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唐沢山(京路戸より) からさわやま 290.3m

かつてのアカマツ林はすっかり常緑広葉樹林に変化

久しぶりに唐沢山を縦走してみました。かつてはアカマツに覆われた典型的な北関東の低山でしたが人の手が入らなくなって久しいためかすっかり常緑広葉樹林へと変わってしまいました。それはそれでこの地域の山林の極相ですから当然の姿ですが、少し寂しい気もします。
京路戸から唐沢城趾までの縦走ですが、ほとんど巻き道と林道を歩くようになっていてピークを通るのはわずか2カ所ほどです。一応それぞれのピークに踏み跡はあるものの樹林のために展望も期待できません。それだけに最近はハイカーも少なく、晩秋の野菊の花などを楽しみながら静かにのんびり歩くことができました。


      唐沢山神社
         京路戸峠
【日程】 2011年10月30日
【山域】 安蘇
【天候】 曇り、小雨
【地図】 1/25000田沼

【アクセス】 北関東道田沼IC出口信号を左折して田沼上町西交差点で右折し国道293へ。400mほど先の田沼上町交差点を右折し旧い市街地に入ります。左手に一瓶塚稲荷を見てから田沼駅入り口を通過(踏切を渡る)して500mほど先で栃本町で広い道路に出て左折。(県道144)
多田大橋で秋山川を渡ったらすぐ右手の田沼工業団地に入り(右折)工業団地内をそのまま進むとテニスコート併設の広い駐車場(京路戸公園)があります。
【駐車地】 テニスコート前。数十台分。
【コース】
田沼工業団地テニスコート - 京路戸峠
- 見晴らし - 林道 - キャンプ場
- 唐沢山神社(唐沢城趾) (往復)

全行程 3時間 初心者向き
【メモ】
展望のない見晴休息所
 
静かな峠道:
工業団地の中の道は駐車場先でそのまま山道となります。
なだらかな登りですが粘土質で滑りやすく足下に注意しなければなりません。
程なく稜線に達するとそこは京路戸峠、ベンチやテーブルがあります。樹林の中で展望はありません。
左に折れれば諏訪岳、あるいは小野寺の大慈寺、村桧神社へと続いています。右に折れれば目指す唐沢山です。
最初のピークで尾根は道なりに左に折れます。次のピークはやや急登の大きな山体で登りついたら見晴休息所の標識がありました。樹林に囲まれて全く展望はありませんが、名前から察するにかつては展望ピークだったに違いありません。
コース上の顕著なピークはこの2つだけで、あとはことごとく巻き道で回避しています。一応どのピークも踏み跡があって登ることはできますが、登っても樹林に覆われています。

林道歩き:
見晴休息所から下っていくと林道に出ます。ここからは静かな林道歩きとなります。
この一帯は東京農工大の研究林(フィールドミュージアム)で、そこここに解説が書かれた表示板がありそんな説明を読みながらのんびり歩くのも楽しいものです。
とはいえ、展望もなく薄暗い常緑樹が優勢となった尾根は歩くコースとしては今ひとつ魅力が薄いのか、結局、数人のハイカーにあったのみでした。
この林道が開かれた当時は削られて剥き出しになった崖の岩に現れた褶曲の模様がよく観察できたのですが今はもう時間の経過とともに地衣類に覆われたり草が生えたりしてあまりはっきりしなくなってしまいました。

今も残る石垣
 
唐沢城趾:
林道の交錯する鞍部から再び山道に入りキャンプ場を過ぎると唐沢城趾の一角に出ます。石垣が残りかなりの規模の山城であったことがわかります。
また車道に出て右に回り込むと唐沢山神社の石段があり、その石段を登ると本殿の横手に出ます。山上とは思えない立派な本殿です。一帯は唐沢城趾と重なっていて城跡がそのまま神社境内となっているようです。本殿前から正面石段を下って社務所前を過ぎると展望が広がっています。佐野市街(東部)や関東平野が一望です。
唐沢山神社は休日というのに参拝の人もなく、かつての賑わいを知っているだけに寂しい気がします。近年は観光を兼ねた参拝で唐沢山に出かける人などはいないようです。
とはいえ、境内はきれいに掃き清められて由緒ある神社の風情は昔のままで、きっと信仰の篤い人たちは昔から変わっていないのではないでしょうか。
秋の野菊(クリックで拡大)

   リュウノウギク

   ヤクシソウ

  シロヨメナ 
【便利帳】 トイレ:唐沢山神社