ぶ 褐色はブナの実
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雪の沢から離れて尾根上の道になるとすぐに待望の頂上です。
北に開けて眼下にスキー場、中景に頸城丘陵、そしてその先には刈羽黒姫山とうっすら中腹だけの眺めとなってしまった米山など中越から上越にかけての広大な眺めが広がっています。
それもそのはず、菱ヶ岳は一等三角点峰です。三角点にタッチしてからゆっくり昼食にしました。
頂上には不動明王のお堂があり、避難小屋兼用になっています。ただ、まるっきり頂上に建っているので雷の時はちょっと怖いかもしれません。
ブナと雪田の下山道:
頂上から南に向けて道が下っていきます。しばらくは滑りやすい粘土質の急斜面ですがすぐにブナの森の中の平坦な雪田を歩くようになります。
ここのブナの森は巨木こそありませんがたっぷり残る雪田との対比が美しく山深さをひしひしと感じます。
雪田にはブナの実がたくさん落ちていてほとんど表面が褐色になっています。昨年も森は豊作だったようです。
こちら側に下山すると周回がたいへんなためにゲレンデ側を往復するハイカーが多いようですが、この南面のブナ林を歩かなければ菱ヶ岳の魅力の半分しか見ないまま帰ることになるのになぁと人ごとながらもったいない気分になります。
風穴と湧水:
西口登山口に下り立ってみると国道はそこで通行止めとなっていました。少し先に山菜採りの方が休んでいたのでこのあたりの情報を仕入れようと話しかけたところ、菱ヶ岳の麓で生まれ育ったご兄妹とのことで、いろいろ楽しいお話をお聞きすることができました。山間地はどこも同じかもしれませんがこのあたりも過疎がすさまじく、妹さんの住む集落では百数十人の住人がいたのが今では高齢ばかり40人になってしまったそうです。もっとも車社会になって山間の仕事も町から通えるようになっていますので当然かも知れません。
話を聞きながらいろいろごちそうになった上、途中の風穴を教えていただきました。国道脇の石の間から冷たい風が吹き出していました。
さらに車で付いてきなさいというので言われるまま脇道に入ったら湧水があってでっかいペットボトル3本にその水を汲んでくれてよいおみやげになりました。冷たくておいしいこと。(そのペットボトル、焼酎の空き瓶なんですが、おじさん、飲みっぷりいいですね。(^_^; )
いつもながら新潟の人の親切さは山歩きの楽しさを倍加させてくれます。
雪だるま物産館のシンボル雪だるま で、でけぇ
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雪だるま物産館:
スキー場からほどなく、安塚の手前に雪だるま物産館があります。地元の農産品や手造りの食品などおいしいものがいっぱい。おみやげにかきあられとちまきだんごを買いました。
裏手に雪室がありここで熟成させた日本酒やお米、じゃがいもなどはとてもおいしいということです。
奥の休憩テーブルにお茶と蕗の煮付けが用意されていて無料サービスになっていました。ごちそうさまです。(^_^)
400円のコーヒーもおいしかったです。
全体好ましい積極さで、ここでの休憩は山旅のよい思い出になりそうです。外のどでかい雪だるま人形がご愛敬です。
http://www.461888.jp/
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