【メモ】 |
新コース、これは行かずばなるまい:
冬枯れの尾出山〜高原山をのんびり楽しもうと出かけましたが、のっけから入山点を違えて無駄な沢歩き。前回と同じ轍を踏んでしまいました。林道が知らぬ間に延びているかもしれないという強迫観念でどうも早めに沢に下りてしまうことが多いようです。
そんなわけで林道終点で早くも息が上がってしまう失態。でもここで休憩したのが今回の幸運でした。ひょいと見た看板に今まで知らなかった歩道が記されているではありませんか。本来のコースとしてはこの林道終点から左に沢を遡って尾出峠に登るというのが一般的ですが、この新コースは終点から直進して東南尾根から頂上に直登するものです。
これを見つけてはここを登らないわけにはまいりません。
林道終点からはダラダラと小沢に沿って植林地をたどります。倒木が多くあまり歩きやすいとは言えませんが、道形はしっかりしています。やがて眼前が急斜面となり藪に覆われたガレとなって沢が終わるのですが、ここに小さな「尾出山周回コース」と書いた紙製の案内があり、左斜面に作業道の名残が登っていくのを見出します。急な斜面に付けられたトラバースなので崩れて今にも消えそうな道ですが、無いよりマシです。やがてすっかり道を失う頃にいい案配に枝尾根に登り着きました。
東南尾根は岩をよじったり巻いたりしながらの楽しい道:
ここは尾出山から南東に延びる短い尾根の中程と思われます。右に植林地、左にきれいな自然林、その林相の境目を道が現れたり消えたりしながら続いています。かなりの急峻さで枝をたよりにしないとずり落ちてしまいそうです。一カ所このコース最大の大岩が立ちはだかっています。直登できそうですが単独なので自重して右に巻きましたが、この巻き道になんとロープが張ってありました。新コースを開拓しようとした様です。(一般コースとするにはちょっと整備が足りないなぁ。)
道は不確かですがテープは随所にあって尾根を忠実にたどれば大丈夫、あとは体力任せです。ツツジの目立つ尾根で春はさらに楽しいでしょう。
やや緩斜面となるとひょっこり見慣れた頂上に飛び出しました。4人パーティーがちょうど出発するところでした。
足尾、日光の大展望:
皇海山から袈裟丸まで足尾の全山を望む
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頂上からは足尾、日光の大展望をわがものにできます。さすが2等三角点峰だけのことはあります。尾根通しに北西と北東にも踏み跡が続いていますが、一度たどってみたい気もします。
4人パーティーが出発するとたった一人の静かなピーク、小広い広場の真ん中にこぢんまりと石祠が建っていますので手を合わせました。ここは勝道上人の修行第二宿堂跡ということで、その石碑も建っています。この石碑、大鳥屋山にある石碑と瓜二つ、きっと同じ石工の手になるものなのでしょうか。
去りがたいピークですが、先も長いので下山にかかりました。尾出山の下山路もなかなか魅力的な尾根です。ヒカゲツツジとコイワカガミがたくさん見られ、またアカヤシオもあちこちに枝を広げています。春もまた楽しいかもしれません。山全体が尾出神社のご神体とかいうことで、ツガの大木が茂って深山の雰囲気いっぱいです。
自然林の縦走路:
日だまりの落ち葉の斜面
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高原山までの縦走はまず南へ一旦尾出峠まで大下りします。尾出峠は檜に囲まれた暗い峠で左右から登山道が上がってきています。東からは先ほどの林道終点から沢沿いに来る一般コース、西からは葛生の奥からのコース、そして直進すれば高原山方向です。
はじめのうちこそ檜の植林地ですが最初のピークを越すと概ね自然林の尾根となります。何カ所か急な登りもあり、また登り勾配では北斜面となるため数センチの雪に足を取られますが、コースの後半はなだらかな落ち葉の道が続き、尾出山のピークを振り返りながら、あるいは右方向に横たわる熊鷹山、丸岩岳などを眺めながらのんびり歩けます。
途中、あまり顕著ではない高みに山田山という標識がありましたが、初耳です。「M」字型のブリキ標はたしか古い時代のM大学のワンゲルのものだったかと思います。かつてこの山域あらゆるピークを踏んだようですが、今はどうしているでしょう。
高原山手前では右が伐採地となり大きく展望が拡がっていました。植林したばかりで一帯は鹿よけのネットが張られています。芝草の広がる気持ちの良い場所を選んでしばし休憩。眼前には秋山川、旗川の源流一帯の山々がなだらかにうねっています。
高原山は静かな自然林の中、一本の赤松が:
高原山に着くと先刻尾出山頂上でお会いしたグループがまたも出発しようとしているところでした。尾出山では「じゃ、あとから追いかけます」などと言って別れたのですがすぐさま追いつくつもりが皆さん相当な健脚で私よりペースが速いようでした。おいしいイチゴをいただいて、ここでもまた見送ることに。
しばし静寂を楽しんでから下山にかかりましたが、あとは送電鉄塔から巡視道を駆け下るだけ。そう思って気楽に歩き始めたのですが、この巡視道は北側斜面でおまけに檜の幼樹の繁った中を通っているので雪がコチンコチンに凍って危ないことこの上なし、何度もツルリンとやってしまいました。軽アイゼンくらいは必要でした。
対峙する高原山から直接延びる尾根の南斜面に伐採跡の作業道が明瞭に見えますので、冬ならば頂上からちょっと藪を突いてこの尾根から日だまりの斜面を下山する方が得策かもしれません。そちらにはすぐ下まで林道が登ってきています。
次の鉄塔からは折り返し戻るように巡視道が付けられていますので直進する道を探しても見つかりません。初めてではちょっと戸惑うかもしれません。あとはつづら折りに下っていけば沢に下り立ちます。
以前は沢沿いに道が続いていましたが、あたりは伐採直後で檜の枝が山のように捨てられていて通るに通れません。仕方なし、すぐ上に造られた林道まで這い上がることになります。林道に出れば駐車地はすぐそこです。
目の前に魅力的な尾根:
林道をぶらぶらと歩きながら前方を見上げると、たぶん尾出山から東に延びる尾根の末端になるのでしょう、天然の黒木に覆われた激しい登降を繰り返す魅力的な尾根が目に入りました。林道で会ったテッポブチの老人に聞いた話では尾根には道があると言うことでした。次回はここから尾出山に登り詰める、なんて冒険もいいかななどと気持ちを高ぶらせて今日の行程を終えました。
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【便利帳】 |
トイレ:なし
水場:入山点、下山点とも沢なので不便はありませんが、あまりきれいとは言えません。 |
【収穫】
(^^; |
大収穫(^^; ありゃ、袋一つに入りきれないぞっと。 620g、155片。
静かな山でこんな大収穫。(^^; というのは、ゴミそのものは少ないのですが今日は伐採地ででっかいシートを拾ってしまったので、それが重さで約半分。それと目印のポリプロピレン紐を「ゴミ」と思ってはずしながら歩いたためです。
ポリプロピレンの目印テープはぜひともやめて欲しいものです。劣化すると糸状にほつれて野鳥に打撃を与えるそうです。それよりなによりきったなくて見苦しい!はずしては困る人もいるかな、と思われる箇所は遠慮しておきましたが、布テープ以外は概ねはずしてきました。分岐でもなく藪の中でもなく雪に覆われることもない一本道に途切れることなくテープを結んで歩くバカ。アンタは電柱にションベンしながら歩く犬か。 |