日山 ひやま 1057m
阿武隈第2の標高を誇る日山は展望と紅葉と優しい山容で心和みます
前々から行きたい行きたいと思い続けていたのになかなか機会がなかった日山。紅葉時期も終盤になった頃を狙って出かけてきました。
阿武隈の山はどこもそうですが、急登もあまりなく、展望も優れ、何より優しい山容には心和みます。
日山神社
【日程】 2020年11月7日 【山域】 阿武隈 【天候】 晴れ
【アクセス】 道は複雑でナビ頼りで行ったのでどこをどう通過したのやら。(^_^; 磐越道船引三春ICから山間を縫って走ったのですが、風景の記憶では移ヶ岳の西麓を通って国道459に出て田沢から日山登山口の案内に従って田沢登山口までというルートをたどったような気がします。 【駐車地】
パークゴルフ場駐車場を兼ねて数十台は駐車可能です。【コース】
田沢登山口 - 原生林遊歩道 - 水神
- 展望岩 - 節理岩 - 日山 - 展望岩往復
- 胎内くぐり - 移分岐 - 牧場脇休憩所
- 茂原口(旭神社鳥居) - 田沢登山口
行程 3.5時間 初心者向き
【メモ】
アクセスたいへん:
落ち葉を踏んで出発
登山口までがたいへん。ナビなしには行けないかも。
田沢登山口は広い駐車場があって停め放題です。パークゴルフ場があってそちらが人気のようで、そのための駐車場のようです。
日山往復ならさらに先まで車を乗り入れられるようですが私たちは周回なのでこちらから。
登山道は広くよく整備されているので安心です。あたりは紅葉真っ盛り、一面の落ち葉を踏んでうれしいスタートとなりました。
優しい風景:
紅葉真っ盛り
途中、右に日山原生林遊歩道と記された案内板があったのでそちらの脇道へちょっと寄り道してみました。ブナやミズナラの古木が茂っていました。
樹林内には鬼の腰掛け石とか鬼の玉手石とか名付けられた大石や岩塊群などがあり、この先も山全体に大石が見られます。岩石のことはよくわかりませんが、どれも花崗閃緑岩だそうです。
すぐに登山道に戻り紅葉を楽しみながらしばらく登ると少しだけ傾斜もきつくなる頃に左手に牧場を見るようになります。水神様があって湧き水がありますが水量もわずかなもので飲料にはどうやら適さないようです。
このあたりからは展望も開けていかにも阿武隈らしい景観が広がっています。円錐形の山がぽつんぽつんと頭を持ち上げその周囲には牧場が広がり山裾に点在する集落がいくつも見えます。典型的な心和む阿武隈の風景です。
所々に花崗岩の奇岩:
徐々に傾斜も急になって山歩きらしくなり一汗かかされる頃、右手に展望岩が現れます。岩上から少し展望が得られますが、たぶん展望岩と呼び始めた頃とは周囲の樹木の様子は変わってきているのでしょう。残念ながら樹木に邪魔されてほんの一方向だけの展望です。
展望岩を過ぎると傾斜も緩んで尾根道に変わります。もう木々は葉も落として明るい尾根道になっています。
しばらく平坦尾根をたどると左手に斜めに折り重なった節理状の大石が現れます。その岩の隙間にはブナの大樹が根をおろしていて驚異的な生命の強さにびっくりです。
節理状の大石
広い頂上からは大展望:
最後のひと登りで頂上の一角に飛び出します。広い草地が広がっています。
頂上広場に飛び出した地点の左手にでーんと展望台が建っています。さらに左手奥の最高点には日山神社が鎮座しています。
まずは石鳥居をくぐって日山神社参拝。かつては好展望だったようですが現在はやや樹木に邪魔されています。その代わりとして頂上に立派な展望台が建っているということでしょうか。
展望台
展望台に登る前に三角点と展望岩にちょっと寄り道です。
東側に道がありその先が三角点です。特に高みというわけでもなくまた最高点でもありません。1054.2mですから1057mの日山神社の方が標高は高いというわけです。さらに少し下ると大岩があり展望が開けます。ただし頂上ではありませんから見えるのは東の方角だけです。
この三角点手前から葛尾村方面への登山道があります。しかし通行禁止のゲートがあり足を踏み入れることはできません。
「帰還困難地域につき通行止め」ということです。もちろん山地までは除染などしませんからこの先解除される見通しはないはずです。こんなところにも原発事故の影響があるのかと暗澹とした気持ちになった日山の山頂でした。
頂上広場に戻り早速展望台に登って阿武隈の大展望を。
なんという展望でしょう。まず目につくのは東北主脈の吾妻連峰、安達太良山。目を左に移すと阿武隈の山々がずらり並んでいます。お隣の移ヶ岳、ちょこんと尖った鎌倉岳、アンテナが林立する大滝根山、振り返ると羽山、遠く目を凝らすと那須の山や二岐山まで視界の中です。充分に展望を楽しんでから広場の一角にあるベンチでゆっくり昼食にしました。
お隣の羽山
下山尾根:
下山尾根の紅葉
下山は茂原登山口を目指してなだらかな尾根道をとりました。
トイレ脇からスタートというなんだかなぁのスタートですがすぐに落葉樹のきれいな尾根になります。
頂上の南端には石鳥居があって旭神社が鎮座しています。
下り始めてすぐに胎内くぐり岩への分岐があるので当然そちらへ。大岩が折り重なった隙間をくぐることができます。けっこう余裕の穴なので贅肉満載の腹をかかえていますが簡単に通り抜けることができました。下山尾根ではここの胎内くぐり岩あたりだけが急斜面ですぐに平坦尾根となります。あとは鼻歌混じりで紅葉を楽しみながらルンルン気分で茂原口まで下るだけ。
展望こそありませんが道はよく踏まれていてスタスタと足もはかどります。
途中、気持ちのよい平地がありカラマツ、マユミ、ミズナラなどが疎林を形成していてのんびり気分になれます。ガイドブックなどにはなんの情報もなかったのですが下山後看板地図をみたら天王平と記されていました。このコースを歩けば必ず通るわけですがもっと知られてほしい場所です。(山麓の天王平という地名とは別です。)
気分のよい平坦尾根(天王平) 真っ赤な実のマユミが印象的
さらに下って移方面への道を分け牧場脇の休憩所で展望を楽しんだら茂原口までわずかです。
茂原口からは舗装道を戻りますが明るい茅場の中の道でのんびり歩けば阿武隈の良さを最後まで楽しむことができます。
日山の花 クリックで拡大
ノコンギク
ツルウメモドキ【収穫】 3片 10g (^_^; 【便利帳】 コンビニ:高速道を下りて国道に出てすぐ。
トイレ:駐車場、頂上。頂上トイレはあまりきれいとは言えません。