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  国上山313.2m(くがみやま)

低山ながら花いっぱい さすが雪国です
2005−4−3
数年前に角田山に登って、花の多さに圧倒され、それ以来新潟の山にぞっこん。とにかく関東の山とは花の密度がまったく違います。
しかし、このサイトで宣伝したのが万分の一ほど責任あるかどうか、最近の角田山の混雑は並大抵じゃありません。頂上などほとんど上野のお花見状態です。最初に登ったときには関東から来たと話したら、なんとまあこっちの方まで、とびっくりされたくらいだったのですが、最近は関東から旅行業社がバスを出すほどです。当然、地元のハイカーでさえいっぱいのところへさらに混雑に拍車を掛けることになっています。旅行業者の募集に応じてただ集合場所に行くだけ、それでお手軽にユキワリソウのすごい群落を見たからってそれがどんな喜びなんだろうか、と山とんぼは思っちゃいますが。まあ、人はそれぞれですから。
と、まあ、こういう状況なので、角田山はほっといて、昨年は弥彦山(八枚川)、今年は国上山にユキワリソウを見に登りました。どちらも天候に泣かされてしまいましたが、濡れて頭を垂れてけなげに咲くユキワリソウもまたかわいいものです。

2007−4−1
晴天を期待しての再訪です。ひどい黄砂でまるで曇り空のようでしたが、陽の光が地上に届いてみんな一斉に花を開いてくれました。
前回、天気に泣かされてしまいましたが、今回は花期もぴったりで、越後の春の花を堪能することができました。
国上山花図鑑へ
【日程】 2005年4月3日
2007年4月1日
【山域】 新潟
【天候】 2005-4-3曇り
2007-4-1晴れ・黄砂
【地図】 1/25000弥彦
【アクセス】 三条燕ICからR8経由で環状道路(県道260)を遠回りして西蒲原広域農道に入りひた走るとあっという間に国上山にぶつかります。左に折れて山裾を回り込むと信濃川の分水路(大河津分水路)沿いとなりすぐに国上寺の大きな看板を見ます。ここを右折して国上寺駐車場まではほんのわずかな距離。

中之島見附ICからは一旦R8に出てすぐに左側道に入りすぐ右折、寺泊方面の案内標識に従って中之島で左折、与板橋を越えたら右折、そのまま信濃川沿いに走って信濃川の分水路(大河津分水路)にかかる渡部橋を右折して渡って右左折して国上寺へ。
【駐車地】 国上寺下に大駐車場。
ビジターサービスセンター、トイレ、水道があります。足洗い場もあり、ブラシが用意されていますので助かります。(それだけ泥んこ道だということなんですけど。)
こちらが満車なら手前に第3駐車場があります。良寛様の五合庵も巡るなら第3駐車場が便利です。
写真左奥が国上寺経由の登山口。右手前が逆回りのちご道経由の登山口です。
【コース】 駐車場 - 国上寺 − 西場富士 − 国上山 −蛇崩 − 麓方面分岐 − ちご道 − 駐車場
実行程約2.5時間 初心者向き

    下山道(ちご道)より国上山を見上げる

【メモ】 2005−4−3
古刹国上寺:
国上寺

国上寺は和銅ニ年(709年)創建といいますから古刹も古刹、古いにかけてはチャンピオンです。 古い寺社の例に漏れず聖徳太子やら役小角やら酒顛童子(酒呑童子)やら西行やら歴史上あるいは伝説上の人物がたくさん出てきて、 ちょっと眉唾もんのところもあります。
国上寺は「こくじょうじ」で、これから登る国上山は「くがみやま」です。この違いはどんないきさつなのか興味がわきますがよくわかりません。
駐車場には売店の幟旗がこれでもかというくらいたくさん立ててあって、古刹の雰囲気も台無しです。
しかし国上寺はしっとりとしでいかにも古刹の雰囲気です。本堂は阿弥陀堂ということです。安全を祈願してから、本道右手に回ると鳥居をくぐっていよいよ山道です。お寺さんなのになぜに鳥居?と不思議に思いましたが、国上山は大山祇神社があり、たぶんここからは神様の領分のようです。
登路はヤブツバキ(このあたりはユキツバキではないようです。)、オウレン(キクバオウレン)がたくさん咲いています。カタクリもありますが、まだ開花にはしばらくかかりそう。
ちょっとぬかるんだ階段の一登りで尾根に出るとユキワリソウが初めて顔を見せましたが、雨上がりの曇天でどの花も閉じたままうつむいていました。花の終期は雨でも開いたままですが、開花したばかりの時期ですから仕方ありません。代わりにオウレン群落が元気いっぱい咲いていました。
ところどころで麓の展望が広がりますが、雲はなかなか去ってくれず佐渡や越後三山まで届く大展望とはまいりません。

オウレン(別名キクバオウレン)(拡大)

国上山山頂から蛇崩:
山頂は芝の平坦な小広場です。眺望が広がっているということですが、この天気ですから谷が見えるだけで、隣の弥彦山でさえ雲の中です。
頂上から一旦降りになりますが、北側斜面は雪解け後で雨上がりとあってぐっちゃんぐっちゃん。思ったほど滑りやすくはありませんが、それでもパンツの裾は泥だらけです。下降してからはあまり上り下りもないまま尾根をだらだらと進みます。このあたりもユキワリソウが多く見られます。尾根がやせてくると大山祇神社を左に見て、その先が蛇崩の岩稜です。ガイドブックにやせ尾根で注意が必要などと大げさな記述も見ますが、山道を歩く限りただの露岩の道でなんということもありません。
ここで東京からの4人グループとお話ししましたが、前日に角田山〜弥彦山を踏破したとのことで、素晴らしい花だったとか。やはり花の山は天候次第だと痛感しました。
蛇崩からの展望は見事らしいですが、遠く守門岳らしき雪山と広大な越後平野の一部が見えるのに弥彦は相変わらず雲の中です。

下山路も花の道:

コシノカンアオイ(拡大)
蛇崩から右に一気に下ります。(蛇崩手前から右に下山する道もありますがいずれ一緒になるようです。ただ、こちらをとると蛇崩を通らずに下山してしまうことになります。)
この斜面にもユキワリソウが多く、また顔を出したばかりのカタクリの花芽がびっしり林床を埋めています。満開には1週間から10日ほどでしょうか。ユキワリソウはかなり開花期間が長いのできっとカタクリとユキワリソウの華麗な競演が見られるはずです。
ちょっと目をこらすとコシノカンアオイの不気味な花を見ることができます。コシ−の名の通り、日本海側に生育しているカンアオイです。
オウレン群落(拡大)
またマンサクがちょうど花盛りで、見上げればそこここに黄色の花をまとった姿が目に入ります。
下りきるとT字に左と右に分かれます。国上寺には右にとりますがこの道が「ちご道」で、稚児道なのですがなぜか山中の案内はいずれも仮名で「ちご道」と書かれていました。なにか謂われがあるのでしょうか。

まだまだ花は続く:
ちご道はぬかるみの連続で、山麓道なのに意外に上り下りもあり、気持ちが一旦終わってしまった足にはちょっとうんざりします。
しかし、花はまだまだ続きます。いままで見られなかったキクザキイチリンソウが顔を見せ、また一度会いたかったコシノコバイモがいくつも花を開いていました。コバイモはコシノ−、カイ−、トサ−などと頭に土地の名を冠したものが多く、それぞれ花弁の模様が異なっていて興味深い植物です。花姿からクロユリの兄弟分だということが頷けます。
やがて車道の下を3,4回トンネルでくぐると駐車場(登山口とは反対側)に出て周回コースを終えます。

とにかく花の多い山でしたが、わずかに時期を違えてしまったようで、こんな天候もあって次回に期待するしかありません。
地元のハイカーにうかがった話では、国上山は角田山、弥彦山に比して標高はかなり低いのに花の時期は遅いということです。自然の微妙さには驚かされます。

2007−4−1
花、花、花:

頂上までは曇り空で、早朝と言うこともあってまだカタクリは花を閉じたままでした。おまけに、ひどい黄砂で展望もいまひとつ。
ところが、下山をはじめた頃から薄日も差してきて一斉に花開きはじめました。頂上から急坂を下るとまず雪割草、さらにマンサクの咲く斜面を一旦下ってカタクリ群落、さらに稚児道ではキクザキイチゲとカタクリの競演。こんならくちんなコースなのに花に囲まれて歩けるなんてさすが新潟の山です。
国上山花図鑑

朝のカタクリ

双子のカタクリ

カタクリ群生

コシノカンアオイ

雪割草(ミスミソウ)
青花

雪割草白花

オウレン

ヤブツバキ

キクザキイチゲ青花

キクザキイチゲ白花

キクザキイチゲ群生

コシノコバイモ
【便利帳】 トイレ:駐車場
コンビニ:近くでは気づきませんでした。買い物は三条か燕で済ましておいた方が無難です。
【収穫】(^_^; 46片、250g たばこの吸い殻が多いのは雪の時期に登るから?
【寄り道】 国上寺から歩いて五合庵。良寛様のお住まいとか。
海岸に出て西に走ると寺泊。魚市場で買い物。