目次
明山 みょうやま457.3m

奥久慈の長大な断崖帯の南の終点にすっくと立つ鋭峰

袋田の滝付近から始まって延々と南下する断崖帯がほぼ尽きるあたりに竜神峡の脇を締めるような姿の良い鋭峰がすっくと立ち上がっています。明山です。
みなさん篭岩と結んで縦走したり竜神峡から登ったりそれぞれ工夫してルートをつないでいるようですが、いずれも少しロングコースとなりそうなのでいっそのこと最短で登ろうということになり大久保から明山だけを目指しました。


      明山頂上

     武生山 稜線に集落
【日程】 2016年3月12日
【山域】 奥久慈
【天候】 曇り
【地図】 1/25000大中宿

【アクセス】
登山口までは複雑です。
那珂ICから国道118号(大子・袋田の滝方面)へ。大宮市街を抜け山方宿の先でトンネルが見えたらそこの信号を右折して岩井橋を渡ります。トンネルの上には「そば道場」の大きな看板があります。
県道29号を少し走り「三太の湯」の看板のある丁字路を左折して県道249へ。この先も「三太の湯」の看板を頼りに走ります。三太の湯をやり過ごしその先でY字路を右に曲がって展望台を経由して山間の道路をしばらく走ると登山口です。明山登山口の案内板が目印になります。
【駐車地】
登山口前の路肩に1台。
付近に広い駐車地は見当たりません。
【コース】
大久保登山口 - 主稜線分岐
- 巻き道分岐 - 明山手前岩場
- 明山 - 巻き道 - 登山口

全行程 3時間 一般向き(岩場あり)
【メモ】
入山点から支尾根を登る
登山口までが難しい:
前年に篭岩に登ったばかりで、その時に篭岩の隣の山という認識を持ったと同時に次回の奥久慈は明山と決めました。ですからなんの疑いもなく篭岩と同じアプローチで出かけたのが道迷いの始まりで山間のわかりにくい道路をうろうろしてしまいました。
奥久慈は山間を複雑に道路が巡らされていてそれが頻繁に改修やら新規開通やらを繰り返しているので行く度に???の連続です。
それはナビ様も同様らしく時々空中走行の芸当となるわけです。
今回は途中までは勝手知ったる(つもりの)篭岩へのアプローチ、つまり西金から旧湯沢温泉経由で奥久慈パノラマラインまでをなぞり、パノラマラインをやり過ごしてすぐ先(道ノ辺)から登山口目指して山間道路を走るつもりでいました。1/25000の地形図でもそれが唯一の自動車道路となっています。ところがその道は集落の生活道路で狭くて抜けるのは困難のようでした。
仕方なく一旦旧山方町まで遠回りする羽目になりました。まずは高間草へ出てそこから戻るように左折してから上三草(かみさがくさ)を通って少し高度を上げると途中に展望台があります。併設の駐車場とトイレがありますので一休みにちょうど良いポイントです。水戸方面に大きく展望が広がっています。いろいろな品種の水仙が咲いていました。
さらに走ると道は山間の林道のようになり川を渡るとそのあたりが大久保の集落です。谷の奥に2,3軒の人家があります。そのまま走るとすぐにく登山口です。案内板があるのですぐにそれとわかります。
これまでの道筋の要所要所に明山を示す案内板がありますので道は複雑でもたどって行けばなんとかなります。
登山口先の路肩に駐車して登りにかかりますが登山道はまず支尾根を登ります。雑木林が続く気持ちのよい尾根です。最初右下に大久保集落を見ながらなだらかに登ります。

ダンコウバイ
縦走尾根:
右前方を見上げると明山らしい高みがのしかかっています。急峻ではあっても手の届くほど近くに見えるのでこれではあっという間に登れると思い下山後もう一山登ろうかなどと話しましたがこれがそうは簡単ではなくて意外に手強いことになりました。
最初のピークが主尾根との合流点です。篭岩方面への尾根道が左に下っています。
一度大下りしてそこから今度は小さなコブをいくつも越えて行きます。
ダンコウバイの花がちょうど盛りです。ヤブツバキもちらほら。小さなピークにはヒカゲツツジも見られます。
ところどころ竜神峡側の展望が開け深い谷を隔てて武生山が間近です。武生集落の人家が稜線上に点在しています。竜神峡が抉った深い谷と険しい斜面の上に平坦な尾根が残ってそこに集落が広がっているのは珍しく不思議な光景です。そこでは谷を縫うように道路が続いているのではなく尾根の部分を道路が走っています。

     縦走尾根から見上げる明山北側断崖

     ヤブツバキ

頂上より篭岩山、男体山、白木山
大展望の明山:
徐々に明山が近づいてくると一筋縄では行かない山だとわかります。左側(北)へ一気に高度を落とす岩の断崖を見上げると一体どう登るのか不安になります。
いよいよ最後の急登が始まる点で道は左右に分かれます。左は登山道と言うより岩をよじ登る感じです。右は笹の中の急登ですが普通に歩けそうです。
左の岩場のルートにはありがたいことにトラロープが垂れ下がっていますが、頼りになるようなならないような不安なロープですので、とりあえず全幅の信頼はせずにロープの助けを少し借りながら岩場の登りにかかりました。幸い木の根がしっかりしていますのでそれを頼りにしても登れます。
この岩場は少し長い登りですので不安ならば右のルートをとった方が良いかもしれません。
一頑張りで明山頂上です。山名板がにぎやかです。三角点を交換したらしく側に古い三角点が横たわっていました。
展望は抜群です。しかし空が靄って遠望はきかず筑波山がやっとシルエットの判別できる程度でした。
一方近景、中景はうねうねと続く常陸の山々が一望です。奥久慈の山はもちろん日立から里美あたりの準平原のような真っ平らに見える山群、雨巻山など栃木県境の山々、そして近景の奥久慈の山、眼下には竜神大橋が間近です。
竜神大吊橋
 
 3月とはいえ曇り空では空気も冷たく小雪もちらちら舞ってきたりもしていますがさいわい風がないので頂上で昼食にしました。
ネットで見るとけっこう人気の山に思えますが実際はにわかハイカーがやってくるような山ではないので展望とともにこの静けさが魅力でもあります。私たちだけの山頂をゆっくり楽しんでから下山にかかりました。
頂上からは登りにとった岩場ではなく左へ巻き道を下りました。こちらはあまり危険な箇所もなく普通の急斜面という感じです。
岩場の下で尾根道に合流してあとは往路を戻るだけです。

篭岩に寄り道:
上山の漆林
 

前回の篭岩に参加できなかった仲間がいたので上山(うやま)から篭岩だけ寄り道しました。こちらも展望抜群です。
あまり知られてはいませんがこのあたりは良質のウルシの産地です。山上の集落の周辺には漆の林が目立ちます。外国産が多い中で貴重な国産漆らしいです。
樹種は私たちが低山でよく見るヤマウルシとは別の樹液採取用のウルシだそうです。

山名について:
ガイドブック、ネットなどで「みょうさん」 「あけやま」などの呼称が入り乱れていてよくわかりませんでしたが地元で建てた案内板にはローマ字で「MYOUYAMA]と記されていました。このページでも「みょうやま」としました。
【便利帳】 コンビニ:近くにはありません。国道沿いだけです。
トイレ:展望台
【収穫】(^_^;  18片 170g

目次