【メモ】 |
台風に破壊された林道:
林道の惨憺たるありさま
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古いガイドブックには林道奥の登山口まで悪路ながらクルマで入れないこともないような記述がありますので、サンスポーツランドから登山口までクルマで入って楽をしようと思っていました。しかし、10mと走らないうちにこれは無理と判断しました。車道の体をまったくなしていないほど破壊されています。一部は歩くのさえ大変なほどです。
前年の台風の爪痕は西上州一帯の登山道、林道を一変させましたが、ここは破壊の度合いが際だっています。
仕方なくサンスポーツランドに駐車して、あまり快適とは言えない約1時間弱の余計なアルバイトと相成りました。
とはいえ、見上げる斜面にはあちこち奇岩が頭を出していて西上州の雰囲気満点です。
新緑の登路:
登山口には大きな案内標識があって間違えようもなく、一旦沢に下りてからヒノキ植林地の中の急斜面の登りになります。右も左も美しい落葉樹林なのに登路だけが薄暗い植林地となっています。
やがて植林地が終わると板状の岩屑が堆積した明るい落葉樹林となり、歩を進めるたびにその岩がカラカラと乾いた音を立てる気持ちのよい登山道になります。かなりの急登ですがちょっと時期も遅めとなったスミレの花が目を楽しませてくれます。
ひょこりコルに飛び出すと爽やかな風が吹き抜け向こう側の眺めも得られるようになります。右が物語山本峰(東峰)、左が西峰です。
ミツバツツジの多い本峰:
妙義山
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まずは物語山本峰を目指して右手の急な斜面をたどりました。アカヤシオの多い斜面ですが、すでに花期は過ぎて花びらが登山道にたくさん落ちていました。代わりにミツバツツジが七分咲き程度であたりを艶やかにしています。
ヒカゲツツジもわずかながら生育していてちょうど満開でした。
急登から平坦なやせ尾根となり、ほどなく待望の物語山頂上です。北東側が開けていて妙義山の奇怪な眺めが広がっています。その先には榛名山、さらにその奥には谷川岳、仙の倉山など上越国境の山々が白く輝いていました。
西峰も大展望:
コルまでもどり登り返すと西峰の頂上です。こちらも本峰と同じように展望が広がっていますが、本峰よりやや北向きの展望となるため本峰の眺めに加えて浅間山、浅間隠山、神津牧場なども見通せます。
眼下の国道に沿った本宿や南野牧などの集落やその先の山越えの国道の鉄橋などがまるで箱庭のようです。
奇怪なメンベ岩:
頂上から左手に向かって踏み跡が延びています。その踏み跡をたどると、かなり下降しますが展望岩棚に出ます。そこから奇怪な形のメンベ岩(メンバ岩)を見おろすことができます。
いろいろなガイドや地元案内などで物語山の山名の由来となった出来事が語られ、それが史実としてどうなのかちょっと疑問ですが、物語に結びつけたくなるような不思議な岩塔です。
新緑の登山道 |
林道から見上げるメンベ岩 |
下山は往路をそのままもどりますが、新緑の中、差し込む光は緑のフィルターを通してこちらまで染まりそうでした。林道まで降り立ち見上げるメンベ岩と西峰に改めて西上州の地形の不思議さを感じました。 |