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奥久慈男体山 おくくじなんたいさん 654m 

大パノラマの人気コース


2001−11−18
奥久慈の山の魅力はなんといっても豪快な岩峰群と航空写真のような大展望です。東にうねうねと続く常陸の山々や太平洋を眺め、
南に鷲子山群、筑波山、笠間丘陵、西に日光方面の大展望をほしいままにして、目を足下に向けるとまさに圧巻、大岩壁の麓の集落が
箱庭のようです。
雰囲気のよい大円地(おおえんじ)から急登の「健脚コース」を登路にとり、大円地越経由の「一般コース」を帰路として周回しました。
ちょうどモミジの紅葉真っ盛り、空はこれ以上はないという快晴とあって、なんとも楽しい一日となりました。
2014−11−22
紅葉時期に再訪しました。ドンピシャの紅葉を心ゆくまで楽しめました。

関連ページ 鷹取岩(奥久慈岩稜)http://www.kimurass.co.jp/takatoriiwa.htm

【日程】 2001年11月18日
2014年11月22日(こちら
(写真は全て2014年撮影のものに差し替えました)
【山域】 奥久慈
【天候】 快晴
【地図】 1/25000大中宿
【アクセス】 栃木側からは国道293号で馬頭、馬頭から国道461号境明神峠経由、大子で国道118号へ。茨城側からは那珂ICより国道118号へ。ともに水郡線西金駅前から湯沢方面に。旧湯沢温泉前でやや左直進。古分屋敷または大円地入口まで。
【駐車地】 古分屋敷または大円地入口に駐車場。
いっぱいで停められなかったら車道をそのまま進むと路肩が広くなった場所が何カ所かあります。
【コース】 古分屋敷(こぶやしき)−大円地(おおえんじ)−健脚コース入り口−展望岩−月居方面縦走路−男体山−大円地越
−大円地
 (全行程3時間程度)

     


   大円地より男体山

メモ
2001−11−18
秋の風景が素晴らしい古分屋敷、大円地:
のどかな古分屋敷と豪快な奥久慈岩稜

古分屋敷、大円地が近づくと周囲の豪快な岩峰群に圧倒されます。男体山から櫛が峰、入道岩、鷹取岩へと続く大岩壁は高々数百メートルの標高とはとても思えません。どこをどう登れば頂に立てるのかと困惑するほどです。
一方、そんな豪快な景観とは対照的に大円地の集落は秋の陽をいっぱいに受けて静かなたたずまいを保っています。庭先には熟して鮮やかな色合いになった柿が空の青さに映えています。あたりは茶畑として耕されていますが、奥久慈の茶は冷涼な気候がかえって良質の茶の生産に適しているとかで、最近人気だそうです。刈り込みを免れた枝先には白い花がひっそり咲いていました。

岩稜を直登して一気に頂上を目指す健脚コース:
健脚コースのカエデ紅葉

大円地のはずれで健脚コースと一般コースとに分岐します。なんとも趣のないコースの名前ですが、まあ、名前はともかく、健脚コースから登って一般コースを下れば周回できるので好都合です。
最初はヒノキ林のなかの急登ですが、やがて雑木になり鎖が現れるとあたりは今盛りの紅葉で一気に明るくなりました。鎖を頼りにまず登り着くのが展望台と呼ばれる岩棚です。ここからは男体山に隠れる北方面を除き、ほぼぐるり270度の展望が広がっています。見上げればまだ頂上は頭の上、さらに急登に次ぐ急登が待っています。
ここから頂上までは鎖の連続ですが、さほど危険なところもなく、頑張りさえすれば大丈夫というようなコースです。
最後のちょっと難儀する鎖場を登りきれば袋田の滝・月居山から延々とやってきた縦走路に合流し、そこは東屋の建つ平坦地となっています。ここまで来れば頂上の喧噪が聞こえています。

大混雑の頂上からは空撮のような大展望:
男体山頂上

頂上では子供会の親子数十人グループやら中高年大部隊やら、もぉ大混雑。
頂上は小広い平坦地となって一段高い地点に石造りの神社が鎮座しています。ここからの展望は第一級です。ただし絶壁の縁ですから落ちたらひとたまりもありません。縁には笹が茂っているため怖さを感じることがなく、皆さん柵の外に出て平気な顔ですが、事故がないのが不思議なくらいです。
NHKアンテナや木立で邪魔される高萩方面や八溝山の展望もちょっと脇へ廻ればよく見渡せます。このあたりの地形はじつに不思議で、立っている地点を境目にして久慈川筋は断崖となっているのに旧水府村方面はなだらかな丘陵地といった風景です。ここは山と言うより巨大な段差と言う方が当たっているようです。

一般コースの方がじつは危険:
頂上直下から見下ろす大円地、古分屋敷

帰路は一般コースを下山しました。登路とは一変して緩いラクチンな道です。でも、右の足下は300mほどの断崖絶壁で、万一のことを思うとぞっとしますが、登山道脇は笹が隠してそれと気付きません。
途中何の変哲もない場所に真新しい花束が飾ってありました。笹を分けると目もくらむ断崖上です。きっと転落死亡事故があったのでしょう。合掌。一般ハイカーがやって来る初心者コースですから登山道の付け替えが望まれます。
ちょっと気持ちを引き締めてさらに下ると、向かいには奥久慈岩稜が豪快な姿を見せ、あたりは紅葉の盛り。今が時期的にもこの山域の一番輝くときかもしれません。

大円地越・珍しいケヤキ自然林:
やがて峠の平坦地に達します。大円地越です。東屋が建ち休憩にちょうど良いポイントです。
この一帯はケヤキの自然林となっています。ケヤキと言えば関東では屋敷林を思い浮かべるほどで、自然の姿というのはあまり見かけることはありませんが、ここはほぼ純林に近い密度で生育しています。一見の価値ありです。
周囲にはモミジもあり鮮やかに色づいていました。

大円地越のケヤキ林と紅葉
大円地越・珍しいケヤキ自然林:
やがて峠の平坦地に達します。大円地越です。東屋が建ち休憩にちょうど良いポイントです。
この一帯はケヤキの自然林となっています。ケヤキと言えば関東では屋敷林を思い浮かべるほどで、自然の姿というのはあまり見かけることはありませんが、ここはほぼ純林に近い密度で生育しています。一見の価値ありです。
周囲にはモミジもあり鮮やかに色づいていました。 

紅葉の下山路:
下山路の紅葉

大円地越から大円地に向かって下り始めるとすぐさま赤や黄に染まった葉が陽に輝いて紅葉のオンパレード。こんな低山でこれほどの鮮やかさにはそうそう会えるものではありません。途中、植林地を通るもののそれ以外では大円地までずっと鮮やかな紅葉が続きました。
大円地から改めて見上げる奥久慈岩稜の迫力には圧倒されました。


2014−11−22
ぴったりの紅葉:
今年の天候のせいで高山では紅葉が色づく前に低温に見舞われて枯れてしまったケースがあって残念な秋になってしまいましたが、片や低山ではどこの山でも鮮やかな紅葉が楽しめています。低山どころか平地の紅葉さえ鮮やかな今年の秋です。
マメシダ

豪快な岩峰と大展望と紅葉の取り合わせがなんとも楽しい奥久慈男体山、久しぶりに再訪しました。
コースはおきまりの健脚コースを登って一般コースを下る周回のルートをとりました。
大円地の先、茶畑の中の分岐で左の健脚コースに入り杉の植林地を抜けるといよいよモミジが鮮やかな岩稜の登りとなります。いちいち歓声を上げながらカメラを構えるのでなかなか足がはかどりません。
鎖場を登ると左手に展望岩がありその眺めはまさしく鳥の目から見たものです。さらに鎖の連続する尾根を登り切ると月居山からの縦走路に登り着きすぐ右手が頂上です。
360度の大展望。いつもながら常陸の山の準平原のようななだらかな広がりは心和みます。

下山路も鮮やかに色づくモミジ:
笹に隠れた断崖の縁に付けられた危うい下山路を注意深くたどってほどなく大円地越。珍しいケヤキの群生が見られます。そのケヤキの森の中層はモミジが優勢で鮮やかに色づいていました。
ここから大円地に向けて下山する谷もモミジに彩られ最後の最後まで紅葉の中を歩くことになりました。
この谷ではまだ緑の葉も散見されるのはきっと南向きで左右を断崖に囲まれているせいです。12月になってもまだ紅葉が楽しめそうです。
またこの谷の大岩のいくつかにはかわいいマメシダ(マメヅタ)が群生しています。

     古分屋敷から奥久慈岩稜



                         下山路の紅葉

【寄り道】 大子町は見所豊富です。
まずは袋田の滝。大雨のあとなら豪快です。(しばらく雨がないと、滝川という小さな川ですから水量もしれたものでちょっとがっかりします。)
大子・田気の丘の上にはハンドバッグ工場があり直売しています。
大子には温泉も多く、日帰り入浴なら森林の温泉(もりのいでゆ)がおすすめ。
でもなんといっても山村風景がいいですね。男体山麓は岩稜の景観と相まって素晴らしい山村風景ですし、町の北西に位置する八溝山麓も好ましい落ち着いた雰囲気です。特に上野宮、佐貫あたりはほっとする景色です。

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