鎌倉山 かまくらやま 216m
足下を流れる那珂川の清流とどこまでも続く丘陵の景観
2009−1−25
栃木県と茨城県の県境一帯にはこれといって目立つ山はあまりありませんが、どこまでも続く丘陵地帯のおだやかで優しい眺めは心を和ませてくれます。
鎌倉山はそんなゆったりした丘陵にあって珍しく断崖をまとった険しい山容の山です。標高こそ200mそこそこですが断崖上に立って眼下の那珂川の清流を見下ろす気分は格別です。
また那珂川とは反対側の南の山麓には高原状の地形が広がり冬の陽だまりの中にたたずむ山村風景には心和みます。
なお最寄りの真岡鉄道茂木駅まで休日には蒸気機関車が走ります。ハイキングとセットで計画するのも楽しそうです。
2014−3−8(こちら)
益子の山を歩いて時間がたっぷり余ったのでちょっと遠いですが鎌倉山まで足を延ばしました。
どこまでも続く丘陵の眺めは栃木県・茨城県の県境周辺の独特な景観で、棚田風景やのどかな山村風景を楽しみながら冬陽を浴びながら歩くのは至福のひとときです。
2020−12−5(こちら)
久しぶりに再訪しましたが、前回駐車させていただいた茂木ふるさとセンターは解体中でした。前年の台風19号による被害から再建ならなかったようで、このまま廃止となるようです
また、鎌倉山から鷹の巣、鷲の巣に続く歩道は倒木が多いとのことで通行禁止となっていました。
【日程】 2009年1月25日
2014年3月8日(こちら)
2020年12月5日(こちら)【山域】 那珂川 【天候】 2009、2014快晴 2020曇り
【アクセス】 茂木町から国道123号、地方道那須黒羽茂木線を経由して大藤橋で那珂川を越えたら左折して大瀬橋へ。
大瀬橋の先で鋭角に戻るように左折して大瀬橋をくぐって回り込むと茂木ふるさとセンター。
(追記:ふるさとセンターは2020-12現在解体中です。2019年台風19号による浸水被害を最後にこのまま廃止となるようです。)【駐車地】 ふるさとセンター跡地から50mほど先の大瀬観光やな入り口を入るとすぐに大瀬菜の花トイレがありその前に駐車場があります。
大瀬観光やなの駐車場入り口に設置した駐車禁止の看板がありますがここは大瀬観光やなの駐車場ではありませんので駐車可能です。(とても紛らわしい看板でおまけに強い調子なので停めようかどうしようか迷いましたが先に到着した車の方に聞いたらこちらは町営だと確認済みとのことでした。)
【コース】 2009-1-25
ふるさとセンター − 登山口 − 展望台 − 山頂(広場) − 頂上(最高点 往復) − 舗装道 − 鷹ノ巣分岐
− 鷹ノ巣 − キャンプ場 − 鷲の巣 − 後郷(うらごう) − 林道 − ふるさとセンター
約3.5時間 初心者向き
2014-3-8、2020-12-5
ふるさとセンター − 登山口 − 展望台 − 山頂(広場) − 頂上(最高点 往復) − 舗装道 − 鷹ノ巣分岐
− ふるさとセンター
約2時間 ファミリー向き(ただし登路は断崖上あり)
山頂広場
鎌倉山展望台から那珂川・大瀬橋を見下ろす
鷲の巣から鎌倉山展望台を見上げる
【メモ】 2009−1−25
登山口:
茂木ふるさとセンターに大きな駐車場がありここからスタートとなります。やなの季節にはかなり賑わうのでしょうがこの寒い季節は休館となっているようです。
入山点の滝
登山口手前にはナメ滝があります。それがちょうどミニ袋田の滝と呼びたいような小さいながら袋田の滝と相似形のきれいな滝です。
橋を渡るといきなり急登です。道はよく整備されて危険はありませんが左側は断崖で樹間に那珂川を見下ろすことができます。川底まで見えるほどの清流です。
展望台:
一汗かいて傾斜が緩むと岩棚に飛び出します。眼下に蛇行する那珂川と麓の民家や畑、目を上げれば県境の丘陵地が大きく広がっています。
うねうねと続く山々は素晴らしい景観ですが、これだけ小さな山が折り重なってはどれがどこやらさっぱりわかりません。
静かな山頂:
展望台からわずかな登りで菅原神社、さらにその先が山頂広場です。山名板やあずまや、ベンチなどがありますが反対側から車道が上がってきていてちょっと落ち着けません。
少し先に進むと左手に柵の隙間がありうっすら踏み跡が下っています。その踏み跡をたどると鞍部でしっかりした山道となりわずかな登りで最高点に登り着きます。ここにも手製の山名板があり、先ほどの山頂広場とこの最高点とどちらを山頂とするのか、山名板を掲げた理由にそれぞれのこだわりがあるのでしょうか。
落葉樹に囲まれた最高点
最高点は雑木に囲まれて展望もなくただ最高点を踏むだけという感じです。道もここで行き止まりとなりますので早々に先ほどの広場まで戻り、車道を下って鷹ノ巣を目指しました。
縦走と思っていたら意外や登降の繰り返し:
しばらく車道を下っていくと鷲の巣を指し示す標識があり左に山道が下っています。
よく整備されているものの橋が鋼板だったり階段が塩ビ板だったりしてかなり滑りやすく油断できません。一旦大下りして沢を渡ってからまた登り返しさらに那珂川の川面を間近に見るほど大下りしてまたまた登るというけっこうきついコース取りになっていてのんびりハイクのつもりが一汗かかせられます。このあたりは檜の植林地で薄暗くただひたすら登降を繰り返すしかありませんが、やがて断崖上の展望地に飛び出します。鷹ノ巣展望台です。最初の鎌倉山展望台とはまたちょっと趣の異なる景観です。
鷲の巣展望台:
鷹の巣展望台から背後に建物が見えますがこれはキャンプ場です。
鷹ノ巣展望台からわずかに進むとそのキャンプ場の一角に出て山道は寸断されます。仕方なしキャンプ場内の道をそのまま進むと左手に鷲の巣展望台を示す看板がありそのすぐ脇が断崖上の展望台です。3箇所の展望台のなかでもっとも雄大な景観です。(ただしキャンプ場の一角と同然の場所なのでその点はかなり興ざめです。)
鷲の巣から那珂川を見おろす
ちょうど那珂川が大きく蛇行する地点で、その眺めはじつに雄大です。清流が渾々と流れ数羽のトビが悠々と滑空している様子はこの山ならではの光景です。
山村風景:
キャンプ場まで戻りそのまま急な取付道路を下ると後郷(うらごう)の集落です。のどかな山村風景が広がっています。
また来た山道を戻るのもたいへんそうですし、ここからどう戻ったらよいのか思案しましたが、地元の方にお聞きして南側の山裾をぐるっと回り込むのが楽そうだと判断しました。
民家のたたずまいと山際の棚田が美しい自動車道をだらだらと登っていくと登り切ったあたりに小さな工場がありその地点から右に林道が分かれています。(工場のわずか手前にも分岐道があり間違いやすいですが林道は工場の真向かいの道です。)
この林道をたどるとやがて高原状の道となりなんだか気分もゆるりとしてきます。こんなのんびりハイクもまた楽しいものです。
やがて先ほど鎌倉山から下った自動車道の先(鷹ノ巣分岐のすぐ下)に合流し、さらに左に見える自動車道へ出てあとはのんびりとふるさとセンターまで戻りました。
後郷の棚田
真岡鉄道の蒸気機関車:
蒸気機関車 茂木駅を発車
千葉から参加した仲間が茂木駅から帰るというので駅まで送りましたが、ちょうどその時刻に発車するのが蒸気機関車というグッドタイミング。
もっとも仲間は500円余分な費用を払う羽目になってグッドタイミングだったとは言えなかったかもしれません。(^_^;
鉄道好きらしい子供連れが目立ちます。子供が好きなのか、親が好きなのか、たぶん親子でファンなのでしょう。
真岡鉄道では土、日、休日に下館−茂木間を一往復だけ蒸気機関車が走るのだそうです。
発車の汽笛にせかされ仲間をお見送りするのも忘れて撮影ポイントを探しました。たくさんのマニアが高級カメラを三脚にセットして待ちかまえています。良いポイントから撮影するには汽笛が鳴ってから慌てて場所を探すようではダメなようです。
すぐにシュッシュッと煙と蒸気を噴きながらやや小振りの機関車がやって来ました。老いているとはいえさすがに迫力満点です。発車直後でまだスピードも出ていないというのに目の前を通過するときには圧倒されました。
あっという間に後ろ姿になって列車はカーブで姿を消しましたがあたりには煙が漂って石炭を燃焼させた独特の匂いが立ちこめていました。
発車と同時にマニアの皆さんは次の撮影ポイントへ向けてすっ飛んで行きましたが、たぶん列車より自動車の方が速いのでしょう。
私たちはひとときのざわめきが去って静かになった駅をあとにして帰路につきました。
2014−3−8
寺山の棚田
益子から転進:
益子の高館山に登ったものの時間がたっぷり余ってしまってさてどこへ行こうか。ちょっと遠いものの鎌倉山まで出かけました。
一山登ったあとでさらにもう一度登るというのはなかなか足につらいもので、鎌倉山のいきなりの急登で息が上がってしまいました。それもほんのわずかであっという間に展望台へ。
展望台周辺は下草刈りの作業中でした。栃木県は「とちぎの元気な森造り県民税」という地方税があってここからのお金で森林の整備をしています。これであちこちの里山の藪がずいぶんすっきりした雑木林にもどっています。
展望台からは延々と続く丘陵の先に日立の高鈴山まで眺めることができました。
頂上からはぐるっと山麓の舗装道路を戻りました。
帰り道、棚田の案内があったので寄ってみました。なだらかな丘陵の中腹に広がる風景にはなんだか懐かしい記憶の中に戻った感じがします。
2014−3−8
台風19号の影響:
久しぶりですからいろいろ変わったことがあって当然ですが、スタート地点として駐車、トイレなどお世話になっていた茂木ふるさとセンターがなにやら工事中で工事看板を見てみたら解体中とのことでした。前年の台風19号の被害から再建を断念してこのまま廃止となるそうです。那珂川の川沿いはどこもかなりの被害でしたがここは河川敷も同然の場所なのでそれまでも何回か浸水していたらしくそれでこの機会に廃止が決まったと聞きます。残念ですが立地がよくなかったということでは仕方ありません。
わずかな距離も急登:
見上げる鎌倉岳は少し雲がかかってなんだか快適には歩けそうもないですが、いざスタート。と思った矢先ぽつりぽつりと小雨が降り出してしばし車中で待機することに。
待つこと1時間半、やっと雨も上がって昼近くになってからのスタートです。
登りはじめからいきなりの急登です。木々があるので怖さは全くありませんがもしここが裸の斜面だったらこの傾斜はちょっと怖いかもしれません。登路の半分ほどは石段になっています。これがけっこう段差が大きくてたいへん。その分、あっという間に頂上下の展望地に登り着いてしまいました。
展望地からの眺めは素晴らしく、とりわけ見下ろす那珂川の流れは関東随一の清流が滔々と流れて心休まる風景です。
登り着いたらあとはのんびり下山:
菅原神社
展望地からほんの少し登ると頂上稜線です。菅原神社、石鳥居、東屋があってここまで反対側から車道が上がって来ています。
このあたりを頂上としてもいいかもしれませんが、最高点はまだこの先、隣の高みです。車道終点のガードレールの隙間からいったん下って登り返すとそのあたりが最高点です。以前は山名板がかかっていましたが、亡失したらしく針金だけが残っていました。山名板がないと最高点に登ったぞってだけのただの雑木の林です。
あとは車道歩きでぐるっと鎌倉山の山裾をを半周して駐車地までのんびり戻るだけ。
とはいえ、退屈な車道歩きではありません。
鎌倉山の南面はよく手入れされた落葉樹林で落ち葉が一面に積もってなかなかの美林です。
自動車道に出た地点には茂木町有機物リサイクルセンター「美土里(みどり)館」があります。堆肥などを生産している工場です。他にもバイオ燃料などいろいろと取り組んでいる施設です。
美土里館の隣には大規模の養鶏場があり、コケコッコーの鳴き声があたりに響いています。もちろん伝染病を警戒している養鶏場ですから立ち入ることはできませんが、入り口看板には有名な鶏卵関連の社名が掲げられています。なるほど、こんな山奥に生産拠点の一つがあったのか。【便利帳】 トイレ:大瀬菜の花トイレ 【収穫】(^_^; 2009-1-25 16片 40g
2014-3-8 15片 90g