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泉ヶ岳 いずみがたけ 1171.9m

仙台市民にこよなく愛されている

仙台の山と言えばそれはもちろん泉ヶ岳です。仙台市民にこよなく愛されている山で多少とも野外遊びをする市民なら必ず登った経験があるはずです。
とは言え、やはり東北の山ですから冬は厳しく一般のハイカーが登るには雪解けを待たなければなりません。例年連休前あたりがその季節です。しかし、例外的に雪の少なかった今年は4月というのにすっかり雪も消えたという情報を得て出かけてみました。


      泉ヶ岳頂上 周辺にはわずかに雪が残っていました
     後白髪山(うしろしらひげやま)、三峰山、船形山
【日程】 2016年4月16日
【山域】 仙台
【天候】 快晴

【アクセス】 東北道泉PAのETC出口から県道35に出て(右折)さらに国道457号で右折、少し走ってから県道223へ左折。そのまま泉ヶ岳スキー場まで。
道は少し複雑ですが要所に道路案内があります。
【駐車地】
スキー場前に大駐車場。
100台くらい駐車していましたがそれでもまだまだ余裕があります。
【コース】
駐車場 - スキー場(かもしかコース) - 兎平 - 岡沼 - 泉ヶ岳 - 賽の河原 - 水神 - 駐車場

全行程 3.5時間 一般向き
【メモ】
泉ヶ岳スキー場のゲレンデを登る
気まぐれで転戦:
最初は福島の山を計画していましたが仙台周辺の山ももう雪が解けたというので気が変わってなつかしい泉ヶ岳に登る気になり遠路車を走らせました。
昔、幾度となく登った山ですがそれはもう昔のことで、すっかり様変わりしていても当然です。泉ヶ岳を示す道路案内が要所にあったおかげでなんなくたどりつけましたが気分的には初めての場所に来たのと変わりません。
快適な道路のまま泉ヶ岳スキー場の駐車場へ。わっ、たくさんの車が。でも心配は無用、やたらでっかい駐車場でまだまだ余裕です。周辺は良く整備されていて周囲に桜がたくさん植えられています。満開の時はさぞや見事でしょうが、しかし今はまだつぼみが膨らんだ程度です。
身支度を調えてまずはかもしかコースと呼ばれているゲレンデからのコースを登ります。芝草の中に点々とフキノトウが見られますがどれも先客が摘んだあとでした。
徐々に傾斜がきつくなり最上端まで登り着くと既に標高差200mをこなしたことになります。ここでほぼ登りの1/3が終わってしまいました。
振り返ると仙台近郊を眼下に見下ろせます。仙台の北部と西部は広大な台地だということが一目でよくわかります。ユアテックスタジアムやシェルコム仙台が銀色に輝いていました。


兎平と泉ヶ岳
兎平:
ゲレンデが終わるとやっと山らしくなります。
すぐに樹林を抜けて平坦地に出ます。見たところは平坦地ですが地形図を見ると実際は凹地になっているようです。ここが兎平です。
笹原あるいは草原が広がって気分の良い別天地です。周囲はアカマツ、ダケカンバなどの林に囲まれ、そして眼前にはどーんと泉ヶ岳が聳えています。なかなか立派な姿です。
のんびり昼寝でもしたいところですがあの頂上まで登らなければならないので先を急がないと。

岡沼:
兎平から小さな尾根を越えるとまた目の前に草原が現れます。岡沼です。こちらは見ただけで凹地だとわかります。
岡沼
雪解けの時期は池が出現するのですが雪解けからしばらく経った今はほんのわずかに水たまり状に残っているばかりです。
岡沼までは少し下りになりますがその斜面にショウジョウバカマがたくさん咲いていました。
雪解け時に池となる場所まで下るとそこは湿地とまでは言えませんが兎平に比べると地面がやや湿り気を帯びています。ゆっくり草地に腰を下ろすというわけにはいきません。
ここでも兎平と同じように泉ヶ岳が前方にどっかりと立ちはだかっています。見上げただけでもまだまだかなりの標高を登らなければならないことがわかります。ここまで比較的緩やかな登りでしたので最後に帳尻合わせの急登が待っているはずです。
岡沼からいよいよ本格的な登りとなります。しばらくは我慢の急登です。
ブナやシデが目立ち、それらに混じって数は少ないながらマンサクの花が満開でした。
頂上が近づいてくると周囲の樹木も灌木に代わり背後の展望が開けます。仙台の街が一望です。さすが東北の中核都市、ビルが林立しています。そんな大都市のすぐ近くにこんなに自然の残る楽しい山があるなんて仙台の市民はうらやましい限りです。
左手奥には七つ森、松島、石巻湾の先に牡鹿半島までうっすらと見えていました。快晴ではあってもやや靄がかかってくっきりとした展望が得られないのが残念です。

泉ヶ岳: 
仙台市街

傾斜が緩むと滑降コースからの道を合わせほどなく頂上です。鋳鉄製の祠、山名板、二等三角点がありますが、木々に囲まれて展望は得られません。
小広い頂上一帯は少しぬかるんでいますが(周囲にはまだ少し雪が残っていました。)大きな石がいくつも頭を出しているので腰掛けるにはちょうどうまい具合です。ここで風の当たらない場所を選んでゆっくり昼食としました。
ときおり北泉ヶ岳を目指すハイカーあるいはそちらから来るハイカーが通り過ぎていきます。北泉ヶ岳から来るハイカーは靴が泥だらけですのできっとまだ雪が残ってぬかるんでいるのかもしれません。


大東岳、南面白山
水神コースで下山:
下山は水神コースにしました。
わずかに下ると裸地が現れ前方に素晴らしい景観が広がっています。
前方に蔵王の山々、その右手前に大東岳と面白山、その右ほぼ西の方角に後白髪山、さらには船形山、それぞれまだまだ雪が残って白く輝いています。そして遠方にはなんと飯豊山と朝日連峰が白く横たわっています。東北の名だたる山々が一望でなかなか得難い展望です。
展望地からは落葉樹の中を下ります。まだ春の花には早いようでときおりカタクリが見られるくらいで花好きには少し寂しい道ではあります。
やや傾斜が緩んで来て北泉ヶ岳から下山してくるハイカーの声が聞こえてきたと思ったら水神に降り着きました。大きな水神の碑が建っています。
水神からはキクザキイチゲがそこかしこに咲く広い道になりのんびり歩けます。スミレやカタクリ、さらにはニリンソウも顔を出していますがどれもぽつりぽつりという感じで花の道というほどではありません。
しばらく平坦道をたどって駐車場に戻り着きました。

    水神

     カタクリ

ミズバショウ群生地:
ミズバショウ群生地
 

駐車場の脇にミズバショウ群生地の案内板があったので行ってみることに。
すぐ先かと思ったら意外に遠くて10分ほど歩くことになりました。途中車道と2回ほど交差してその先に遊歩木道のある湿地がありました。水芭蕉群落がちょうど満開になったばかりでした。やや小振りの純白の花がそれはきれいに咲き競っていました。
この湿地の入口まで車道が通じているのでそちらから回れば歩かずに見られます。


泉ヶ岳の花(クリックで拡大)

  カタクリ

  キクザキイチゲ

 ショウジョウバカマ 

  ミズバショウ
【便利帳】 コンビニ:国道457号から県道223に入る付近にコンビニ。
【収穫】(^_^;  52片 290g
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