【メモ】 |
ホント、これはラクチン、ピラタスロープウェイ:
2200mまで運び上げてくれるなんて。なんとも横着な登山です。暑い季節はこれがいいですね。暑さ知らず。
最近、私たちはこんな登り方ばっかりで、そのうちバチが当たるんじゃないでしょうか。
山頂駅を降りると目の前は坪庭の素晴らしい景観。まあ、観光客の列は視界からはずして。もっとも私たちもその列の一部なんですから文句は言えません。
10分ほども歩くと坪庭周遊道と分かれます。とたんに静かな道となり、しっとりした針葉樹の中を歩くようになります。急な登りもないまま北横岳ヒュッテに。
七ツ池をはずしてはダメ:
ヒュッテの前の分岐を下ると2,3分で七ツ池です。七つあるという池のうち巡れるのは2つのみですが、今回のコースでは湖畔に立てる唯一の池ですので行ってみることに。
シラビソに囲まれてひっそりと水をたたえています。池の向こうにはカモシカがじっと置物のように佇んでいました。あ、カモシカだ!ハイカーがカメラ向けて騒いでもまったく平然。これ、少しはお愛想に動けよ。
北横岳は双耳峰のどちらも展望抜群:
ヒュッテからほんの一登りで南峰に登り着きます。あいにく上層はうっすら雲が覆って南八ヶ岳、南アルプス、中央アルプス、北アルプス、どれもほんのぼんやりあるかなしの輪郭ばかり。
でも目の前に高く蓼科山がそびえ、眼下には蓼科のリゾート、さらにその向こうに茅野方面の盆地が広がっています。これだけでも大景観です。
北峰までは2,3分。こちらがわずかに標高も高く、標識もこちらを頂上扱いしているようです。
大人数の私たちは広々した南峰まで戻って昼食にしました。
三ツ岳へのミニ縦走路の樹林にはうっとりします:
途中まで往路を戻り、三ツ岳分岐を直進するといきなりシラビソの密生する尾根となります。この深い樹林は感動モノです。火山性の地形ゆえ巨木はありませんが、林床まで幼樹がびっしりと生い茂って次世代の準備をしています。この樹林を大岩の上から見下ろすとモコモコと緑が湧き出しているようでうっとりさえします。
この道は大岩が重なってできた地形で、それを一つ一つ乗り越えて進まねばならずなかなかはかどりません。幸いこのところの晴天のおかげで岩は乾いているため靴底の食いつきもよく、軽快に大岩を越えることができましたが、雨にでも遭うと難渋しそうです。
最後に鎖のある急登をこなして三ツ岳頂上に達しました。
これまで大岳に阻まれていた八千穂方面の展望も開け、海外放送送信所のパラボラが意外な近さで望まれました。また前方には雨池が見下ろせました。
道は急な下りとなって右に折れ、登り返すと雨池山。頂上らしき印象もなくまったく展望もない頂上で、単なる通過地点と思われる場所に頂上標識が立っています。ただこのあたりは所々縞枯の中に身を置くことになるようで、見上げると枯れ木の群れが天を突くように立ち上がって特異な景観です。
雨池峠は麦草に被われた明るい草原:
麦草の草原、雨池峠
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雨池山から縞枯山を眼前にしながら一気に下ると雨池峠の草原です。麦草峠の名前の由来となった麦草がちょうど穂の時期で、風に揺られて美しい雰囲気でした。じつはムギクサの和名を持つ植物は平地に生える帰化植物雑草で、これは正しくはイワノガリヤス(岩野刈安、別名ネムロガヤ)らしいです。
峠の草原を気分良く歩くとすぐに縞枯山荘。草原に囲まれた明るい山小屋です。裏手にはヤナギランがたくさん咲いていました。
ここからダラダラと草地を下って山頂駅まではほんのわずか、私たちも観光の雑踏に吸い込まれました。
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