【メモ】 |
一足早く夏空:
尾瀬沼と燧ヶ岳ガ
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関東だけ一足早く梅雨が明けて、ニッコウキスゲを見る良い機会と尾瀬沼に出かけてみました。
近年どうも梅雨明けが遅くなっている気がします。20日頃までにニッコウキスゲは開花してしまうためなかなか新鮮な花に出会うことが難しくなっていないだろうかという気がしています。
ですから、今年は絶好の機会というわけです。
大清水から歩き出す頃は前日までの梅雨空が嘘のような夏空が広がってちょっぴり期待が膨らみます。
下山のハイカーに聞いたところニッコウキスゲが満開とのこと、さらに期待は膨らみます。
しばらくは車道を歩かされますが、1時間ほどで一ノ瀬休憩所、一休みにちょうど良い距離です。
ここから登山道となって緩いながら登りとなります。
昔は岩を踏み越えたりぬかるみに足を取られたりする普通の「山道」でしたが、今は階段や木道が整備されているので雨上がりなのにあまり足を泥だらけにすることもなく、なんだか申し訳ない気分です。
三平峠:
岩清水の水場からやや急な登りとなり十二曲がりのジグザグを登り切ると平坦尾根上を歩くようになります。一箇所だけ展望が得られますがダラダラ登りの割には大清水方面からかなりの高度まで登ってきたことがわかります。
さらに平坦な木道をそのままたどると三平峠、展望もなく標識がなければ通り過ぎてしまいそうです。
かつては若い頃の私も含めてほとんどのハイカーはここを越えて尾瀬を目指したのだと思うとちょっぴり感傷めいた気分にもなります。その頃の尾瀬は特別な場所でした。文字通りはるかな憧れの尾瀬だった時代です。
峠から下りになりますが、こちら側もダラダラと緩い傾斜が続きます。ミズバショウなども現れますがそんな湿性の道でもほとんど木道が設置されているため泥んこに悩まされることもありません。
尾瀬沼:
樹間から尾瀬沼の湖面とさらにその向こうに大江湿原がのぞいています。大江湿原は一面の黄色。あまり山慣れしていない様子の人が、あ、畑、ととんちんかんな言葉を発していましたが、ここに畑などないことを知らなければ花卉栽培でもしているかと思えるほどびっしりと黄色で埋まっていますのでそれも仕方ないのかなと苦笑してしまいました。今時の尾瀬ってハイカーじゃなくツァー観光客の闊歩する天下です。
ニッコウキスゲの先にワタスゲ
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下りきったところが三平下。ここから湖畔の道となります。所々湖畔の湿原があり展望が開けて湿原、尾瀬沼、燧ヶ岳が1枚の写真に収まる景観が素敵です。
2,30分ほどでビジターセンター前に着きます。長蔵小屋、尾瀬沼ヒュッテもありベンチが数多くしつらえてあって良い休憩場所です。小さな入江の先に大江湿原が見通せます。
大江湿原:
ビジターセンターから大江湿原は目と鼻の先、すぐにニッコウキスゲ群落です。
稀に見る当たり年らしく、近年これほどの密度のニッコウキスゲは見たことがありません。いつも花を汚らしくしてしまう害虫も今年は少なくて一つ一つの花がきれいです。
木道は大江湿原の真ん中をほぼ一直線に沼山峠に向かって敷設されていて、所々に待避場所というか撮影場所というか木道のたまり場所があります。
振り返ると尾瀬沼と三本カラマツを背景に最も開花密度の濃い一帯が見えて、これほど咲くものかとちょっと感動的な景観です。
三平峠越えからビジターセンターまでは行き交う人たちも一応歩くつもりの人たちでしたが、ここへ来ると沼山峠から下ってきた観光客がほとんどで革靴とショルダーバッグという姿も珍しくはありません。
なんだか場違いのところに来てしまった感があります。
帰路は往路を戻りましたが、最後の一ノ瀬から大清水までの自動車道が意外に疲れました。
三本カラマツとニッコウキスゲ |
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