【メモ】 |
小浜コース尾根末端断崖
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2011-4-10
海からスタート:
駐車地から見上げると山と言うより海岸の断崖という感じです。その断崖から一筋小滝が流れ落ちていますが、海風に煽られて途中で水滴となり空に舞っていました。
この荒涼とした景観はちょっと日本的風景とは趣を異にしていて、このルートがきっと豪快な登路だと期待を抱かせてくれます。
登路は駐車地入り口からほんのわずか谷を進んですぐに右の斜面に取り付きます。歩き出しからいきなりふくらはぎが突っ張るような急登です。
常に強風にさらされているためか樹木は育たずカヤトの尾根となっています。遮るものなしの日本海の景観はちょっと普段とは異質な山登りの感があります。
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きれいな樹林の尾根:
徐々に高度を上げるに従ってカヤトから樹林になります。樹種はわかりませんが同種の樹が多いきれいな樹林です。
さらに登るにつれて海岸の影響もなくなって見慣れた落葉樹林になるとカタクリの群落がお出迎えです。前夜までの雨と朝の曇天とでまだ勢いよく花を開いてはいず多くは花を閉じてうつむいています。薄日も差してきていることでもあり、下山するころには全山カタクリのあでやかな花で包まれるはずです。
この尾根は隣の灯台コースが雪割草(ミスミソウ)が咲き乱れるのに対しわずかにその姿を見るのみです。ほんのわずかな環境の差が植生に大きな影響を与えていることが見て取れます。とりわけミスミソウは環境の変化に影響を受けやすいのかも知れません。
カタクリやわずかなミスミソウの他にキクザキイチリンソウなども見られます。樹の花ですがアブラチャンが黄色の霞のようにたくさん咲いていました。ただ1輪でしたが仲間がコシノコバイモを見つけて大喜びでした。 |

小浜コース尾根の樹林 |

一面のカタクリの間を縫う登山道 |
いつものことながら大混雑の頂上:
頂上のハイカー
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カタクリを楽しみながらなだらかな尾根を登るとやがて灯台コースとの合流点に達します。小浜コースと灯台コースは至近で平行に走っていますので賑やかな声は聞こえていましたが、小浜コース自体はハイカーもちらほら行き会う程度の静かな尾根でした。しかし合流するやたちまちハイカーの行き交いが多くなり、すぐ先で五ヶ峠からの道を合わせると人の列になりました。
おまけに雪が解けかかった粘土質の尾根道はオーバーユースもあって泥んこ道と化していて、滑らないようにと皆さんおっかなびっくりですから余計混雑してしまいます。
しかしそれもわずか数百メートルほどで頂上です。頂上はすでにお花見状態。芝生再生のための立ち入り禁止ロープなどすっかり無視されているようです。
そんな混雑の頂上は素通りしてそのままだらだらと下っていくと突然展望が開け越後平野が一望の向陽台。ここもたくさんのハイカーが休んでいました。
あいにく靄って期待した岳望は得られませんでしたが米どころ越後平野の広がりはなかなかの景観です。展望のよい最前列に陣取って広大な眺めを楽しみながら昼食にしました。
ここは稲島コースが頂稜部の一角にたどり着く地点でこちらから登り着くハイカーも多いようです。もっとも効率のよい登路だそうで、その分急登らしく皆さん大汗をかきながら登ってきます。
下山は先ほどの灯台コースと小浜コースの合流点まで戻り、今度は灯台コースへと方向を右に取りしばらくアブラチャンのきれいな平坦尾根をたどります。
傾斜が始まるといよいよ花の尾根です。 |
灯台コースは花、花、花:
まずはカタクリ群落が現れます。小浜コースでもカタクリは大群落でしたが、ここではさらに規模も大きく密度も濃い群落です。左右両斜面ともカタクリで埋まっています。午前中より日差しも強くなってきたせいで一斉に花を開いてきたようです。
新潟のカタクリは関東のそれと比べて花色が濃く花の大きさも一回り大きいようです。
道脇までびっしり無造作に咲き乱れているのを見ると、関東の群生地の多くが柵の中で保護されているのがなかば栽培地と思えるほどです。2カ所ほど白花のカタクリが咲いていました。
カタクリの他にもコシノカンアオイ、キクザキイチリンソウ、オウレン、ショウジョウバカマ、スミレサイシンなども見られました。
下るほどに花の数も増していよいよお目当ての雪割草(ミスミソウ)も姿を現しました。最初は白花ばかりでしたが個体数が多くなるにつれて花色もりピンク、紫、青と多彩になってまさに雪割草の乱舞というにふさわしい楽しい道となりました。
雪割草は実に不思議な植物で色も花の姿も多彩で、同じ花色でもその濃淡が微妙に変化していてそれぞれの個体がすべて違っているといってもいいくらいで、また花びらの形状や花の大きさもそれぞれみんな異なっています。
そんな花色の変化を楽しみながらあそこにブルーがあった、ここにピンクがあったとパチリパチリとやるのでなかなか歩が進みません。

灯台を目指して下山(あまな氏撮影) |
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最後まで楽しい灯台コース:
キツネノカミソリ群落
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灯台コースでは以前より雪割草の分布が広がって個体数も増えた印象を持ちました。標高の低い位置まで降りてきた感じです。盗掘や踏み荒らしなどが減ったことが理由なら嬉しいですね。
樹々が風衝帯特有の枝ぶりになって灌木になると一気に海の展望が広がって風も海風の香りがします。尾根道は露岩帯で最後の休憩にちょうどよい場所を提供しています。みさなん三々五々岩に腰を下ろして最後の登降を前に休んでいました。
この露岩帯の景観はやはりコース随一で、遠く海原に目をやれば佐渡が大きく横たわっています。なんと勇壮な景観。
しかし疲れの出てきた足に岩角の多い露岩は油断なりません。この日も転倒したらしい女性がいらっしゃって救急隊が出動しました。
一休みしてからそのまま灯台まで下る仲間を送り出して途中から車を回収するため小浜コース駐車地へ直接下る踏み跡をとりました。ヤブツバキがきれいな斜面で途中から一面のキツネノカミソリ群落となりました。林床をびっしり埋めたキツネノカミソリ、開花時の見事さはどんなでしょう。
やがて沢筋に下り立ち、そのまま沢伝いにわずか下ると駐車地に戻れました。 |
2016-4-2

越後平野と飯豊連峰 |
異常な季節:
極端に雪の少ない冬でしたので春の花の開花期を見定めるのがたいへん難しくしばらくは悩ましい季節になりそうです。
角田山の雪割草やカタクリも例に漏れずいつもは10日前後に出かけるのを早めて2日にしたというのに既に遅れ気味でした。
しかし天候は今までで一番ではないかという快晴で、曇天の関東から谷川トンネルを抜けたらぱぁっと青空が広がっていました。それにしても異常なほどの雪の少なさ。トンネルを出てすぐの土樽あたりは例年雪に埋もれているのに今年は所々雪が残っている程度です。
アプローチも登山コースも前回そのまま、豪快な海からの登りと海への下山、そして花、花、花の角田山を堪能しました。
雪割草はもう時期的に遅くて標高の高い場所では終わっていました。しかし海風の吹き付ける標高の低い場所ではまだまだ花盛りでいろいろの花のバリエーションを楽しめました。
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2021-4-3
小浜
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いつものコースにいつもの花:
花期にドンピシャでした。
とりわけカタクリは当たり年のようです。小浜コースはカタクリに埋もれていました。行けども行けどもカタクリの花。
残念ながら雪割草は小浜コースでは見ることはできません。尾根の方向も海との距離も似たような灯台コースや桜尾根コースでは次々姿を見せるのに、ここ小浜コースでは姿を見せてくれません。自然環境の微妙さを感じます。
頂上付近で深紅に近い花色の雪割草を見ました。下山の灯台コースでは最後の岩場にまで咲き誇っていました。 |

カタクリ群落 |
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【便利帳】 |
トイレ:頂上、角田浜駐車場
頂上のトイレはこの季節は管理していないらしく恐ろしい状態になっていました。
やはり使用者の注意だけでは無理なのかも。
むしろ頂上先の展望地手前の見た目みすぼらしいトイレの方がマシです。 |
【寄り道】 |
巻の北西はずれ、ブルボンの工場近くにお菓子のプレジール
巻ルーロ、絶品です。シュークリーム、絶品です。甘さをしっかり抑えているのでとても上品な味です。絶対オススメ。
巻ルーロはロールケーキです。
巻いてあるからじゃないです。地名の巻です、たぶん。
ロールをひっくり返してルーロじゃないです。ロールをフランス語で rouleauです、たぶん。
ですから巻ルーロは巻巻。(^_^; |
【収穫】(^_^; |
2011-4-10 45片 390g
2016-4-2 15片 20g
2021-4-3 4片 10g |