【メモ】 |
旧里美村の中心地:
まずは帰りの舗装道路歩きを避けようと自転車を猪ノ鼻峠にデポ。猪ノ鼻峠は常陸太田市里美と大子町袋田をつなぐ峠で立派な駐車場とトイレがあります。
スタート点の大中宿は旧里美村の中心地です。市役所支所、郵便局、消防署などが集まっています。
赤い大鳥居は大中神社の鳥居です。大中神社は見るからに由緒ある神社らしいですが、先を急ぐため参拝はしませんでした。
消防署の脇に大中小学校の跡地があり今も校門が残っています。以前、「大中小」と話題になったことがありました。
登山道は大中神社前で右に折れて住宅と畑地の中をわずかに進んだ先の交差点で案内標識に従って左の林道に入ります。
しばらくは舗装された林道をだらだらと登り林道終点で山道になります。周囲はよく手入れされたヒノキ林です。
なだらかな山道:
山道になっても道幅は広くよく踏まれた道で登降もなくかつての峠道のように思われます。
アセビが多くほとんどアセビ林と言っていいほど繁茂して、それらが蕾をつけて春を待っていました。
途中で大石からの道を合わせてから峠に出たところで大きく方向を右に変えるとやっと登山道らしくなりました。
徐々に尾根道となるとそれまでの人工林から美しい落葉樹林になります。ときたま気まぐれのように樹木の名前を示す立派な札がくくりつけられていて参考になります。 |
鍋足山第1峰から望む第2峰
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鍋足山:
落葉樹の気分の良い尾根を登るうち傾斜が徐々にきつくなって笹原への分岐を分けると突然礫岩の露岩が現れます。
その岩場を登り切ると一気に展望が開けます。これまで林の中の道でしたから突然空中に飛び出したような気分です。振り返ると男体山や白木山など奥久慈核心の山々が横たわっていますが、いつもとは方角が違って見慣れぬ山の姿でなかなか同定が困難でした。
最後の一登りで鍋足山第1峰頂上。枝振りの良い松の木が頂上のシンボルという感じです。ガイドブックでよく見た松に架かった大きな山名標識はすでにありません。
ほぼ360°の展望です。あいにく曇り空で遠望は得られませんでしたが周囲の山々や里川沿いの平地などの穏やかな景観が好ましく、またその穏やかさと対照的な鍋足山群の小振りながら険しい岩峰の景観に圧倒されます。
第1峰から見たところ、鍋足山群はすぐ近くの第2峰、第3峰が岩をまとった厳しい山容で、その先の尾根や三角点峰は穏やかな姿です。(実際この先を縦走して見たとおりの山容でした。)
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ちょっぴり緊張の岩場:
2峰の岩場
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第1峰をあとに急下降してから尾根通しに登ると第2峰ですが私たちは巻き道をとりました。第2峰の反対側に回り込むと岩場になっていてこちらから第2峰に登り返しました。急な岩場にはトラロープとワイヤが下がっていますが礫岩でとっかりがあるのでロープに頼らなくとも何とか登ることはできます。
第2峰の頂上から第1峰を見ると左側は断崖で先ほどあの上にいたかと思うとタイムラグでちょっとスリルを感じます。第2峰からの下りは先ほどの岩場では危険もあるので尾根を戻るように再び巻き道に出て一回りするように戻りました。つまり縦走の方向とは逆向きで第2峰を登降したことになります。岩場は岩質が細かな礫岩なので登りと違って下りではロープに完全に頼らないと通過は難しい気がします。トラロープに全体重=命をかける気はしませんから安全な方策をとりました。
古いガイドブックなどでは第3峰に尾根通しで登った記述を見かけますが現在は通行止めとなっています。つまり第3峰は登らずに巻くことになりますが、巻き道と言うには大巻きすぎるルートになっていて、鞍部から一気に下降しついには沢まで降りることになります。
しかし、ただのつまらない回り道ではありません。鍋の底のような地形から見上げる鍋足山の岩場の壮絶な景観は大下りしたごほうびです。 |
3峰の岩場
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また稜線まで登り返して第3峰を見返るとなるほどこりゃ通過できないや、と納得するような岩場で私たちではとてもとても下ることなどできそうもありません。
第3峰の先はわずかに岩場が続きますがそのうち雑木の稜線になってほっと一息です。 |
心和む落葉樹の尾根:
三角点峰まで落葉樹の尾根が続きます。登降はありますがどれも小さなコブ程度で先ほどまでの緊張とはうって変わってのんびり歩けます。
このあたりから鍋足山の3つの峰が鍋足のごとくバランスよく眺められるというので何度も振り返ったのですが位置が等しく離れていなかったりどれかが一つだけ大きく見えたりして格好の良い鍋足には会えずじまいでした。
三角点峰はやや木々に隠れるもののいくらか展望も楽しめます。鍋足山の3つの峰が見通せます。
ベンチもあって休憩には格好の場所です。
三角点峰からしばらくは落葉樹の大木などもある楽しい道ですが、やがてヒノキ植林地となり左手に林道を見ると程なく猪ノ鼻峠に降り立つことができます。
あとは仲間を峠に待たせてデポした自転車で車を回収に向かいました。 |
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