【メモ】 |
峠越えする車もなく:
朝も遅く南郷村を出て国道を離れ駒止峠に向かうと、すっかり落葉した樹林の中をぬう道は通う車もありません。出会ったのはただ1台、やはり峠越えを楽しむ人たちでした。
峠道ではちらちら舞う雪も頂上部では山をすっかり白く覆っています。このあたりは春にはタムシバの花がたくさん咲いて実ににぎやかな準平原ですが、この季節の寂寥もまた捨てがたいものです。
やがて登るほどに落ちる雪も多くなって、唐突にあたりが銀世界に変わりました。その突然な変化には声を上げ思わず車を止めたほどです。
この一帯が冬に変化するその一瞬に立ち会ったような感動です。
駒止湿原は雪の中:
峠越えの道は時たま雪が覆っている程度なのに、歩き始めるとすっかり雪景色でした。湿原に入ると木道も雪をかぶって慎重に歩かないと雪の下の湿地に足を取られて悲惨な結果になりそうです。
白一色の湿原を歩くのも悪くはありませんが、帰り峠越え道路のことも心配で大谷地だけで切り上げて開拓農道を帰路にとって引き返しました。
春は興ざめなこの道路、今は荒涼としてなかなか魅力ある景観を呈しています。やや離れて立つブナの大木が雪にけむって捨てがたい構図となっていましたので早速カメラを取り出しました。
途中、青空がわずかにのぞいたので、遅いお昼にして、この日のなんだか散漫で、でも十分楽しい雪原の散策をしめくくりました。 |