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琴平山 ことひらさん 350m

こんな内陸の山上に琴平神社

南岸低気圧による大雪のおかげで普段はあまり足も向かないような手軽すぎる山も歩き甲斐のある山に変身です。
栃木市と佐野市旧葛生の市界尾根の一角に琴平山はあります。山名から当然予想できるように琴平神社が鎮座まします。こんな内陸の山上になぜ琴平神社がと思われるかもしれませんが、栃木市はかつて巴波川の内陸水運で栄えた町です。きっと水運の安全を祈願する神社として祀ったのでしょう。
無雪であればいとも簡単に登れてしまう山ですが、雪に覆われて鹿の足跡だけが先行する参道をどって楽しい半日コースの山となりました。木々の切れ目からとなりますが展望も広く得られて思わぬ充実の山行でした。

      琴平神社       栃木市街(琴平神社石段最上段から)
【日程】 2014年2月16日
【山域】 安蘇前衛
【天候】 晴れ

【アクセス】
東北道栃木ICから右折で国道32号へ。栃木市街方向に1.5kmほど走って箱森町で右折、県道32号環状線へ。
さらに1kmほど先の錦着山入口北で右折して県道75号佐野方面へ。
東北道をくぐって皆川中学校の先で柏倉太子温泉の看板に従って右折し県道126号葛生方面へ。
柏倉太子温泉への道を右に分けて山間に入るとすぐ琴平神社表参道入口。
県道は2014年3月まで災害復旧工事のため通行止めですが参道入口の先のサーキット場までは行けます。
なお、ちょっと判りにくいですが高速道から左折で県道32号に出て吹上で左折すれば近道です。

【駐車地】

登山口付近に駐車場はないので路肩に駐車。
写真の除雪車向かい側が参道入口。
【コース】
表参道入口 - 琴平神社 - 無線アンテナ
- 裏参道 - 峠(県道) - 表参道入口

全行程 2.5時間
【メモ】
表参道:
表参道入口

県道が山間にさしかかるとすぐに登山口です。琴平神社表参道入口の案内標と石碑、灯籠などがありすぐにそれとわかります。
左手に急な石段がありそこから参道が始まります。120段の石段ということです。いきなりの急登で、おまけに石段がすっかり雪に覆われてただの急坂になっていました。キックして石段を足で探しながら登らなければならずいきなり難儀なスタートです。
石段を上がりきるとそこから先は広い山道の参道となります。杉林から雑木林に代わりしばらくはダラダラと登りますが途中から左に広い脇道があったのでそちらをとりました。しかしどうやらこれは作業道で失敗でした。急な杉林の斜面を這い上って参道に戻ると小さな石段があり、これも雪に埋もれて歩きにくいので脇を歩いて回避しました。参道を忠実にたどりませんでしたので気付きませんでしたがこのような石段が数カ所にあるようです。
また、この参道の所々にはかわいい手作りの案内板が掲げられていて作り手の気持ちが伝わってちょっと心和みます。しっかりと額縁まで付いているのには思わずにこっ。
頭上に石垣が現れその石垣の真ん中にまた急な石段が登っていきます。雪にすっぽりと埋まってとても登れそうにありません。
こんな山上にこれだけの石垣と石段を造りあげたことは驚異的でさえあります。
たぶん雪がなくてもこの石段は急すぎてたいへんらしく、右手に巻き道ができています。巻き道に回って石段の上まで登ると正面に琴平神社が鎮座しています。
振り返ると栃木の街が雪に覆われて白く広がってその先には筑波山や加波山がくっきり眺められます。

   雪の参道
    かわいい手作り案内板

琴平神社:
琴平神社は山の上とは思えないほどの規模で正面に拝殿、左に社務所を配して周囲には石碑やら灯籠やら水盤やらがたくさんあって平地の神社と変わりません。どうやってここまで資材を運んだのかと思うとびっくりです。
360°の展望というわけにはいきませんが、自分が場所を変えながら眺めるとほぼ全方位の展望が得られます。残念ながら見えるはずの富士山や上州の山々は雲の中でしたが、日光、筑波、足尾、安蘇、さらには関東平野の広がりと東京のビル群とスカイツリーなどぐるり展望を楽しむことができました。
境内には氏子のみなさんがたくさんの樹木を植樹しています。それが山の樹木ではないので場違いな柑橘が実をたくさん付けていたり園芸品種の椿がきれいに咲いていたりしてご愛敬。(^_^;
      神社前の石段は雪の下      神社から遠望する東京のビル群とスカイツリー

裏参道:
ツガ巨木

そのまままた反対側の石段を下りて登り返すと前方にアンテナ基地があります。神社よりこちらの方がわずかに標高が高いようですし、その先にもさらに高い地点があるようで、いったい琴平山頂上はどこなんだという疑問をそのまま持ち帰ることになりました。
アンテナ基地の先に二抱えほどもあるツガの巨木があります。神木なのか周囲が刈り払われていて幣がかかっていました。
ここから北へ向けて参道が通じています。登ってきた道が表参道ならこちらは裏参道というわけです。
参道は途中から尾根を外れますが、尾根通しに歩きたい人もいるようで赤テープのマーカーが律儀に尾根通しに続いていました。(おおむねヤブ歩き)
尾根通しに歩くと県道の峠の上に出て急な石段が下りています。雪に覆われて危ないので藪を突いて参道の方へ下りました。
現在の裏参道はこの石段を避けているわけで、きっと昔はこの石段から取り付いて尾根通しに歩いたようですがやっぱり雪でも降ると危険なので尾根通しの道はやめたのでしょうか。。
峠からは県道を表参道入口まで雪を踏みながらの1時間のアルバイト。

付記:
琴平神社のWebサイトです。
琴平神社 http://www.cc9.ne.jp/~chika/

サイトに載っている神社の絵図が実際の石垣、石段、建物の配置などとても忠実に描かれているのには驚きです。
神社のサイトではこの山を鞍掛山と称しています。鞍掛山に琴平神社を建立したら神社が有名になって山も琴平山と呼ぶようになったということでしょうか。


   日光男体山

     安蘇山塊核心の熊鷹山方面
【便利帳】 トイレ:神社裏側
【寄り道】  柏倉温泉太子館:日帰り入浴可
栃木市:蔵の街

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