【メモ】 |
荒れた林道:
ミヤコザサの密生した尾根
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杖の神林道はちょっと入口が判りにくいですが、湖畔の宿記念公園の駐車場を目安にして駐車場を通り過ぎてそのまま登っていくと右手に狭い林道の入口があります。(榛名神社、高崎方面へ行く県道に出てしまったら行き過ぎです。)
舗装道路ですが夏草がせり出して実際より狭く感じられます。そのうち未舗装道路となりますが、かなりの荒れようです。崖から土石が崩落している箇所がいくつかありますので注意が必要です。かつて開通間もない頃に歩いたことがありますが、それ以来林道としてあまり利用されている様子もなくこのまま荒れ果ててしまうのかもしれません。最後にまた舗装路となると程なく杖の神峠です。
右手(北側)からは掃部ヶ岳方面からの登山道が下りてきています。杏ヶ岳へは反対の南側へ山道が開かれています。
いきなりミヤコザサの藪の中の道で先が思いやられましたが、すぐにミヤコザサは消えてさっぱりした気分の良い雑木尾根になります。
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ミズナラ、イヌブナの尾根
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ミズナラ、イヌブナ:
尾根の左手(東側)は急斜面で林床はきれいさっぱりとしていて、また低層の木も少なく冬ならばそこそこ展望も得られそうです。一方、右手(西側)は深い樹林であまり見通しはよくありません。しかし見通しはない代わりにいろいろな樹種の茂った斜面は緑に包まれていい雰囲気です。
高層はミズナラが目立ちます。他にイヌブナやカラマツなどが覆っています。低層にはヤマツツジが目立ちます。花の時期はきれいに彩られるはずです。
道はなだらかで歩きやすく、秋の花がたくさん咲いていました。とくに鮮やかな青紫の花を行儀良く連ねたトリカブトが目立ちます。トリカブトの識別は難しくてよくわかりませんが、小振りの草丈や行儀良く並んだ花などからしてジョウシュウトリカブトやハクバブシなどかと想像しました。とはいえ、なにせ歩きながらカメラに納める程度で細かく調べたりはしませんので結局判らずじまいでした。
簡単に最初の高みに登り着いて、そこに鷲の巣山の標識がありました。どうやら肝心の杏ヶ岳よりこちらの方が高いようです。 |
結局展望はないまま:
いったん大下りして登り返しますが、登り着いたピークはまだ杏ヶ岳ではなく前衛峰でした。ひっそりと小さな石祠があります。
この前衛峰の登りと下りはシロヨメナ、トリカブト、アザミ、セキヤノアキチョウジなど秋の花が咲いてなかなか楽しい道です。
前衛峰の石祠
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さらにわずかに登り返すと杏ヶ岳頂上。三等三角点と山名標識、そしてここにも石祠があります。
周囲は樹林に囲まれて展望はありません。見晴らし岩でもあるかと思い頂上を過ぎて先まで行ってみましたが結局樹林に覆われた尾根でした。
やや古いガイドブックでは杏ヶ岳は展望峰と紹介されていましたが、全コース展望を得られなかったわけです。葉を落とした晩秋から初冬なら展望を楽しむことができるかもしれません。
地形図上にはこの先に味噌玉岩という心惹かれる記述がありますがけっこう遠いし、少し(100mくらいですが)尾根を歩いた限りではヤブがちで結局は帰りは往路をそのまま戻るしかありません。
山名について:
かつては杏ヶ岳のことは「すもんがたけ」と呼んでいた記憶があります。ところが地形図を見るといつのまにか「すももがたけ」「すもうだけ」と記述してあります。漢字表記も「李が嶽(杏ヶ岳)」となっています。私の古い認識からはどうも違和感がありますが最近ではこう読むのでしょうか。ただし、鷲の巣山の標識は「SUMONGATAKE]となっていましたのでちょっとうれしい気持ちです。地元ではやはり「すもんがたけ」なのかもしれません。
ここで面白いのは「杏」をアンズではなく「すもも」と読ませることです。どんな経緯があるのか知りたいものです。
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樹間からわずかに榛名湖を覗く |
杖の神峠の石祠と石仏(天保年間の銘がありました) |
杏ヶ岳の花(写真クリックで拡大)
シロヨメナ |
フシグロセンノウ |
トリカブト(詳細不明) |
サラシナショウマ |
セキヤノアキチョウジ |
ハナイカリ |
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