【メモ】 |
熊野神社:
熊野神社
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以前から北関東道塩坂峠トンネル付近から見える神社のたたずまいを好ましいと思っていました。大雪で近所を歩くしかなくなったのをいい機会と思って出かけてきました。
雪に阻まれて奥まで行けずうろうろしたあげく路肩に停めて、狭い車道を歩くと前方に石の鳥居が現れ額束には「熊野神社」と記されています。しかし近くに神社はなく鳥居をくぐって神域に入ったはずがまた車道に下りることになってしまい神社はその先になります。
たぶん高速道のために車道が付け替えられ、そのあおりで鳥居と神社が分断されてしまったのでしょう。
石段を登ると熊野神社社殿があります。かなり由緒あるらしく周囲の杉木立がそれを物語っています。灯籠には文久元年の文字が彫られていました。説明板では大治2年(1127年)再建とありますのでそれ以前にすでにあったとすると900年とか1000年の歴史を持つということです。現在の社殿は昭和14年に大破して翌年再建されたという建物です。
拝殿は見たところどこにもあるような普通の拝殿ですが、裏手の本殿を覗いてびっくり、精緻な彫刻が施された本殿です。羽衣をなびかせた天女が描かれています。
神社の前に不思議な杉があります。杉とイヌシデが並んでいてそのイヌシデを杉が包み込むような格好になっています。抱っこ杉というそうです。
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精緻な彫刻の本殿 |
抱っこ杉 |
古い道標
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雪の登路:
登山口はさらに先になります。高速道トンネル入口の真上を通って高速道の南側へ移ります。折しも大雪のため北関東道は通行止めで不気味に静まりかえっていました。
いよいよ山道へ入るという地点に小さな古い石の道標があります。文字は判別できませんでしたが同じ道標が峠のあちら側(足利の塩坂)にもあってそれには「左赤見右山道」と彫られていますのでたぶんここも同じように分岐のどちらかが足利の樺崎あたりを示していたはずです。この道標からもかつてはこの峠道を使って佐野の寺久保と足利の樺崎とで往来があったことが想像できます。
道ははっきりしていますが登るほどに雪が深くなり峠手前では膝下あたりまで没してしまいました。春には愛らしい花で賑やかなカタクリ群落地も深い雪の下です。
道の所々で鹿とイノシシの足跡が交錯しています。
やがて傾斜も緩みトラバース気味に回り込むと塩坂峠です。
ここまでずっと続いていた先人の足跡はどうやら越床峠から縦走してきたようで、峠を越えて塩坂へ下る道も北へ向かう尾根道も足跡はなくまっさらの雪に覆われていました。
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塩坂峠から展望岩尾根:
カタクリ群落地
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峠はかなり深い雪に埋もれていました。山桜の巨木が目立ちます。
南と北へ尾根が続いていますが、北へ少したどると展望地があります。まっさらの雪を蹴って尾根を少し進むと露岩となり風当たりのせいか岩が頭だけ露出して歩きにくくなりました。そのあたりから西に大きく展望が開け足利の街が眼下に望めます。街の背後を守るように両崖山、大岩山、行道山が並んで見えます。
その奥には太田金山を中景にしてさらに遠く奥秩父や荒船山なども展望できます。
振り返って東を望むと三峰山、諏訪岳、太平山など安蘇山塊南縁の山々もすぐ近くです。
帰路は途中で塩の井戸に寄って往路を戻りました。塩の井戸は見るべきものもなく無理矢理感いっぱいのにわか造りの井戸風の石組みがあるだけです。 |
まっさらな雪尾根 |
両崖山 荒船山 |
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