【メモ】 |
森太郎
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わかりにくい入山口:
駐車場から50mほど戻った地点に入山口がありますがなんの案内板もないのでわかりにくく少し戸惑います。しかし山道に入ってすぐに案内板があってすぐにここが登山口だとわかります。おそらく車道からは見えない場所にわざわざ立てたのではないかと思われます。老いた巨木を守りつつハイカーにも見てもらいたいという思いが伝わるような標識です。
最初こそ藪っぽい登山道ですがすぐにブナの森になります。若木と巨木が交じった勢いのある森です。すでにブナの葉はだいたい落葉して登山道をふかふかに埋めています。モミジなどはまだまだ色づいています。
登山道は左に折れてトラバース気味の道となり小尾根に達すると直接鍋倉山に向かう登山道と森姫、森太郎に向かう登山道に分かれます。
残念な森姫、森太郎:
小尾根を超えてやや湿った谷に降りると森姫の分岐があり左に下るとすぐに森姫。しかし残念ながらすでに枯死して朽ちかかった無残な姿をさらしています。付近は湿った谷なので朽ちるのも早いかと思われます。この付近はすっきりときれいなブナの森の斜面とは違ってじめじめした地形の藪の谷という印象です。
ちょっとがっかりしながら分岐まで戻りさらに鍋倉山の山懐に入っていきます。巨木が目立つブナの森です。小沢をいくつか越えた深い森の中に森太郎は立っていました。しかしこちらも樹齢300年以上ですから風格があるというよりは残念ながら樹勢の弱った老木でした。私たちは巨木に感情を沿わせてしまいますが、実際にはこうして森が更新していくということでしょう。ちょっと残念な森姫と森太郎でした。
また小尾根まで小沢をいくつか越えながら戻るようにトラバースして先ほど分かれた鍋倉山への道に合流します。このあたりは壮年期のブナが多く、標高が上がるに従って葉をすっかり落とした冬姿になりまさしく別名のシロブナの通り山全体が白く感じるほどです。この合流地点付近が登りのルートでは一番のブナの森と感じました。
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葉を落としたシロブナの斜面 |
ねじ曲がった稜線のブナ |
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木島平、志賀方面、信濃川
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鍋倉山:
稜線に達すると尾根道に合流します。ちょうど黒倉山と鍋倉山の中間です。
左に鍋倉山を目指します。
尾根はブナに覆われていますが豪雪と強風の影響かあのすっくと立った斜面のブナの木とは違ってねじ曲がってその姿はとてもブナとは思えません。中には途中で1回転しているのや曲がって絡み合ったのなどもあり、この稜線の気候の激しさを物語っています。
だらだらと登って行くと程なく鍋倉山頂上。小さな石祠と山名標がある小広い頂上です。
右手がわずかに刈り込まれていて妙高方面が望めます。
細長い頂上をさらにそのまま進むと木島平方面の信濃川や野沢温泉スキー場など展望が開けます。その先には志賀高原方面の山々が横たわっています。
尾根道は先に続きますが私たちはここまでとしました。
まだ時刻も早いので昼食は後にして下山にかかりました。
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すばらしい茶屋池のブナ:
下山は先ほどの巨木の谷からの合流点を過ぎ黒倉山まではあっという間です。ほとんど双耳峰といっていいくらいです。
黒倉山からは北東へ展望が広がっています。眼下に広がる高原は光ヶ原、そして日本海も意外な近さです。
茶屋池
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黒倉山で稜線は右に折れなだらかに下ります。よく踏まれた道ですたすたと足がはかどります。時々光ヶ原方面が開けると眼下に裸になった白いブナの森を見ることができます。緑あふれるブナの森も美しいですが晩秋の白い森の景観もまたブナの森の一面です。
徐々に標高が下がってくるとブナの大木が多くなり、筒方峠で初夏にモリアオガエルのたくさんいた沼を見るとわずかで茶屋池方向分岐です。尾根からわずかに下るとブナの巨木の間から明るい湖面が見えます。落ち葉がふかふかと気持ちの良い道です。
池の手前にベンチのある広場があり湖面を見ながら休憩によい場所となっています。ここでコーヒーを淹れてしばし森の雰囲気を楽しみました。それにしてもなんとも美しい池です。周囲をブナに包まれて静かに水をたたえていました。(帰りに池を回り込んで初めてこの池が人工の池であることがわかりました。灌漑用でしょうか。美しい池の姿から当然自然の池とばかり思い込んでいました。) |
帰りの道もまた楽し:
紅葉の斜面
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茶屋池を回り込んだ反対側には自動車道に面して茶屋ハウスがあります。シーズンオフのためか閉まっていましたのでネイチャーセンターみたいなものなのかあるいは単に売店なのかわかりません。
茶屋ハウス前には観光会社のハイキングツァーのバスが客が下山してくるのを待っていました。最高点の峠で客を降ろして下山地で待っているとのことでした。山の登り方は人それぞれとはいうもののずいぶん横着な登り方だなぁと思います。一方、私たちはこれから入山点の駐車地まで戻らなければなりません。ここからは車道歩きです。
茶屋ハウスから少し下ると明るい南斜面で遅めの紅葉を楽しみながらほんとうはのんびりと行きたいところですが、ここはせっせと足を運ばなければ車まではけっこうな距離があります。途中展望台があって木島平や信濃川が眼下に広がっているのを眺めることができます。またその先には苗場山、鳥甲山なども展望できます。
駐車地からは車で。車道を下ると田茂木池周囲は紅葉真っ盛り、特に池を前にして眺める鍋倉山尾根突端斜面の紅葉は見事でした。田茂木池は西側に湿原を隣接したきれいな池ですがこれも灌漑用と思われる人工池でした。
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田茂木池の紅葉 |
ナナカマド |
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