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三床山 (梅園より周回) みとこやま 334.9m

セツブンソウとカタクリを探して藪山を楽しむ

セツブンソウ
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セツブンソウ
田沼町から作原の谷と飛駒の谷を振り分けるのが三床山です。出流原や戸奈良の里から見るとなかなか立派な山容を見せています。山麓にはセツブンソウやカタクリ、アヅマイチゲなどが咲き、毎年早春が楽しみな里山です。
3月初め、セツブンソウを見に歩いてきました。カタクリのような派手さはありませんが、寒風に花びらを揺らして、なんとも可憐な姿で迎えてくれました。
カタクリにはちょっと早いですが、気の早いのはもう芽を出していて、いつもの群落の他に2つ群落を新たに見つけました。そのうちの一つはかなりの規模で、これからの花時期がとても楽しみです。

三床山一帯はとても複雑な地形で、地形図片手にコンパスとにらめっこしながら注意深く歩かないとたちまち自分の位置を見失ってしまいます。また稜線は岩がちで小振りながらも快適な尾根歩きが楽しめます。まさに藪山歩きの魅力が凝縮された山域です。
里山ですから迷ったところで事故になることもないでしょうが、山慣れない方にはちょっと難しい所もあります。経験者と同行が無難です。

2016年12月追加
下山に歩いた峠道はすでに完全に廃道化していて通過は困難です。その上麓の林道は私有地につき通行禁止と表示されています。
ちなみに峠に新たに付けられた山名板には栗谷坂峠と記されています。

関連ページ)

三床山(鹿嶋神社より) http://www.kimurass.co.jp/mitokoyama.htm
三床山(岩崎より周回) http://www.kimurass.co.jp/mitokoyamaiwasaki.htm
小三床山 http://www.kimurass.co.jp/komitokoyama.htm
小三床山周回 http://www.kimurass.co.jp/komitokoyamashukai.htm

【日程】 2000年3月5日
【山域】 安蘇
【天候】
【地図】 1/25000田沼
【アクセス】 田沼から桐生田沼線を飛駒方面に。山形の三叉路の1km先、工場の前を右折して梅園方面に。6〜700mほど走り右にミカモ電子の工場が見えたらカーブミラーのあるところで狭い舗装道に右折。そのまま道なりに墓地まで。
【駐車地】 墓地脇に数台駐車可。
【コース】 墓地 − 作業道 − 道の消えた地点で稜線に突き上げる − 330m峰
− 310m分岐峰 − 三床山− 310m分岐峰 − 334m峰手前(旧峠)− 川東
実行程約3時間 経験者向き

樹間に安蘇山塊を望む三床山山頂
【メモ】 可憐な姿のセツブンソウ:
ここは毎年カタクリを楽しみに訪ねています。でも、カタクリの時期にはすでにセツブンソウは花の終わりに近く、瑞々しい花びらで迎えてくれるというわけにいきません。
そこで今年こそはと思って早めに出かけたのです。やはりセツブンソウは今のこの寒い時期にこそ生き生きとしていました。
カタクリはわずかに芽が出たばかり、アヅマイチゲは影も形もありません。あと半月もするとここが花に埋もれるとはとても考えられません。春植物と呼ばれる花たちの生命の不思議を思わないわけにはまいりません。
キツネノカミソリの芽もたくさん顔を出していました。

さらに大きなカタクリ群落:
作業道はやがて山腹に消え、さて、どうしたものかと立ち止まったそのあたりは、なんとそこにもここにもカタクリの芽がたくさん頭を出していました。かなりの規模の群落です。花時期にまたここまで登って来ることになりそうです。

稜線は藪と岩の小気味よいピークの連続:
檜の植林地と雑木林の境界を一気に上り詰めるとそこは藪の支尾根でした。このあたりはピークごとに尾根がめまぐるしく向きを変えてとても複雑な地形になっています。コンパスから目を離すととたんに居場所を失います。
最初に飛び出たピークは320m峰。周囲の景観をしっかり頭に入れておきました。でないと方向感覚をなくしてしまうほど複雑に曲がりくねった尾根筋なのです。
次々と立つ小ピークでは安蘇の山と関東平野の展望が広がって爽快です。周囲は土砂採掘の剥き出しの山や醜悪なゴルフ場に囲まれて気分の良いものではありませんが、そのおかげもあってかこの山一帯は人の入る気配もなく、思いのほか自然のままの姿をとどめています。特にゴルフ場に阻まれた形の南麓の広大な平坦地は深い森の雰囲気が濃厚です。一羽の鷹が悠然と飛んでいました。
途中、尾根筋の鞍部でもカタクリが芽を出していました。
前半は藪の尾根でしたが、北からの顕著な尾根を会わせると道形が現れ赤テープも時たま確認できました。歩く人もいるようです。

三床山頂は石祠がにぎやか:
最後の急登をこなすと小広い山頂です。三等三角点と小さな山名板があり、さらに進むと3つの石祠が三方を向いていました。それぞれの里でここに祀ったのでしょうか。
なかの一つには岩崎の文字が彫ってあります。東麓の三好の岩崎のことかと思われます。岩崎方向にしっかりした山道が下っています。

帰路は峠越えの廃道をたどる:
帰路は西方向に下って登り返した小ピークから道形をたどって北方向に続く尾根を歩いてみました。やがて334m峰の手前鞍部に降り立つと峠道と思われる廃道が横切っていました。かなりよく踏まれていた道らしく尾根を越える箇所は窪になっています。道跡ははじめは雑木の中を、やがて檜植林地の中をジグザグに下っていきます。時たま篠竹に遮られたり沢状の窪になったりして相当な荒れようですが、どうにか道跡をはずさずに山麓の平坦地に降り着くことができました。
道筋に出る所に「左梅園 右三好」と彫られた石標がありました。想像したとおりかつては峠道として歩かれていたようです。
【寄り道】 帰路、佐野市小中にやすらぎの湯
【便利帳】 コンビニ:足利方面からは佐野市出流原町で293号から飛駒方面へ左折する交差点に。
トイレ:付近にはなし。コンビニで借りるしかなさそうです。