【メモ】 |
生不動の道:
旧道をわずかに戻って沢沿いの道をたどります。右手はヤブツバキの群生する斜面で開花時はきれいでしょう。ほどなく砂防堰堤で林道は終わり登山道は沢沿いに続きます。堰堤付近は荒れた景観ですがやがてきれいな雑木となりところどころ落ち葉の吹き溜まりなどもある気持ちのよい道となります。右手を見上げればあちこちに大岩が頭を出して縦走路の楽しさを予感させてくれます。
この沢は水量もなく沢としての美しさはないのですが、周囲の雑木林のおかげかとても好ましい景観が続きます。
やがて生満不動尊(生不動)。神楽殿の奥に本殿が見える珍しい構造です。
マンガン鉱山跡
|
あたりはあちこちにマンガン鉱を掘った跡が口を開けています。かつて小俣川、松田川上流一帯は多くのマンガンが掘り出されたそうで、沢沿いの藪歩きで突然不気味な廃坑口に出くわしドキッとすることがあります。現在はハイキングコース沿いの深い抗口跡にはフェンスが張られています。
熊の分岐で稜線に飛び出す:
沢が消えて急登となるとほどなく熊の分岐。ここで尾根の縦走路に飛び出します。頂上まではほんの一投足です。まずは東峰の小広い頂上に達します。この直前で赤雪山への分岐を見ます。
そこからほんの2,3分で仙人ヶ岳頂上、小広い平坦地には大きな山名板が建ち、北方向に展望が開け、南斜面はまばらな笹に覆われたきれいな雑木林になっています。この頂上は南斜面同様本来ミヤコザサに覆われていたのですが登山者が増えたここ10年ほどですっかり裸地になってしまいました。
楽しい縦走路:
赤松の尾根
|
頂上で展望を楽しんだら熊の分岐まで戻り、分岐を直進するといよいよ縦走路です。すぐに561m峰、展望ピークに達します。ここは眼前が伐採されて松田ダムを真上から俯瞰することができます。ここからダムに直接下ることもできます。
このピークから次のピークまでの東側斜面は丸坊主。背後はきれいな雑木林なのですが、やはり展望の方に目が行ってしまいます。風の当たらない鞍部で展望を楽しみながら昼食にしました。
ここから岩尾根のアップダウンが始まります。堅い岩質で靴の食いつきがよく蹴躓かないように気をつけさえすれば歩きやすい尾根といえます。露岩のピークに赤松を配してなかなかの風情で、この縦走路を通らないと仙人ヶ岳の魅力の半分以上を逃すことになるのではないでしょうか。ピークピークで岩の上に立って先ほど登った仙人ヶ岳の頂上を振り返ったり、赤雪山方
犬返し
|
面の眺めを楽しんだり、登路の沢筋を見下ろしたり、また南に横たわる深高山や石尊山を眺めたり、とその眺望がこの尾根の楽しみです。
いよいよ犬返しの岩場です。左に巻き道もありますが、やはりここは鎖場を通るのがお作法。岩上に立つと右手に爽快な眺めが広がっていますので、急いで降りることもなく展望を楽しむのがいいと思います。岩に松の取り合わせは安蘇山塊前衛の山々の特徴です。
鎖場はそれほど高くはないのですが、鎖の支持点が上端だけなのでしっかり足を運ばないと振られてしまいます。一般コースですから、せっかくの新しい鎖、途中に支持点が欲しいところです。
犬返しを通過して、小ピークを越すとあとは平凡な尾根となって途中山火事跡を見るとやがて猪子峠です。檜の植林地の薄暗い平坦地で、左と右へはそれぞれトンネルの入り口へ下る道、直進すると深高山への道が通じています。私たちは右へ下りました。だらだらと沢沿いの道を下って車道に出れば程なく駐車地です。 |