【メモ】 |
1998−5−31:
草倉沢・笹尾根:
駐車場からそのまままっすぐ進んで沢に降りるといきなりミズバショウのお出迎え。
花咲湿原
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沢から登り返すと気分の良い笹原で、東屋がよい休憩地点になっていました。まだ休憩するほど歩いてませんけど。付近から見上げる上州武尊山は雄大でした。東には袈裟丸山、皇海山、錫ヶ岳、日光白根山と続く両毛国境の山脈が連なっていました。
一旦下って林道を横切りましたが、ここまでクルマで入ることも可能です。
湿原は3つ:
沢を越えるといよいよブナとダケカンバの森。とりわけダケカンバの巨木が目立ちます。
やがて花咲(はなさく)湿原に飛び出し、そこはミズバショウ、リュウキンカなどがちょうど花盛り。明るい印象のする湿原でした。
さらに進むと途中小さな湿地があり、ここに時期が10日ほど早すぎましたがヒメカイウのかわいい花が数輪咲いていました。ミズバショウをそのまま1/10に小さくしたような愛らしい姿です。
そこからすぐに武尊田代湿原に出ます。やや大きな湿原ですが花咲湿原に比べやや乾燥が進んでいるようでレンゲツツジやツゲなどが侵出していました。この周囲はブナの森の花々が多く咲いていて図鑑を開くのに忙しいくらいです。ミヤマカタバミ、ツバメオモト、サンカヨウ、カニコウモリなど名前は聞いていても実際はなかなか逢えない森の花に逢うことができました。ここまでは照葉峡の武尊自然休養村から来る人も多いらしくいくつかのグループが休んでいました。
ブナの森をたどる水平道:
湿原をから水平道に進むと圧倒されんばかりのブナの森。いかにも森の奥深く踏み込んだ感じがしました。次から次へと深い森に似つかわしい亜高山性の花たちが現れてなかなか足がはかどりません。ネマガリダケを数本失敬して、お昼に茹でていただきましたが、そのおいしいこと。
牧場はレンゲツツジいっぱい:
頂上を目指す登山道の分岐からだらだらと下って武尊牧場に出れば最後を飾るレンゲツツジが3分咲きで迎えてくれました。
湿原の花:
ミズバショウ、リュウキンカ、ハクサンチドリ、ワタスゲ、ヒメカイウ
森の花:
コミヤマカタバミ、ベニバナイチヤクソウ、ユキザサ、マイズルソウ
エンレイソウ、ツバメオモト、サンカヨウ
2000−10−22:
東俣駐車場:
武尊牧場への道を牧場手前の逢瀬橋を渡ったら右折、そのままたどると東俣駐車場です。
この林道は右下に東俣沢を見下ろす渓谷沿いの舗装道で谷筋の紅葉が真っ盛りでした。とりわけカツラの鮮やかな黄色が印象的でした。
駐車場は折悪しく群馬県の自然保護協会の観察会とかちあってしまって満車状態。仕方なく下の道路に停めました。
笹尾根:
東俣沢を越えてダラダラ登りで高みに上がるとそこは笹尾根の展望地。立派な東屋が建っています。
天候に恵まれれば前面に武尊の峰々が横たわり振り返れば日光足尾の連山が雄大に広がっているのですが、すべて雲の中。今しがた後にした駐車場が見下ろせてかなりの高度を稼いだことが知れます。
江戸沢の紅葉:
色づく江戸沢
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尾根を乗っ越すと江戸沢筋となります。ここは樹種が多彩でそれぞれが紅葉真っ盛り。斜面が色とりどりの綾となって曇天にもかかわらず輝いていました。一同大歓声です。
2つの湿原:
一旦林道を突っ切って、しばらくダケカンバ帯をダラダラと登って行くと突然小さな湿原に飛び出します。花咲湿原です。麓の花咲集落に倣ってか「はなさく」と呼びます。ミズバショウ、ミヤマトリカブト、アキノキリンソウなどが立ち枯れて、草紅葉も終わっていました。
ここを抜けるといよいよブナの巨樹が目立つようになります。この一帯の一面のチシマザサの林床は春にはタケノコの宝庫となります。
初夏には愛くるしい白花を一斉に見せるヒメカイウの群生地脇を通って、やがて武尊田代。歩道はぐるり一周しますが湿原を眺められるのは出合いの木橋の上だけで、ほとんどは樹木に遮られています。
最奥に心地よい広場があり、ここから湯ノ小屋奥の木の根駐車場までの歩道が分かれます。木の根駐車場からなら簡単にここまでたどり着けるため、たくさんのみなさんがお弁当をひろげていました。
圧倒されるブナの森:
落ち葉ふかふかブナの道
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湿原をあとにして武尊頂上登山コース分岐へたどる道に入るとさらに深いブナの森となります。この辺りは紅葉もやや過ぎて、平坦な登山道は落ち葉で埋まりふかふかの優しい道となっていました。何という心地よさ。
やがて頂上からの道を合わせてやや高度を下げると、また錦秋の森となりました。これほどの華やかさにはそう滅多に会えるものではありません。ずっと紅葉の中を歩いて見飽きているのに、さらにさらに歓声です。
そのままいきなり牧場に飛び出すと、そこは白樺と真っ赤なナナカマドと渋い色合いのレンゲツツジのコントラストにまた歓声。最後の最後まで楽しさをしつらえてくれます。
平坦な割には案外歩き甲斐のあるコースで、心地よい疲れを味わいました。
駐車場でひととき休んでから、鮮やかな秋のブナの森をあとに、錦秋の谷の林道をまた飽きもせず歓声を上げながら山を下りました。
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