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笹目倉山 ささめくらやま 799.9m

終始檜植林地の中を登る

鹿沼や前日光の山に登るとき高々とピークを持ち上げている笹目倉山と鶏鳴山。気になる2山です。
笹目倉山は全山植林地という予備知識は持っていましたが、一カ所だけ日光方面の展望が得られる地点があるとのいくつかのガイドブックの記事を信じて登って来ました。
結果的にはそれらの記事が書かれてすでに10年以上にもなるのでその間に木々が育つのは当然で展望は見事に空振りと相成りました。おまけにルートの記述もすでに古く、沢すじで道を失いとんだ目に遭ってしまいましたが、そのおかげで植林地を歩くだけの山が楽しい小冒険となりました。

下山路にとった鍛冶屋沢コースは一般ハイキングコースではありません。

   頂上天善教奥宮       麓から見上げる風雨雷山と笹目倉山
【日程】 2012年11月18日
【山域】 前日光
【天候】

【アクセス】 鹿沼からは市街中心道路(国道121例幣使街道)を北上して国道が御成橋で右折して黒川を渡るのを見送ってそのまま板荷経由で小来川(おごろがわ)方面へ。
日光道路からは日光ICまたは今市JCを出て小来川方面へ。
【駐車地】
鹿沼から来ると小来川中心部の道路が最近変わって古い地図ですと混乱しますが日光方面への方向へ右折してすぐ狭い道が右に下っていきますからそちらへ。大カヤの案内板や小さな笹目倉山の案内板があります。
日光、今市からなら小来川温泉を過ぎてしばらく走ると右手に郵便局があり、その先の左に笹目倉山の案内板があります。これは沢コースの入口でこちらには入らず、つぎに狭い道が下っていきますからそちらへ。
特に駐車適地はありませんが黒川を渡った先に空き地があり地元の方に伺ったら停めても大丈夫でしょうとのことでした。(もっともその方の所有地ではありませんが。)
【コース】
駐車地 - 取り付き - 風雨雷山 - 笹目倉山
- 沢コース分岐 - 鍛冶屋沢 - 数m滝
- 林道跡 - 鍛冶屋のカヤ - 駐車地

全行程 3.5時間
【メモ】
頂上まで檜植林地:
檜植林地を登る
 

県道から登山口へ入る道がなかなか見つからずうろうろしましたが小さな案内板を見つけてその狭い道を下って空き地を見つけ駐車しました。
人家の間を通って案内板に従って尾根に取り付くといきなりの急登、一気に高度を上げます。周囲は檜の植林地で一切展望もなくただただ登るだけの尾根です。現在地を知るような箇所もありません。

風雨雷山頂上

風雨雷山:
突然鳥居が現れてその先に3つの石祠が行儀良く並んでいました。風雨雷山頂上です。3つの石祠は風神、雨神、雷神のようですが、どれが風神でどれが雨神でどれが雷神なのかはわかりません。
ここまで休憩するような場所もなかったので、丸太のベンチに荷物を降ろして一息入れました。
相変わらず檜に覆われて展望はありません。
ガイドブックでこのあたりから鶏鳴山や日光連山の大展望が得られるとの予備知識を得ていたのですが、どうやら木々がすっかり育ってしまったようです。この先笹目倉山頂上までの尾根も檜植林地の中を歩くことになりました。
(笹目倉山手前の肩のコブ付近でわずかに鶏鳴山の姿を見ることのできる場所がありましたが木々の間に垣間見える程度です。)

立派な社の建つ笹目倉山山頂:
やや急登をこなすとひょっこり肩のコブに登り着きます。さらに肩からわずかに下って登り返すと立派なステンレス張りの社の裏手に登り着きます。回り込むと天善王大神とありました。天善教の奥宮のようです。灯篭や石柱などがあってここまで運び上げるのはたいへんだったろうなと思わせるような宗教施設が並んでいます。(天善教がどういう宗教なのよくわかりませんが石柱には神道だと書かれていました。下山後地元の方に聞いてみてもあまり良くはご存じないようでした。)
ここから南に下る天善教コース、北へ向かう鶏鳴山への縦走コース、ガイドブックでは展望がよいものの荒れてしまったとされる清流園コースなどがあるようですが今回は肩のコブの分岐から鍛冶屋沢に下るコースをとることにしました。これなら周回コースとなります。

踏み跡も怪しい下降路:
笹目倉山から肩のコブまで戻りその先で下降分岐に入り一気に下ります。分岐にはマーカーもありますがすでに古くて、ここでこの古さが先の難儀を示していることに気づくべきでした。
道はあまり歩いた形跡が見られずすぐに踏み跡程度になります。右に並行して主稜線(鶏鳴山までの縦走尾根)が同じように急下降しているのが見えるので目安になります。
あたりは相変わらず檜の植林地が続きます。
注意深くマーカーを見つけながら尾根を外さないように下りましたが尾根が広くなっている地点で完全に道跡を見失ってしまいました。
悪戦苦闘で沢に降り立ち沢沿いの道を探しましたが見つかりません。沢すじからやや高いあたりに道がつけられているかと思って両岸を探しても見つからず、仕方なし難儀を覚悟で沢身を歩くことにしました。この沢は両岸が急傾斜で斜面につけられた道は崩壊してしまったのかもしれません。
沢には倒木が多くてなかなか難儀ですが足を濡らすこともなくどうにか進めそうです。2カ所ほど滝に阻まれましたが高巻きして通過しました。特に数メートルの滝は両岸が急傾斜でかなり高巻きしなければなりませんでしたがうまい具合に鹿道がありました。さすがの鹿もこの滝は越えられないとみえかなりの高巻きも我慢して登っているようです。
ところどころで沢沿いの道跡が現れますが、すぐに崩壊地になって消えてしまいむしろ沢身を歩いた方が転落の心配もなく安心です。
やがて沢沿いの道がはっきりしてきて、いつの間にかその道が林道跡のような広さになりやっと不安定な沢沿いのルートから解放されます。まだまだ車の走れるような道ではありませんが、鹿防護ネットが現れ堰堤が見えるとやっと林道らしくなりあとはのんびり集落までたどって駐車地に戻りました。
ここまできて初めて紅葉したモミジを見ました。そのくらいずっとずっと檜だけにつきあってきた笹目倉山でした。
この沢コースは下降尾根を含めすでにハイキングコースではなくなっています。ルートファインディングを楽しむベテラン向きのコースと考えた方が良さそうです。

     下山路の林道脇で見たモミジ

       麓のから見上げる鶏鳴山
【便利帳】  トイレ:なし
【収穫】(^_^; 18片 80g 
【寄り道】 
鍛冶屋の大カヤ
入山点の手前右の人家の奥に樹齢400年のカヤがあります。
人家の庭を通るような場所でちょっと入りにくいですが一見の価値ありです。

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