栗駒山 くりこまやま 1626.5m
日本一と称される紅葉
若い頃、宮城の山をあちこち登り回ったものですが栗駒山はいつでも行けそうで後回しになって実際にはなかなか行けずじまいでそのままになっていました。50年ほども間をおいて、その日本一と称される紅葉を狙ってやっと登ることができました。頂稜部はわずかに紅葉最盛期に遅れてしまった感じでしたが中腹あたりは赤や黄の模様を織りなす目の覚めるような錦繍の景観が広がっていました。
紅葉の美しさもさることながら全体なだらかで危険もなくかなりの標高まで車で登れるとあってこの時季は混雑を極めるようです。駐車場に入るのに20分ほど待たされました。メディアで紹介されて今や紅葉を見ようと全国からハイカーがやって来るようで、なんと関西から来たという女性2人組に会いました。この紅葉を目の前にして彼女たちも遠路はるばる出かけてきた甲斐があったことでしょう。
栗駒山
色づく登路
【日程】 2017年10月1日 【山域】 東北 【天候】 晴れのち曇り
【アクセス】 東北道若柳金成IC出口を左へ県道4号に出てすぐに国道4号へ左折。1kmで県道4号へ右折してあとはほぼ道なりに。
要所に栗駒山方面を示す案内があります。【駐車地】 レストハウス前に大駐車場。
シーズン中は満車になるため4kmほど手前にも駐車場があってバスがピストンしてくれます。【コース】
いわかがみ平−東栗駒コース−新湯沢
−東栗駒山−中央コース分岐−栗駒山
−中央コース分岐−中央コース−いわかがみ平
実行程約5時間 一般向き
【メモ】
ぬかるみに閉口しながらもいきなりの紅葉:
紅葉でスタート東栗駒コース
いわかがみ平は交通整理のガードマンや案内係のスタッフが忙しく働いて混雑をさばいていました。無料でなにからなにまでお世話になって申し訳なくまたありがたい気分でスタートです。
駐車場から見上げる山腹は鮮やかに色づいていて歩き始める前から期待は膨らみます。
レストハウスの右側から登る山道が東栗駒コース、左側からは中央コースですが、登りは東栗駒コースとしました。帰りは中央コースで下山の予定です。
山道に入るやいきなりぬかるみの道で慌ててスパッツを装着することに。最初から着けて歩くべきでした。
えぐられた登山道を40分ほど登ると新湯沢に下り立ちます。きれいなナメ滝であたりはちょうどいい具合に色づいて休憩には最適です。
紅葉の灌木帯:
ナメを登る
新湯沢を飛び石で渡ってから上部のナメ沢を登りますがさらさらと小気味よい流れの中を登るのは周囲の紅葉もあいまって最高の気分です。
ナメ沢を少し登ってから登山道は沢から右に離れ灌木帯となります。いよいよ紅葉の東栗駒山核心部です。
左上方に大きく栗駒山が、前方には東栗駒山がどーんと聳えています。そしてなんと言っても圧巻は新湯沢両岸の準平原のようななだらかな尾根を染める紅葉です。
カエデの黄、ツツジの赤、ハイマツの緑の取り合わせが絶妙な色彩の妙を見せています。なるほどこれが日本一の紅葉か。
登山口で先週が最高でしたと言われたのですが、なるほどよくよく見るとすでに葉を落とした樹種もあって、まあ、その最高を見たかったとも思う反面、多少遅めでもそのわずかな時間の差それぞれの風合いもあるもので、その時々それぞれが美しいはずです。
こんな景観の中ですからうっとりと眺めていたいところですが先もあることですし、まずは東栗駒山目指して登ります。
色づく灌木帯
東栗駒山:
下から見上げた東栗駒山は大きなピークでしたが実際登ってみるとなだらかな尾根の途中に小さなコブが盛り上がっている程度のささやかな頂上でした。大岩の陰で風を避けて休憩にしましたが、多くのハイカーもここで一休みをしていました。
東栗駒山
見上げる栗駒山は堂々とした大きな山体を持ち上げています。まだまだ遠くに見えますがしかし目で行く手をたどると山頂直下以外はなだらかでそうつらい登りには見えません。
東栗駒コース中間点付近
なだらかな登路は灌木と草原帯:
栗駒草原 後方は東栗駒山
東栗駒山からなだらかな展望尾根が続きます。
右手奥に見える平坦尾根が鮮やかに色づいて印象的です。笊森に続く尾根で、できることなら登ってみたいと思わせる魅力的な景観ですが残念ながら現在登山道はないようです。
ここから先は栗駒草原と呼ばれているそうで、夏は花で埋もれるとか。そうか、夏の栗駒山にも登らなきゃならないか。今は草紅葉が風になびいています。
裏掛コース分岐で左に折れてさらに少し登ると階段が現れひと登りで中央コースとの合流点、山頂まではあとわずかです。
相変わらず見下ろす一帯は鮮やかな紅葉が続いています。
栗駒山:
栗駒山頂上
最後の急な階段を登り切ると待望の栗駒山頂上です。小広い頂上ですがたくさんのハイカーで大混雑です。
大きな頂上標識とその裏側に三角点があり、それらの北側に駒形根神社が鎮座しています。
多くのハイカーが登って来ているので頂上標識をカメラに収めようとしても入れ替わり立ち替わり記念写真を撮ろうとするハイカーが前に立ってしまって標識だけ撮ろうとしてもチャンスがありません。一瞬の間隙をとらえてやっとカメラに収めました。
展望は360°です。北に焼石岳、南に船形山なども見えますが残念なことに近づく低気圧のせいか大気中の水蒸気がうっすらと靄になってそれ以上の遠望はかないませんでした。
少し天狗平方向に進むと痩せ尾根となって頂上とはまた少し違った展望が得られます。そこからは昭和湖、須川温泉、須川湖なども俯瞰できます。
中央コースを下る:
延々と紅葉は続く(中央コースを下山)
頂上から少し階段を下ってから東栗駒コースと分かれて中央コースを下ります。なだらかで歩きやすい道が続きます。
こちらも鮮やかな紅葉がこれでもかと言うほど続いています。途中にわずかな高みがあって良い展望地になっています。時間も遅くなったためか午前中とは一転して大混雑から解放されて静かに紅葉を楽しみながらの下山となりました。
結局最後にいわかがみ平に着くまでずっと紅葉に包まれたままの下山でした。
【便利帳】 トイレ:いわかがみ平レストハウス 【収穫】(^_^; 51片 100g