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かまど倉(556.6m) 10年を経て大岩壁も迫力がいまひとつ

久しぶりに鹿沼のカマド倉を歩いて来ました。最近は川化林道から送電線巡視のためのしっかりした道ができて人も入るようになった様ですが、以前は大岩壁を前に行きつ戻りつしながらルートを探すけっこう登り応えのある豪快な山でした。もっとも川化から登って頂上往復では肝心の「かまど」の大岩壁を実感できないわけで、ただの凡庸な低山になってしまいそうです。やはり引田橋から登り詰めてこそのカマド倉ではないでしょうか。
引田橋からのルートは2つ。ともに引田橋から釣り池を右にしてかまどを仰ぎ見ながら突っ込んでいくのですが、右ルートは墓地脇から、左ルートは人家の裏手に回って木馬道をたどるものです。
今回は標識に従って左ルートをとりましたが、以前は杉の美林に覆われていたこのコースも数年前の台風と雪害のためか目を覆うばかりの荒れようで、初心者の仲間を交えての急登はかなり難儀でした。山の荒れるのはあっという間ですね。苦労の割にはあまりおすすめの山とは言い難いみたいです。
(一般ハイキングコースではありません。)

【日程】 2002年3月10日
【山域】 鹿沼
【天候】
【地図】 1/25000文挟
【アクセス】 鹿沼から大芦川に沿った古峰ヶ原への道を走ると引田橋を渡ります。橋を渡ってすぐ橋のたもとを戻るように右折すると小広い堤防上の行き止まりになります。目の前に釣り池があります。
【駐車地】 この堤防上に駐車可能ですが、帰りのことも考えると2台の車で出かけて下山地にデポするか、あるいは鹿沼から古峰ヶ原行きバスで来て帰りは板荷から電車利用とするか、いずれにしても反対側に下山することになるので工夫が必要です。
【コース】 引田橋−人家裏手登山道−かまど基部−小尾根−主尾根−最初の展望台−かまど倉(三角点)
−送電鉄塔−川化山−林道 (実行程4時間程度)

     


         引田橋よりかまど倉山頂

【メモ】 荒れるに任せる登路:
引田橋から人家の裏手に回り込み木馬道を登ります。腐って危なっかしい木馬道で2,3人がボキッとやって小沢に転び落ちたりして先が案じられるスタートとなりました。
杉の大木があちこちでバッキリ裂けたり折れたりして道を塞いで歩きにくいこと。
登るほどに急峻となって大岩が現れると道形もすっかり消え、あとは記憶を頼りに藪の薄い斜面を強引に登るしかありませんでした。同じ藪でも美しい雑木林と違いここは荒れ放題で品のない藪でどうも楽しい気分にはなれません。おまけに杉花粉で空気がモワッと黄色がかっていて、アレルギーの仲間たち数人はくしゃみと涙でぐしゃぐしゃに。

いよいよかまどの真下:
枝を頼りに藪とガレの急斜面を登り切ると絶壁に阻まれました。ここがかまどの真下というわけです。ここから一旦岩壁の基部を右にルートをとって小尾根に登り着きます。最初に右ルートを採ってもここの尾根で一緒になります。ここから踏み跡に沿って岩壁の基部をぐるっと回り込み主尾根に登り着きました。かなりの急登ですが、ここは林相もやっと落ち着いてとても気分の良い林です。

大展望のはずが:
尾根を戻るようにして最初の展望台に着くとそこは東に鹿沼方面の展望が広がっています。
でも木々が成長して周囲を覆ってしまい以前のように足のすくむ大展望とはいえません。一部伐採されているものの迫力はすっかり失せてしまいました。
さらに南にわずか進むとかまど倉頂上。その先にも石祠のある展望台がありますが、ここも先ほどの展望台と同じような状況です。
ここから先ほど登り着いた地点に戻りさらに北に尾根通しにたどると笹藪の中に送電鉄塔が建っています。草地となって休憩にちょうど良いポイントです。笹の葉越しに羽賀場山が大きく望まれます。ただここも笹が繁茂して以前の様な展望は無くなっていました。

川化山まで縦走:
送電鉄塔からは川化林道に下るしっかりした道がついていますので少しこれをたどり、左が植林地になったところで適当に尾根に戻ります。最初あやふやな道形も尾根に出るとしっかりして来て、あとは岩混じりの尾根を忠実にたどるだけ。
展望はあまりありませんが、ところどころきれいな雑木の広がりや小気味よい岩稜もあって、けっこう楽しい道でした。ガイドブックによっては川化山までは岩稜で危険という記述も見受けられますが、下山のルートファインディングにとまどうことはあってもそれほどのコースではないような気もします。
川化山は小さな手製の標識が木にぶら下がっているだけのなんの変哲もないただのピークで、木の間越しに周囲の岩壁が見えるものの帰路から見上げた印象とは違いあまり迫力はありません。

下山は適当に下ればいずれは林道に:
川化山からやや左に方向を変えて木の根頼りの急下降をするとやがて歩きやすい植林地になります。道ははっきりしないもののどこを下りてもかまわないきれいな林床で、今回は赤テープに従って急な斜面を強引に下りたら新しい林道に出ました。この尾根は左右に林道が上がってきていますし、穏やかな尾根なのでどのようにルートをとってもいずれは林道に出くわすはずです。来るたびに違う下山路となってしまって定まりません。
林道に出るとあとは川化までのんびり散策気分でした。