袈裟丸山 カミツキガメ岩 けさまるやま
道なき尾根をたどった先にへんてこな奇岩
15年ほど前に偶然見つけた奇岩の尾根。それ以来何度か出かけていますがどうも普通に尾根を歩くのは面白くないと思ってしまう悪い癖があってたどり着くまでのルートが定まりません。そのせいで尾根を間違ったり沢の源流で行き詰まったり動物のうなり声で退散したりと登り着けないことが何度もありました。それはそれでまた楽しいのですが、今回は仲間と一緒と言うこともあり航空写真などでしっかり調べて出かけました。なんつっても前回仲間を連れて行ってたどり着けなかったから信用は最低レベルに落ちてるはずで、念は念を入れて。
久しぶりの奇岩、変わらずへんてこな姿で立っていました。カミツキガメがガオーッっと今にも噛みつこうとしている姿そのものです。えっ?カミツキガメってガオーッと吠えるのかよ。(^_^;
(一般ハイキングコースではありません。一応踏み跡はありますが目次では「道なし」にしてあります。)
(標題のカミツキガメ岩はもちろん広く通用する名前ではなくここで勝手に呼んでいるだけです。)
関連ページ
袈裟丸山 オオノ沢左岸岩稜 http://www.kimurass.co.jp/kesamaruganryou.htm
カミツキガメ岩 火を噴いても不思議じゃない (^_^
【日程】 2020年10月3日 【山域】 足尾 【天候】 曇り
【アクセス】 国道122号を草木ダム先の沢入で寝釈迦の道路案内に従って左折。林道を途中で塔ノ沢への道を分けてそのまま道なりに走って折場口。 【駐車地】 折場口(弓の手コース登山口)。十数台。ツツジのシーズンは大混雑しますがそれ以外の季節は余裕があります。 【コース】
折場口 - 弓の手コース- 笹原展望地
- ツツジ平手前大岩 - 1549m峰
- 1480m圏峰 - 奇岩岩峰(往復)
行程 3.5時間 一部道なし
地図読みもしくはナビ必須です。1/25000地形図からは特定できませんので 1480m圏峰で右に下る尾根を選択します。
【メモ】
誰もいない袈裟丸山:
弓の手コース上部から笹原を俯瞰
ツツジの季節には駐車余地すらないのに夏から秋への季節は静寂そのものです。駐車場で会った単独のハイカーを見送ったらそれっきり下山時に家族連れに出会うまでまったく誰と挨拶を交わすこともありませんでした。この寂しさくらいがゆっくりゆっくり袈裟丸山の良さを味わうにはちょうどよいかもしれません。
軽く捻挫している膝も優れもののサポーターのおかげでなんとか歩けそう。
弓の手コースの最上部には前回登ったときに満開だったマルバダケブキが枯れた花茎だけを残してすでに葉を落としていました。
いよいよ踏み跡ルートへ:
草地とまばらなミヤコザサが続く尾根
弓の手コースの笹原が終わるとミズナラの樹林内の笹道になります。右手に大岩が見えたらここからその大岩に登って一休み。この大岩は春には1549m峰のアカヤシオ純林群生地を一望する展望地となります。山全体がピンクに染まって夢見るような景観です。
岩の基部を右に回り込んでから1549m峰を目指して笹ととコメツツジの中を登ります。
かつてはルートが定かでなく笹の密藪で難儀したものですが最近はアカヤシオ純林が知られてきたのかはっきりした踏み跡ができています。ひと登りで1549m峰、辺り一面アカヤシオです。気の早いのからもう葉を紅く染めています。振り返れば袈裟丸山がどーんと聳えて見えます。
1549m峰からやや左方向へ尾根を下ります。はじめこそ急な下りですが全体としてはなだらかな尾根が続きます。
この尾根はバラ沢峠へと続く尾根で消え消えながら踏み跡もあり藪も少ないので軽い藪歩きには格好のルートとなっています。逆にバラ沢峠からこの尾根を登って賽の河原まで行けば帰路に弓の手コースを下る楽しい周回となります。
目的の岩峰へは1480m圏峰のピークからから右に折れます。尾根道は左に下っていきますが右の尾根にもわずかな踏み跡が認められます。
袈裟丸山の植物(クリックで拡大)
ゴマナ
タマゴタケ
奇岩の尾根:
前回は地形図の岩記号に惑わされて1549m峰から左に折れてしまいウロウロしたあげく断念しましたが今回は同じ轍は踏みません。
目的の尾根の地形図には全くそれらしい地図記号もなく岩の基部のちょっとした鞍部も読み取れません。しかし、1480m圏峰から右へ、これで間違いなく、かつ簡単に行き着くことができます。(なにしろもう数回行っているのにまともにたどり着いたのは半分ほどだからなぁ。普通に尾根をたどれば難なく行けるってわけです。)
周辺は堅い岩質の大岩が続く
おお、あったあった、待っていてくれたね。
前回私の大げさな宣伝に乗ったのに行き着けなくてがっかりだった仲間もこの奇っ怪な大岩には(たぶん)大喜び。どーだ、まいったか。
しばし大岩に登ったりガスの切れ目から見える山深い展望を楽しんだりして存分に袈裟丸の山深さに浸りました。
この岩峰からは晴れていれば袈裟丸山から赤城山へと連なる不遇の山群を一望できます。栗生山だけは多少知られていますがほかに神戸山、田沢奥山、家の串などハイカーにさえあまり知られていない山々がひしめいています。しかし残念ながら雲に邪魔されて広大な眺めは得られませんでした。
早くも紅葉【収穫】(^_^; 5片20g 【トイレ】 折場口(弓の手コース登山口)駐車場