【メモ】 |
荒れた尾根コースの荒れた林相:
鹿嶋神社
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鹿嶋神社は鮮やかな彩色の比較的新しく造営された社のようです。珍しい像の彫り物にカメラをパチリ。
神社脇からしばらくは荒れ地を進みます。一帯はゴルフ場開発が中途で断念されたため無惨な荒れ地となっています。
やがて左に沢コースを分けると山道となります。私たちは直進する尾根コースをとりました。
なだらかな尾根一帯はかつては赤松林だったようですが、今は遺棄されて荒れ放題です。おびただしい数の枯れた赤松が倒木となって至る所に転がっています。赤松に取って代わってヒサカキが優勢な林相になりつつあります。まるでヒサカキのトンネルです。
安蘇山塊の前衛の里山を歩くと、乾燥した赤松林はヒサカキに、あまり乾いていない雑木林はシラカシに遷移していくようです。
しばらく緩やかな道をたどり、いつになったら本格的な登りになるのかといぶかっていると、突然眼前に急斜面が現れ、ここから頂上まで急登の連続となります。このあたりからやっと雑木となりますが、サンショウが多く迂闊に枝をつかむと痛い目に遭います。
ところどころ道があやふやになりますが、とにかく上へ上へとひたすら登ります。
石祠の並ぶ三床山山頂:
露岩が現れ、背後に展望も得られるようになるとさらに急斜面の登りとなり、ひょっこり山頂の一角に飛び出します。
三角点の先に石祠があり、これらはそれぞれを祀った麓の集落を向いています。
頂上からは南の展望が得られますが、眼下にはゴルフ場が広がってあまり山に来たという雰囲気ではありません。しかしその先は大小山の山群と広大な関東平野、そして遠く東京のビル群や富士山まで届く大展望です。
また北側にも少し木々の枝が邪魔になりますが安蘇山塊が一望です。しかしこちらも近景にはゴルフ場と石灰鉱山や採石場などが広がっています。
登降を繰り返しながら露岩の尾根をたどる:
縦走路から三床山全景
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この三床山から西へ楽しい縦走が始まります。この縦走をたどらずに三床山だけで往復してしまってはこの山塊の魅力は1/10にも満たないことになってしまうかもしれません。
縦走路へはわずかに戻って右に分岐をとり、岩がちの斜面を一気に鞍部まで急下降します。この最初の鞍部へは先ほど登山口付近で分かれた沢コースが登って来ています。
しばらくは露岩を縫うように尾根を忠実にたどりますが、けっこう細かいアップダウンが多いのであまり先を急がずにそれぞれのピークで岩と赤松の織りなす爽快な景観を楽しむのがいいかもしれません。振り返れば赤松をまとった岩峰の三床山の姿がなかなかかっこよく見えます。南の山裾はかなり広大な樹林帯で、これもまた魅力的な景観です。また右手には鋭く頭を持ち上げている334m峰が目立ちます。その334m峰への尾根を分ける分岐ピークを越え小展望ピークを経て大きく登り返すと通称二床山です。ここから303m峰を経て駐車地に戻るルートもあるようです。
この尾根全体、なんとかならんかとうんざりするほどのマーカーがくくりつけられています。このような尾根こそ地形図を片手に行きつ戻りつしながら歩く楽しさがあるのですが。
334峰分岐先 尾根の登降(あまな氏撮影)
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320m峰(通称一床山)の大展望は360°:
さらに露岩の尾根は続きます。所々断崖上を歩き、のぞき込むと一気に切れ落ちている場所もありますが木々があるため恐怖感はあまりありません。
最後の急登で320m峰(通称一床山)山頂。全方向の大展望です。たぶん展望を得るためか、周囲は伐採されています。ここでゆっくり休憩としました。
ここは下山がもったいないくらいの展望ピークです。ここからはうねうねと波のように続く安蘇山塊が一望です。とりわけ桐生川源流の山々や旗川流域の山々が魅力的です。鳴神山、残間山、野峰、丸岩岳、根本山、熊鷹山などが意外な近さです。東には唐沢山の隙間に筑波山、南には奥秩父、奥武蔵と富士山も見通せます。しかし、あいにくの季節風のため日光、足尾は雲の中で、赤城山でさえ見え隠れ程度でした。
(山名について疑問)
三床山から西へ二床山、一床山と続きの山名があるとははじめて知りました。かなり昔から歩いていますが、ついぞ知りませんでした。しかし、イチトコ、ニトコと続けば次はサントコが自然ですが、三床山はミトコヤマと呼んでいるようです。なんだか不自然な気がします。あるいはヒトトコ、フタトコ、ミトコなのでしょうか。この辺の事情をご存じの方にぜひ教えていただきたいです。
(07-2-14)
地元出身の人も知らない(最近は里山が地元と無縁になりつつあります。)というので、サイトを巡ってみましたがヒトトコ、フタトコ、ミトコの記述を見かけました。確認のため地元公共機関に問い合わせをしていますのでなんらかはっきりした時点でこの項は書き加えます。
(07-2-15)
さっそく回答を頂きました。(素早い!)
まず、山名の読み方ですが、地元では「みとこやま」と呼んでいます。
また、「二床山、一床山というのは、正式な名称はついていない山だと思われます。愛好者がつけた名称であろうとのことです」と回答をいただきました。したがって、呼び方については、当然わかりませんでした。
これですっきりしました。
まあ、一床山、二床山がそんなわけですから、呼び方もどうでもいいや、ってなところでしょうか。語呂から言ってヒトトコ、フタトコ、ミトコがすっきり感じます。とはいえ、今のところ、連番に意味を見いだせません。三床山の「三」の意味するところがわかりませんので。
数字や番号としての「三」なら一、二と連番になっても不自然ではありませんが、そうでないとしたら三床山の山名の意味を曲げることになります。
そんなわけで、一床山、二床山の呼称は現段階ではちょっとどうなんだろうかという気はします。(本ページでは不本意ながら位置の識別のために仮に山名プレートに従っています。)
下山は適当に植林地の作業道跡を:
一床山から山形小学校まで道があるようですが、梅園(川東)に車をデポしてきたのでそちらに下山するしかありません。一床山から鞍部まではわずかで、そこから右手のヒノキ植林地に突っ込みました。
このコースを歩く人もいるらしくマーカーがいくつかありました。藪も尾根筋だけですぐに植林地内の作業道跡を見つけることができました。作業道跡といってもほんの痕跡程度なので山慣れていないと見つからないかも知れませんが、仮に見つからなくとも植林地内を適当に下山していけばいずれ林道跡に出ることはできます。
このまま沢筋を下って車を置いておいた墓地前に飛び出しました。
うねうねと続く安蘇山塊の展望 右奥から大鳥屋山、熊鷹山、根本山、丸岩岳、野峰、残間山など
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2007-2-28
今年もまた三床山の秘密の花園でセツブンソウが咲きました。
ここは自然のままの自生地で、囲いの中の保護地で手入れされている株とは可憐さが違います。私の知る限り、地元で自然のままのセツブンソウはここだけ。(ま、もっと探せばこのあたりにまだあるのでしょう。三床山は葛生から続く弓状の石灰岩床の末端にあたります。)
星野の里の群れ咲くセツブンソウもたしかにきれいで、保護管理している地元のみなさんには頭が下がりますが、しかし保護された園地の1000株の花も雑木林で落ち葉に隠れるようにひっそりと咲くたった一輪には遠く及びません。
また今年も逢えたね、と嬉しい気持ちで再会しました。今年は数えたら十数輪にも増えていました。
ところがこの自生地で伐採、整地が始まっていて、来年も逢えるかとても心配です。(付記:どうやらここの自生地は消滅したようです。)
2015-2-28
近年登山道が整備されて迷うこともなくなったと同時に周回コースが取れるようになりました。急峻な登りで三床山に登ってしまえばあとは岩稜を小さく登降する尾根歩きが楽しめます。ピークピークでは素晴らしい展望を得られますし、岩に出くわしても上手い具合に岩を縫って登山道が付けられています。
よく整備されてるとは言え、道を外すと断崖ですから注意を払う必要はあります。くれぐれも道を外さないようにしたいものです。
2021-2-21
大人気の山に変貌していました
岩を縫って進む稜線
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通称一床山頂上では休む場所もないほどでした。かつての道も定かではない頃を想うと時の流れを否が応でも感じさせられます。
それでも好天の元、岩を縫って進む岩稜の楽しさは昔と変わりません。
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【便利帳】 |
トイレ:山中にはなし 佐野からなら道の駅どまんなかたぬま 足利からなら越床峠手前に休憩パーキング |
【寄り道】 |
道の駅どまんなかたぬま
須花憩い館(お蕎麦)
佐野ラーメン さっぱり系が好みなら佐野駅近くの赤見屋本店をおすすめ 数少ない本格青竹打ちです。佐野ラーメンは青竹打ちと言われていますが実際に青竹打ちで麺打ちをしているのはごくわずかです。 |
【収穫】(^_^; |
2007-2-11 28片 240g
2015-2-28 51片 220g |