【メモ】 |
2010-3-28
標高500mほどの高原にたたずむ大楚々木:
大楚々木と小楚々木の分岐に車を停めて舗装道路をそのまま直進し徐々に高度を上げて行くと姥堂川対岸の落葉樹林の山の景観が広がります。雪解けでまだら模様となった大仏山方面の斜面がなかなかよい雰囲気です。
そこここにフクジュソウ
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フキノトウがたくさん顔を出していたので少し摘んでよいお土産にしました。
右に旧道が分かれて上がっていきますが雪に覆われてとても歩ける状態ではありません。そのまま舗装道路を進むとかもしか峠という案内板がありますが峠という地形ではありません。道が大きく戻るようにカーブして一段高みに登ると左手に大楚々木の集落が見えます。このあたりからいよいよフクジュソウが顔を見せてくれます。道路の法面、棚田の斜面、人家の脇など雪の融けた斜面はどこもフクジュソウの自生地になっています。
大楚々木は静かなたたずまいでひっそりとしています。こんな山の中ですが家々はどっしりとした構えで喜多方らしく蔵があちこちに見られます。
集落の最奥に分校があります。山の分校の響きが持つ旧いイメージとは違って瀟洒な建物です。
集落からは喜多方の盆地が一望です。
雪の中からも黄色の花が:
大楚々木の集落から抜けると高原状の棚田が広がって、さらにフクジュソウが目立つようになります。なかには雪の中から顔を出しているせっかちな花もありそのけなげな姿に思わず微笑んでしまいました。
ここはもちろん植栽したものではなく、また関東周辺のように過度に保護して増やしたものでもないようで自然のままにその辺に勝手に咲いているという風情です。関東周辺ではカタクリにしろ、フクジュソウにしろ、セツブンソウにしろ、自生地はことごとく柵で囲み下草を刈りはては遊歩道を造ってしまうのは地元の自慢な気持ちも解りはしますがいかがなもんでしょう。もっとも自然のままにしては盗掘や雑木林の荒廃のままに消えてしまうわけですから致し方ないのかも知れません。
関東では希有な存在がここでは普通に咲いているフクジュソウです。
愛宕神社:
集落からヘアピンカーブをたどると大楚々木を望む高みに登ります。雪解け時期の棚田と静かな集落、さらにその先に名も知らぬ残雪の山々が広がっています。
愛宕神社鳥居(愛宕山登り口)
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杉木立になるとフクジュソウもなくなりしばらくはだらだらと舗装道路をたどります。
峠に小さな鳥居が半ば雪に埋もれていました。愛宕神社と記されています。右手の小高い山が神社のある愛宕山です。
もちろん登るつもりで来たわけですが、雪に埋もれて登路も判りません。強引に10mほど登ってみましたが最近降ったらしい雪がまだ締まっていなくて雪を踏み抜いて脚がズボッと埋まるほどでやむなく諦めました。
頂上は昔は素晴らしい展望だったと言うことですが最近は樹林に邪魔されているとのことです。
鳥居の先の峠は防雪のシェルターとなっています。このあたりでは道路が凍結していました。
小楚々木:
峠からは緩く下って小楚々木の集落に入ります。大楚々木が高原状であったのに比べ小楚々木の集落は背後を山に守られたような地形です。
ここでまたフクジュソウに出会いますが大楚々木ほどの数はありませんでした。
棚田の流れにはクレソンがたくさん生育していて採集に来ている人がいました。あっという間にプラ箱にいっぱいになっていました。
道は小楚々木から谷間を下ります。この道はサラサラと水流が導かれていて、たぶん融雪をしているようです。山村の智慧です。
道脇の斜面にはショウジョウバカマが目立ちますが花時季にはまだ早すぎたようです。周囲はブナ林で木の周囲だけ雪解けする残雪期独特の景観が見られました。
やや急な道で、仲間がその水流で転んで濡れネズミというおまけが付いて駐車地に戻りました。
田の畦にもフクジュソウ |
雪の中から顔を出したせっかちなフクジュソウ |
2015-4-3
雪解けも進んでちょうど見頃:
楚々木の集落の手前でさっそく満開の花たちがお出迎え。左手の南向き斜面にたくさん咲いていました。
まだ棚田は雪に覆われていますが棚田の土手は真っ先に雪が解けるようです。
喜多方の平地に戻ると飯豊連峰が真っ白に輝いて見えました。左に大日岳、右に飯豊本山、それぞれが主峰の貫禄充分です。
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