目次
鎌倉岳(常葉)967m 五十人山883m 大展望と緑のシャワー
新緑の鎌倉岳(常葉)と五十人山に行ってきました。
鎌倉岳では阿武隈の名峰と呼ぶにふさわしい大展望を存分に楽しみました。さすが人気の山、たくさんのハイカーに会いました。とはいっても阿武隈のこと、首都圏の山に比べれば静かなこと、時たま挨拶する程度の程良いにぎわいです。
五十人山は雪の季節に一度歩いたことがありますが、雪に覆われていても意外に優しい景観で、好ましい思い出として記憶に鮮やかに残っています。今回はこの山が最も輝く季節でしたのでさらにゆったりと穏やかなとても気分よいひとときを過ごすことができました。こちらはこんな素晴らしい山なのにとても静かで、広い草原の頂上は2,3グループだけでもったいないくらいでした。

  山根より鎌倉岳

    五十人山頂上草原より第2峰

【日程】 2001年5月4日
【山域】 阿武隈山地
【天候】
【地図】 1/25000常葉
【アクセス】 磐越道船引三春ICから国道288号を東に。(出口から国道に出たら右折)
鎌倉岳:船引、常葉の町を通過して山根小学校先で左折して国道を離れ鎌倉岳の西の登山口、中野区常葉少年自然の家まで。
五十人山:岩井沢のガソリンスタンドのその次の道を左折。持藤田に向かって進むと登山口旧駐車場がありますがさらにすすんで五十人山標識に従って右折、キャンプ場まで。
【駐車地】 鎌倉岳:自然の家の下に広い駐車場
五十人山:キャンプ場
【コース】 常葉=山根小学校=鰍・中野区常葉少年自然の家−採石場あと−鎌倉岳(往復)
=五十人山キャンプ場−五十人山(往復)
(一般向き)

【メモ】 新緑の常葉町:
国道288号は新緑に包まれて春まっただ中。里山は淡い緑の芽吹き、山裾にはさらさらと小川の流れ、阿武隈はどこもこんな景色ですがなんともゆったりとした日本の春という感じでした。山に登らずとも、このあたりを歩くだけでも充分満足してしまいそうです。
山根小学校先で左折して国道を離れるとこれも阿武隈特有の山裾を縫うように走る生活道路をたどって鎌倉岳の西の登山口、中野区常葉少年自然の家にたどり着きます。自然の家の下の広い駐車場に置かせていただきました。
ちょっと道が錯綜するのでわかりにくいときはムシムシランドの看板をたどれば大丈夫。ちなみに地元ではカブトムシ、クワガタの養殖が盛んだそうです。

採石場あとまでは植林地:
少年自然の家から登山道が始まります。杉、檜の植林地であまり展望もありませんでしたがスミレ、ヤマブキ、シロバナエンレイソウ、ワダソウ、ニリンソウ、ヒトリシズカ、次から次と春の花が顔を見せてくれる楽しい道でした。

採石場から急登:
萩平からの道を合わせるとほどなく採石場あとの広場で、岩が頭上にのしかかるように立ち
鎌倉岳頂上より殿上山、移ケ岳、遠く安達太良山を望む
はだかっています。わき水もあって一休みにはちょうど良い場所でした。
ここから大岩や木の根を乗り越えながら一気に頂上まで急登が続いていました。いよいよ緑は淡くなり、その中に点々とミツバツツジが鮮やかに咲いていました。
やがて左に回り込む様に最後の急登を梯子を頼りに登り切れば一気に眺望が開け、360度の大展望をわが物に。ぐるりみんな阿武隈。当たり前ですけど。
自分のいる頂上と隣の第2峰は岩の重なるちょっぴり豪快な小気味いい頂ですが、周囲はどれも相似の円錐型をした阿武隈特有の山々です。
優美な移が岳、日山(天王山)、意外に大きい麓山、これから行こうとしている五十人山、でっかい根張りの大滝根山など同定に忙しく、さらに遠くに目をやれば雪を残した安達太良山が輝いていました。
阿武隈山地のど真ん中に立っているのだと思うとなんとも嬉しい気分。
1時間でも2時間でも展望を楽しんでいたいところですが隣の五十人山にも登ろうという計画ですから、やむなく小休止だけで下山しました。
下山して山麓の山根から見上げる鎌倉岳は急峻で立派な姿でした。

五十人山は緑のシャワー:
むせるような緑の中を登る
再び車に乗り五十人山へ。わずかな距離ですが、この高原道路は緑いっぱいで底抜けに明るく、雪の季節とのあまりの変貌にとまどってしまいます。
登山口の林道終点は小綺麗なキャンプ場になっています。きっと夏休みなどは地元の子供達で賑わうのでしょうが今は誰もいません。小さな沢は勢いよく流れ、あたりは新緑が目に痛いほどで道ばたや林床には春の花がたくさん咲いていました。こんな素晴らしい場所にだれもいないなんてなんとももったいない限りです。

広々した頂上:
ダラダラと登っていくとひょっこり頂上の広大な草原に飛び出しました。この五十人山は双耳峰でその鞍部が草原となっているのです。西の三角点峰は巨大アンテナがあって登る気になりませんので、東の頂上に登りました。
累々と大岩が重なって不思議な景観です。また一帯はあちこち灌木の中から大岩がひょこひょこ顔を出して、それがあたかも50人の兵士に見えます。興味深い山名の由来には諸説あるようですが私の直感はこれです。
大岩の上に立てば先ほど登った鎌倉岳をはじめ大展望が広がっていました。
目の下には草原がひろがりおおらかでのんびりとした景観に気持ちもゆったりしてしまいます。
草原まで戻りおおきなミズナラの下でゆっくりお昼寝タイムとしました。ここはどこで寝ころぼうと自由です。春の風がじつに爽快でした。小さな茂みの下にはスズランのつぼみが膨らんでいました。かつてここはスズランの群生地だったそうです。


楽しい仲間との阿武隈行はのんびりゆったり、とても印象深いものとなりました。
【便利帳】

トイレ:中野区常葉少年自然の家でお借りできます。