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楚々木 そそぎ

福寿草を訪ねて大楚々木、小楚々木を歩く

2010-3-28
喜多方の山間にひっそりと肩を寄せ合うようにたたずむ大楚々木と小楚々木の集落。雪解けとともにあちこちにフクジュソウが花開きます。
フクジュソウ、カタクリなどのかつての自生地であった場所に植栽したり保護したりして大きな群落になり、わんさと人が集まってとんでもないことになってる花の名所が各地にありますが、ここ大楚々木と小楚々木はそんな疑似自然の景観ではありません。大群落ではありませんが、棚田の斜面や人家の斜面など雪が融けた順に可憐な花を見せてくれます。

2015-4-3(こちら)
喜多方まで所用で出かけた折にそろそろ満開かなと思って寄ってみました。喜多方にはさらに大きなフクジュソウ群生地があるというのでそちらに行ってみようかとも思いましたが、そこは保護地らしく、やはり手つかずの自然のままが見たくて、2度目になりますが楚々木にしました。
前回と比べて雪解けも進んでいたのでたくさんの花を見ることができました。雪が解けた場所から順に開花するのでまだあと半月くらいは楽しめそうです。

関連ページ
沼ノ平  http://www.kimurass.co.jp/numanotaira.html

2010-3-28

         フクジュソウ

           フキノトウ

           雪解けの落葉樹林

          大楚々木集落と棚田)

2015-4-3

       雪解け地にさっそく咲いたフクジュソウ
 
     楚々木から見る飯豊連峰(右側斜面にも点々とフクジュソウ)
【日程】 2010年3月28日(こちら)
2015年4月3日(こちら)
【山域】 会津
【天候】 曇り
【地図】 1/25000熱塩

【アクセス】 喜多方で国道121号から国道459号を東進、さらに関柴で北に折れて姥堂川の谷に入っていきます。関柴ダムを右に見て1.5kmほど先で橋を渡ると小楚々木と大楚々木の分岐。
左にトタン葺き小屋があり右に庚申塚があります。
【駐車地】
分岐の路肩に1,2台駐車できます。
【コース】 分岐脇駐車地 − 旧道分岐 - 大楚々木 - 愛宕神社鳥居(峠のシェルター) - 小楚々木−分岐
実行程約2時間 初心者向き(ただしこの時期、峠付近は凍結しています。)
【メモ】 2010-3-28
標高500mほどの高原にたたずむ大楚々木:

大楚々木と小楚々木の分岐に車を停めて舗装道路をそのまま直進し徐々に高度を上げて行くと姥堂川対岸の落葉樹林の山の景観が広がります。雪解けでまだら模様となった大仏山方面の斜面がなかなかよい雰囲気です。
そこここにフクジュソウ
 
フキノトウがたくさん顔を出していたので少し摘んでよいお土産にしました。
右に旧道が分かれて上がっていきますが雪に覆われてとても歩ける状態ではありません。そのまま舗装道路を進むとかもしか峠という案内板がありますが峠という地形ではありません。道が大きく戻るようにカーブして一段高みに登ると左手に大楚々木の集落が見えます。このあたりからいよいよフクジュソウが顔を見せてくれます。道路の法面、棚田の斜面、人家の脇など雪の融けた斜面はどこもフクジュソウの自生地になっています。
大楚々木は静かなたたずまいでひっそりとしています。こんな山の中ですが家々はどっしりとした構えで喜多方らしく蔵があちこちに見られます。
集落の最奥に分校があります。山の分校の響きが持つ旧いイメージとは違って瀟洒な建物です。
集落からは喜多方の盆地が一望です。

雪の中からも黄色の花が:
大楚々木の集落から抜けると高原状の棚田が広がって、さらにフクジュソウが目立つようになります。なかには雪の中から顔を出しているせっかちな花もありそのけなげな姿に思わず微笑んでしまいました。
ここはもちろん植栽したものではなく、また関東周辺のように過度に保護して増やしたものでもないようで自然のままにその辺に勝手に咲いているという風情です。関東周辺ではカタクリにしろ、フクジュソウにしろ、セツブンソウにしろ、自生地はことごとく柵で囲み下草を刈りはては遊歩道を造ってしまうのは地元の自慢な気持ちも解りはしますがいかがなもんでしょう。もっとも自然のままにしては盗掘や雑木林の荒廃のままに消えてしまうわけですから致し方ないのかも知れません。
関東では希有な存在がここでは普通に咲いているフクジュソウです。

愛宕神社:
集落からヘアピンカーブをたどると大楚々木を望む高みに登ります。雪解け時期の棚田と静かな集落、さらにその先に名も知らぬ残雪の山々が広がっています。
愛宕神社鳥居(愛宕山登り口)
 
杉木立になるとフクジュソウもなくなりしばらくはだらだらと舗装道路をたどります。
峠に小さな鳥居が半ば雪に埋もれていました。愛宕神社と記されています。右手の小高い山が神社のある愛宕山です。
もちろん登るつもりで来たわけですが、雪に埋もれて登路も判りません。強引に10mほど登ってみましたが最近降ったらしい雪がまだ締まっていなくて雪を踏み抜いて脚がズボッと埋まるほどでやむなく諦めました。
頂上は昔は素晴らしい展望だったと言うことですが最近は樹林に邪魔されているとのことです。
鳥居の先の峠は防雪のシェルターとなっています。このあたりでは道路が凍結していました。

小楚々木:
峠からは緩く下って小楚々木の集落に入ります。大楚々木が高原状であったのに比べ小楚々木の集落は背後を山に守られたような地形です。
ここでまたフクジュソウに出会いますが大楚々木ほどの数はありませんでした。
棚田の流れにはクレソンがたくさん生育していて採集に来ている人がいました。あっという間にプラ箱にいっぱいになっていました。
道は小楚々木から谷間を下ります。この道はサラサラと水流が導かれていて、たぶん融雪をしているようです。山村の智慧です。
道脇の斜面にはショウジョウバカマが目立ちますが花時季にはまだ早すぎたようです。周囲はブナ林で木の周囲だけ雪解けする残雪期独特の景観が見られました。
やや急な道で、仲間がその水流で転んで濡れネズミというおまけが付いて駐車地に戻りました。
 
     田の畦にもフクジュソウ
 
      雪の中から顔を出したせっかちなフクジュソウ

2015-4-3
雪解けも進んでちょうど見頃:
楚々木の集落の手前でさっそく満開の花たちがお出迎え。左手の南向き斜面にたくさん咲いていました。
まだ棚田は雪に覆われていますが棚田の土手は真っ先に雪が解けるようです。

楚々木のフクジュソウ(クリックで拡大)

喜多方の平地に戻ると飯豊連峰が真っ白に輝いて見えました。左に大日岳、右に飯豊本山、それぞれが主峰の貫禄充分です。
【便利帳】 トイレ:なし 喜多方で済ましておくことをおすすめ